英文メールの書き方 10分間レッスン

英文Eメールの書き方がわからなくてお困りの方。
実際に書き始める前に、まずは英語でEメールを書く場合に必要な最低限のルールを“10分間で”さっと学習しましょう。

このページは、Z会編集部編『英文ビジネスEメール 実例・表現1200[改訂版]』の一部コンテンツを引用・抜粋したものです。

INDEX
1. 宛先 | 2. 件名 | 3. 添付ファイル | 4. 頭語 | 5. 本文 | 6. 結語 | 7. 署名

Eメール例

1. 宛先

メールを送る相手(受信する人)のメールアドレスを入力する欄です。”TO”のほか、”CC”や”BCC”を使い分けます。

TO

通常、メールを送る相手のメールアドレスを入力する欄です。

CC (Carbon Copy)

参照用ややり取りの確認用などとして同じ内容のメールのコピーをTO 欄で入力した相手以外の人に送る場合、この欄にその人のメールアドレスを入力します。CC 欄に入力されたメールアドレスはすべて表示されるので、TOで受信した人もそのメールのコピーが自分以外の誰に送られているのかがわかります。

BCC (Blind Carbon Copy)

TO欄やCC欄で入力した相手に知られることなく同じ内容のメールのコピーをそれ以外の人に送る場合、この欄にその人のメールアドレスを入力します。BCC 欄に入力されたアドレスはTO やCC でそのメールを受信した人からは見ることができないので、受信する人同士がお互いを知らない場合など、プライバシーに配慮した形で使われることが多いです。

2. 件名(Subject)

メールの内容が一目でわかるような具体的で簡潔な件名をつけることがとても大切になってきます。
また、返信をする場合には、特に必要のない限り元の件名を変えない方がわかりやすいでしょう。
以下に、英語で件名を書く際の注意点と件名の例を挙げます。

件名をつける際の注意点

  • 件名は完全なセンテンスでなくてもよいので簡潔さを優先。
  • 件名欄は短いので、about、a、theなどは適宜省略して字数を削減。
  • 本当に緊急・重要なメールを送る際にはIMPORTANT、URGENTなどで緊急度や重要度を明示します。ただし、使い過ぎには注意。
  • 抽象的で漠然とした件名はスパムメールやウイルスメールと間違われる可能性があるので避けましょう。
  • 抽象的で漠然とした(使うのを避けたほうが望ましい)件名の例
    ▲Call now (すぐにお電話を)
    ▲Congratulations! (おめでとう)!
    ▲Document (文書)
    ▲Free (無料)
    ▲Good news (耳寄りなお知らせ)
    ▲test (テスト)
    ▲Hi! (やあ!)
    ▲Hi there (やあ、こんにちは)
    ▲Information (お知らせ)
    ▲New product (新製品)

 

好ましい件名の例
Inquiry about your products 御社製品に関する問い合わせ
Order for LCD TV T-987 液晶テレビT-987の注文
Request for payment お支払いのお願い
Reservation confirmation 予約の確認
Project meeting on March 5th 3月5日の企画会議
Invitation to a party パーティーへのご招待

 

3. 添付ファイル(Attachment)

本文のほかに資料やデータなどのファイルがある場合は、半角英数字でファイル名をつけてメールに添付して送ります。確実に見てもらうために、単に添付するだけでなく、以下の例のように本文の中でも添付ファイルがあることやファイルの内容について言及するようにしましょう。

添付ファイルがあることを伝える例

・Attached is the latest information on our system program about which you inquired.
(お問い合わせの弊社システムプログラムに関する最新資料を添付いたします。)

・I am sending the invoice for April as an attached document.
(4月分の請求書を添付してお送りいたします。)

・Please see the attached materials that include a price list and product details.
(価格表や商品の詳細などについての資料を添付しておりますのでご覧ください。)

4. 頭語(Salutations)

日本語の「拝啓」や「前略」に当たる部分です。本文の冒頭でDear ~ の形で書かれることが多いですが、Dear をつけない場合もあります。
頭語は「敬辞」とも呼ばれ、相手との間柄や状況などに合わせて使い分ける必要があります。
また、頭語の最後には、アメリカ式ではコロン(:)を、英国・欧州式ではコンマ(,)をつけるのが一般的ですが、これらは厳格なルールではありません。

