TOEFL iBT® ライティングセクションのポイント

※記載の内容は2023年3月時点のものです。

ライティングセクションの中のIndependent Task は、従来の大学入試で言うところの「テーマ型自由英作文」に良く似た形式。
提示されたトピックに対し、具体例を挙げて自分の意見を答えます。

近年、パラグラフ・ライティング、ディスコース・マーカーといったアカデミック・ライティングの考え方もライティング指導に浸透してきました。
TOEFL のライティングセクションでも、テンプレートを押さえることが基本です。

 

【ポイント1】

アカデミック・ライティングのテンプレートに沿って書く

TOEFL iBT® ライティングIndependent Taskの基本テンプレート

ライティングIndependent Taskの基本テンプレート

 

基本的にはエッセイの核となる本論で自分の主張を支える根拠を3つ挙げ、エッセイ全体で5つの段落を作って解答することを目安にするとよいでしょう。

出題されたトピックによっては必ずしも根拠を3つ挙げる必要はありませんが、上記を標準としてとらえておきます。

なお、それぞれの段落の内容量のバランスですが、❶意見(序論)は2~4文、❷~❼の本文は1つの段落につき4~6文、結論は2~4文くらいを目安に考えるとよいでしょう。
結論は時間的に余裕がなければ2文ほどでも構いません。

しかし、構成を整えるだけでは、5点中2点も望めません。
TOEFL iBT®では、「トピック及び自分の意見に関連した理由1~3を展開できるか」「首尾一貫した主張であるか」が、形式よりもはるかに重要視されます。

では、実際にどのように書いていけばよいか考えてみましょう。

 

増進ハジメさんは Writing Independent Task に初めて挑戦しました。
テンプレート通りの構成で、ディスコース・マーカーも随所に盛り込まれていますが、論理展開に課題があります。一緒に考えてみましょう。

テーマ: Do you agree or disagree with the following statement? “One should never judge others from their outside appearances.”
(あなたは次の文に賛成ですか、反対ですか。「決して、人を見た目で判断すべきではない。」)

(増進ハジメさんの答案例)

Although we can judge someone by outside appearance, we must not judge them by their figures. It keeps man from thinking other’s feeling, way of thinking, and their background.

For example, when you see someone having luxuries, you may think he or she gets happy life. Because of prejudice the rich did not have experience they can not stand. It is so soon to judge like this. They may be too busy to eat with their family. Contrary to it the poor may be happy in spite of their bad image. They may be glad to spend much time on their hobby.

Although man can not understand the other’s feeling, we have to try to understand or admit them. Therefore, it is necessary to judge somebody by not one element but various one, such as behavior, words they use, knowledge, and so on. However of course we have to pay attention to our appearance. Because it is one of factors somebody judge us. For instance, if I wear dirty clothes, it is natural to be disliked or hesitated to get along.

Therefore I disagree with judging a person by external appearance.

(191 words)

構成、語数

「序論―本論―結論」という基本的なアカデミック・ライティングの構成に沿って書かれています。本論が2段落で書かれていますが、3つ目の理由を付け加えることでより説得力を持たせることができます。
Independent Task で高い評価を得るためには、一般的に約300語の長さが必要であると言われています。この答案では語数は191語ですから、さらに100語程度、内容を膨らませるべきでしょう。

 

論理展開

意見 :「見た目で判断するべきではない」に賛成という立場を表明しています。

理由1:お金持ちが幸せであるとは限らないし、その逆も然り

理由2:人の行動、言葉遣いなども大切な判断要素

→Because やTherefore 以下も主張が連なり、説得力のある具体例がありません。また、最後のFor instance で始まる文は、
「見た目で判断される」例ですね。主張とは逆の考えをサポートしてしまっています。

【ポイント2】

皆さんも、「ああ、外見とは裏腹に、この人にはこういう面があったのだ」と発見し驚いた経験があると思います。
そのような個人的なエピソードをエッセイに盛り込むことができれば、自分の主張をさらに説得力を持って伝えることができます。

結論:見た目で判断することには反対であると述べています。

→内容は間違っていませんが、「人を見た目で判断すべきではない」に対して賛成か反対かが問われているのですから、この書き方では誤解を招く恐れがあります。

 

TOEFL iBT® テスト ライティングセクションのポイント まとめ

ポイント1
アカデミック・ライティングのテンプレートに沿って、理路整然とした主張を展開する

ライティングに苦手意識を持っている方でも、基本のルールさえ押さえてしまえば、エッセイを書くことは難しくありません。
ただ、300語のエッセイは、訓練しなければ、簡単に書き上げられるものではありません。積極的に学習に取り組む姿勢が大切です。

ポイント2
内容のあるエッセイに仕上げる

ライティング対策の根幹は、本論のブラッシュアップです。 高スコアを獲得するには、具体例の着想、効果的なディスコース・マーカーの使用、パラフレーズのバリエーションなどが鍵となります。
形式面の習得とは異なり、少し時間はかかりますが、自分の力でエッセイを組み立て、第三者から客観的な視点で指導を受け、それをもとにエッセイをブラッシュアップするという過程を繰り返すことで、書き方のコツが徐々に身についていきます。

 

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