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学校えらびの視点

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<学校えらびの視点>

【第4回】PTA・保護者会

学校選びの基準とは何なのでしょうか? 悩みがちなポイントを毎回少しずつあげ、それについてお話ししてまいります。

【2015年5月14日】


 
 

こんにちは中曽根陽子です。ゴールデンウイークも明けて、初夏の陽気になってきましたね。5月に入ると、皆さまのお子さまの学校でも保護者会や授業参観、春の運動会など、保護者の方が参加する行事があるのではないでしょうか。そこで今回のテーマは、「PTA・保護者会」についてです。

PTA活動や保護者会に対する考え方は学校によって千差万別

 

PTA活動とひと口に言っても、学校によって事情が違います。「PTA」と呼ばずに「教育後援会」というところもあります。入学と同時に保護者全員が会員となるとことから、そういう組織はもたない学校までさまざまです。


わたしの子どもが通っていた私立中高一貫校には、PTAや父母の会はなく、卒業生の会が制服のリサイクルや文化祭でのバザーなどを行なっていました。ですから、年度始めの役員決めもなくて気楽だったのですが、親どうしが顔を合わせる機会は年2回の保護者会と授業参観くらいしかありませんでした。この学校には附属の小学校があるので、小学校から上がってきたお母さんどうしは知り合いのようでしたが、中学から入った人はその場で積極的に話しかけないと新しく知り合いを作る機会がなく、少し寂しいな、と感じたこともあります。その後、子どもがクラブ活動でご一緒のお友だちのお母さんたちと知り合ったのでいろいろお話も聞けてよかったのですが、あえて機会を作らないと、中学以降はとくに、親どうしのつながりは作りにくいですね。また、PTAがないということは、学校との公式なパイプがないということでもあります。

一方で、PTA活動がとても盛んな学校もあります。役員決めは頭の痛い時間ですが、なかには初年度は同じ学校に兄弟がいる人などの中から学校で選んで事前に依頼が来るという話も聞きます。でも、多くは立候補や推薦によって決まるようです。


活動内容も、クラスや学年の交流行事(ランチ会や講演会など)の企画から、会報誌の作成、中学入試の手伝いや他校のPTAとの連合会への参加までさまざまです。

なかには手芸やコーラスといった母親のサークル活動から演劇鑑賞や街歩きといったカルチャースクール顔負けの充実した企画が年に数回あるという学校もあります。わたしの印象では、母親向けのこうした企画が充実しているのは男子校に多いようです。それは、男の子は思春期になると親とあまりコミュニケーションを取らなくなって学校のことを話さないからだと聞いたことがあります。もちろん自由参加ですが、親どうしが情報交換をするいい機会として参加する方も多いようです。

サレジオ学院(神奈川県横浜市)では、上記のような母親の会に加えて「オヤジの会」という父親の会もあります。文化祭ではお父さんが揃いのエプロンをつけて焼き鳥の模擬店を出店するのが伝統のようですが、父親どうしのつながりができるのは貴重な機会ですね。

また、定期的に保護者対象の地区懇談会を開く学校もあります。学校によっては、校長先生が出席されたり、生徒指導部や、進路指導部、教務部の先生が出席されたりして、学校の方針を説明する場であったり、親と学校が意見交換をする場であったりします。同時に、学年を超えた縦のつながりができるので、とくにその学校に初めて子どもを通わせる親にとっては、学校の様子を聞けるいい機会です。

役員や幹事役を引き受けるとたいへんではありますが、それもお互いさま。こういう機会で知り合いを作っておくことによって、子育ての悩みや心配を相談できる関係ができればなお、心強いでしょう。


いずれにしても、PTA活動や保護者会に対する考え方は学校によって千差万別。そこからも学校の考え方や雰囲気をうかがい知ることができますね。

中曽根陽子
中曽根陽子(なかそね・ようこ)

教育ジャーナリスト
女性のネットワークを生かした企画編集会社「ワイワイネット」代表。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。「教育現場の取材、著名人インタビューなどを手がける傍ら、海外の教育視察や講演活動も行っている。母親のための学びの場「MotherQuest」を主宰。近著に『後悔しない中学受験』(晶文社) 『子どもがバケる学校を探せ!中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)などがある。


 

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