改まった間柄や初めてメールを送る相手の場合

「Dear+敬称(Mr., Ms. など)+相手の姓(family name)」の形を使います。これらは相手の名前がわかっている場合の形です。

アメリカ式 英国・欧州式
Dear Mr. Green: Dear Mr. Green,

日本語の感覚だと相手の名前(first name)に敬称をつけても不自然さはありませんが、英語では敬称(Mr., Ms. など)に続けて相手の名前を書くのは間違いですので注意しましょう。
(例)× Dear Mr. Mark:

また、「Dear+敬称(Mr., Ms. など)」に続けて相手の姓名(full name)を書くパターン(Dear Mr. Mark Green)も間違いではありませんが,あまり使わない方がいいでしょう。

ある程度親しい間柄の場合

「Dear +相手の名前(first name)」の形を使います。

アメリカ式 英国・欧州式
Dear Mary: Dear Mary,

 

同僚や気軽な間柄の場合

「Hi+相手の名前(first name)/Hello+相手の名前/相手の名前」などを使います。これらはかなりカジュアルな形式です。

アメリカ式 英国・欧州式
Hi Yoko: Hi Yoko,
Hello Tom: Hello Tom,
Alice: Alice,

日本人同士が日本語でメールをやり取りする場合、親しい間柄であっても職場の同僚などに対しては姓(family name)を用いることが多いですが、英語では名前(first name)を使うことがよくあり、むしろ親しい人を姓で呼ぶとよそよそしいとして相手から嫌がられることもあります。

日本語のメール 英語のメール
山田様[さん] Shizuka:

 

相手の名前や性別がわからない場合/複数の相手に送る場合
アメリカ式 英国・欧州式
Dear Sir or Madam: Dear Sir or Madam, 拝啓
To whom it may concern: To whom it may concern, 関係各位
Dear Customer: Dear Customer, お客様へ
Dear all: Dear all, 皆様へ
Hi everyone: Hi everyone, 皆さんへ
Dear Sales Manager: Dear Sales Manager, 営業マネージャー様
Dear Mr. and Mrs. ~ : Dear Mr. and Mrs. ~ , ~ご夫妻様

 

5. 本文

英文ビジネスEメールの中心となる部分です。
言いたいことを相手によりわかりやすく伝えるためには、ただ漫然と好きなように書くのではなく以下に述べる点を押さえて書くようにしましょう。

英文ビジネスEメールの基本

  • 1行は60 ~ 70 字程度にする。

受信する側のメールソフトの設定によっては表示のされ方が変わりレイアウトが崩れてしまうこともあるので、あらかじめ適当な長さのところで改行するようにします。
意味の切れ目も考慮しながら1行の長さを60 ~ 70 字(日本語だと30 ~ 35 字)程度で収まるようにしておくとよいでしょう。

  • 大文字・小文字だけで書かない。

文章全体を大文字で書くと、相手に「強要している」「攻撃している」などといった印象を与えるのでやめましょう。強調したい部分などがある場合は、アステリスク(*)で囲むなどの方法を用いるようにします。また、小文字だけで書くのも文章が読みづらいので避けましょう。

よいメールのポイント

  • 内容はできるだけ簡潔に

手紙文などと比べ、ビジネスEメールはより簡潔であることが求められます。私たち日本人は、要点だけの短いメールではそっけなく相手に対して失礼ではないかと考えがちですが、忙しいビジネスパーソンには逆に長い文書の方が歓迎されません。

  • 日本的儀礼は不要。

英文ビジネスEメールには、日本人同士のやり取りでよく使われる「いつもお世話になっております」などのような社交のあいさつを書く必要は基本的にありません。ただし、相手との間柄によっては事務的な文章ばかりでなく近況報告などを入れることもあります。
また、日本人は「すみません」「申し訳ありません」などの表現を軽い意味合いでよく用いますが、英文ビジネスEメールにおいては謝り過ぎの印象を与えてしまうので、あいさつ程度の「すみません」「申し訳ありません」は多用しないようにしましょう。
さらに、自分の考えやYes/Noははっきりと述べ、わからない点はうやむやにせずきちんと相手に確認することが大切です。

