どうする?中学生のお子さまとのコミュニケーション_2016.6

2016年6月30日

カテゴリー : 教育情報全般

どうする?中学生のお子さまとのコミュニケーション

前編はこちら
 

 

「総合」受講者保護者座談会(後編)

「総合」を受講中の保護者の方による座談会。後編はお子さまの学習への関わり方やコミュニケーションのとり方の工夫などについてうかがいました(2016年6月12日実施)。
●Aさん:東京都内の私立中高一貫校に通う中1女子の母。お子さまは小学生コースから継続してZ会を受講中。
●Mさん:東京都内の私立中高一貫校に通う中1男子の母。お子さまは中学からZ会を受講。
●Sさん:東京都内の国立中高一貫校に通う中1女子の母。お子さまは中学からZ会を受講。

 

◆中学生は時間がない!

─普段、お子さまのへの接し方ではどのようなことを意識していらっしゃいますか?
Sさん:叱る前に深呼吸、ですかね。あとは、できるだけ見守ること。ある講演会で「小学校までは子どもにつきっきりでもいいけれど、それ以降は離れていくことが大事」という話を聞いて、自己管理できるようになっていかないと社会に出たあと不安ですから、中学生になるときに、「あとは自分でやりなさい」と伝えました。
Aさん:よくわかります。今はそういう時期ですよね。
Sさん:本人も始まって間もない中学校生活に手探りの状態で、通学にも時間がかかりますし、大変なのがすごくわかるんですが、今は見て見ぬふりというか、ぐっと辛抱して見守るしかない、という気持ちです。そうはいっても、Z会の添削済答案を見て「なんでこんな点数?」と口を出してしまうこともありますが…。
Aさん:平日は本当に時間がないですよね。まずは健康でいることが大事だから睡眠時間を確保するとなると、残されたわずかな時間の中でどうやって濃密な時間を作るか…。でもあまりに濃すぎてもリラックスして過ごせないですしね。
Mさん:うちもとにかく疲れてて。土曜日も授業が4時間あって、そのあと部活をして帰ってくるので、家では疲れてしまってただ黙ってご飯を食べるだけ、みたいな感じで…。
Aさん:話しかけるタイミングもかける言葉も難しいですよね。
Mさん:そうなんです。言葉一つ間違えたら、もうほんとに…。

 

◆子どもと話すきっかけを作り出す

─何か声のかけ方などで工夫していらっしゃることはありますか?
Aさん:NHKのドキュメンタリー番組に助けられています。いい話のきっかけになるんですよ。親も一緒に見てみたりすると会話が弾みますし、意見を伝える練習にもなっているようです。
Mさん:同じ番組を観て共感できるかどうかは大事ですよね。
Aさん:そうですね。時間が限られているので今までの接し方だと対応できないし、年齢の面でも大人が上から目線でものを言っていると、それだけで相容れない感じになっちゃう。なるべく同じ目線で一緒に楽しもうと思いながら観るようにしています。
Sさん:テレビ以外だと、著名な方の言葉というのもいいですよね。今の中学1年生が求めている言葉って、そういう「すごい」と思える方の言葉だと思うんですよね。
Aさん:そうですね。親の力じゃどうにもならないというか、近すぎて。もっと違う立場の、でもちょっと身近に感じられる、学校の卒業生やZ会OB・OGの方、著名人などがいいと思います。

 

◆Z会は、基本は本人に任せる

─「総合」の教材の取り組みの様子はどんなふうに見てらっしゃるんですか?
Sさん:「総合」の教材の添削済答案が返ってきたときに見せてもらっています。で、気になることがあれば少し話して。
Mさん:私は私の単純な興味から、添削済答案が返ってきたら見せてもらっています。息子が何か言ってきた時に答えられたらいいなと思って。中学に入ってから言葉数がものすごく減ってしまって、話すきっかけがほしいんです。一方で、大人も楽しめる内容なので、「50字以内で私は書けるかなぁ?」と考えながら解答を見てみるなど、私自身が楽しんでいる面もあります。
Aさん:私は見ると口を出してしまうので、テキストは見せてもらうものの、答案はノータッチです。中学進学を前に娘の反発心が強くなってきていることを感じていたので、「中学生になることだし、これからはZ会には一切タッチしないから。自力でできる科目を選んで、計画も何もかも自分でやりなさい。ただし、遂行されていないようならやめさせます。そのチェックだけはやらせてもらいます」というスタンスにしました。親離れ・子離れを始める、いいきっかけだったと思います。
─テキストをご覧になられているのは、何か理由があるのですか?
Aさん:テキストに関しては、本人が「総合」で取り上げられたテーマについて話したがるので見せてもらっています。私が台所で食事を作っているところに「ママ、○○についてどう思う?」と話にくるんですよね。共感してもらいたい気持ちや情報を提供してもらいたい気持ち、答案を書くヒントをもらいたい気持ちなどがあるのでしょう。

 

◆保護者こそ価値観を変える必要がある!?

─みなさんは主体的に学ぶことや考える力の重要性を感じていらっしゃいますが、周りの保護者の方はいかがですか?
Sさん:正直なところ、学校の保護者の間では、知識を詰め込まないと、という意識の方がまだまだ多いように感じています。一方で、これは私の知人の話ですが、親御さんから何かを強制されたこともなく、それでいて自らすすんで「獣医になりたい」と決意して勉強して、大学でポジションを得て研究を続けていらっしゃる方がいて。彼女を見ていると、人のため、社会のために生きがいを持って何かに取り組むのに大切なのは学力だけじゃない。志だ、って思うんですよね。
─自分で選択するということですね。
Sさん:そうなんです。自分からつかみ取っていく力。親に「これをやりなさい」「大学に行くために勉強しなさい」と言われるままにやるのではなく、自分から求めていくと、子どもってすごい力を発揮するんだなという思いがあります。なので、娘には、 1教科だけでも自ら調べて学ぶ子になってもらいたいという思いが本音としてあるんですね。でも、周りを見ると「知識、知識、知識」で…。
Aさん:大学受験を考えるとそうなってしまいますよね。どうしても、点数で評価する価値観から抜け出せない現状が私たち大人にはあって。そこから抜け出すのは本当に難しいです。でも、これからは保護者の価値観も、世の中の価値観も変わっていかないといけないですよね。
Sさん:ほんとうにそうですね。
Aさん:だからZ会が「総合」を開講して、わかってはいたけれどもなかなか目を向けられなかった「考える力や表現する力を伸ばす」というところをちゃんと見ていかなければいけないことを気づかせてもらいました。さらには親がどうやって価値観を変えていこうとしているのか、子どもに見られているような気もします。
─そうですね。お子さまの方が、この大学入試の変化を冷静に見ていらっしゃるように思います。
Aさん:そうですよね。親が、子どもの知識と自分で考える力を同時に伸ばしていくんだという信念を持っていないと、目の前のテストの点数だけを重視してしまうということになる。「総合」を通して、私たち自身が価値観を変えていけるようにしたいですね。
Sさん・Mさん:そうですね。

 

 

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