  • I とWe を使い分ける。

英文ビジネスEメールを書くときに、Iを使うかWeを使うかの判断に迷った場合は、基本的に自分が個人としての立場で意見などを述べるのであればI ~(私は~)を、会社を代表して何かを伝えるのであればWe ~(弊社は~)を使うと考えるとよいでしょう。Iを使う方がインフォーマルな印象になります。

(例)
I hope for the success of the lecture.
(講演会のご成功を願っております。)

We appreciate your kind consideration.
(よろしくご検討のほどお願い申し上げます。)

「書き出し」「主文」「結び」の3部構成

実際にビジネスEメールの本文を書くときは,「書き出し」「主文」「結び」の3つに分けて構成を考えていくと比較的スムーズに進めることができます。

  • 書き出し

ここでは簡単なあいさつなどを書きます。初めて送るメールでは自己紹介を、2回目以降のやり取りでは軽めのあいさつやメールのお礼、メールの用件などについて述べます。

(例)
My name is Haruko Uchida of Seihoku Trading.
(私は西北商事に勤務している内田春子と申します。)

Thank you for your e-mail of March 14.
(3月14 日付のメールをありがとうございました。)

I have read your e-mail, and I am writing to you forthwith.
(メールを拝見し,さっそくお返事を書いています。)

  • 主文

依頼事項や確認事項、提案事項などEメールの主題について書く部分です。相手の立場に立ち要点を押さえた内容となるように心がけましょう。

  • 結び

Eメールを締めくくる部分で、用件の確認、念押し、対応を促す、などの働きをします。ここでよく使われる表現には「よろしくお願いします」「お待ちしています」「楽しみにしています」などがあります。いずれにしても相手によい印象を与え、円滑な関係へとつなげることを念頭に置いて書くとよいでしょう。

(例)
I ask for your kind cooperation.
(ご協力のほどよろしくお願いいたします。)

We look forward to your reply.
(ご回答をお待ちしております。)

6. 結語(Complementary Close)

日本語の「敬具」や「草々」に当たる部分で、Eメールの本文の締めくくりとなる言葉です。
日本語のメールでは何も書かないことも多いですが、英文Eメールでは大抵の場合結語を書きます。
結語は相手との間柄や状況などに合わせて使い分ける必要があり、フォーマル度は頭語に合わせます。
また、結語の最後にはコンマ(,)をつけるのが普通です。2語以上から成る結語の場合で副詞(Truly, Respectfully, Sincerely など)が先にくる形はアメリカ式、後ろにくる形は英国・欧州式となります。

改まった間柄の場合
アメリカ式 英国・欧州式
Respectfully yours, Yours respectfully,
Faithfully yours, Yours faithfully,
Very truly yours, Yours very truly,
Truly yours, Yours truly,
Sincerely yours, Yours sincerely,
Sincerely, Sincerely,
(With) Best regards, (With) Best wishes,

 

親しい間柄の場合
All the best! ごきげんよう!,さようなら!
By for now, では。
Good luck! 幸運を祈ります!
Have a nice [good] day [weekend]! よい1日[週末]を!
Keep in touch, またメールをください。
Take care! お大事に!
Talk to you later, また後ほど。
Talk to you soon, またすぐにメールします。
Thanks, ありがとう。
Thanks again, お礼まで。

 

7. 署名

Eメールの最後に自分(差出人)の名前を書きます。
その後に,必要に応じて役職名・部署名・会社名・住所・電話番号・FAX 番号・Eメールアドレス・会社のホームページアドレスなどの情報を示します。
海外にいる相手に送るEメールでは,電話番号やFAX 番号は国番号(日本の場合は+81)から表記すると親切です。

英文Eメールの署名例

Kaoru Nakamura
Chief Engineer
Technology Development Section
Z Supply, Co.
Hashimoto Bld.
2-16 Zoshin-cho
Shinjuku, Tokyo
111-0001
Japan
TEL: +81-1-2345-6789
FAX: +81-1-2345-6780
E-mail: knakamura@zsupply.co.jp

(日本語)
中村 薫
Zサプライ株式会社
技術開発部 主任
〒111-0001
東京都新宿区増進町2丁目16番地 橋本ビル
TEL:+81-1-2345-6789
FAX:+81-1-2345-6780
Eメール:knakamura@zsupply.co.jp

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