高校受験の場合、入試はだいたい1教科50分が多い(例外はたくさんあります)ですね。それぐらいはどうしても集中できなければいけないわけです。ですからふだん勉強する際も、気が向く限り・・・ではなく、だいたい50分のリズムで集中できるように気をつけるといいと思います。計画をたてるとき50分を1つの区切りとする。
50分の枠の中でできそうなものを用意しておく。複数でもいいですよ。計算練習20分、読解問題30分という形ですね。

計画はそれなりにたてるにしても、行き当たりばったり「まず英語でもやるか」と臨んでいる人が多いように感じます。やるべきことのリストを作ってください。そして優先順位をつける。好き嫌いではなく冷静に。
来週からの中間テストの理科の勉強がしたい。けれども明日漢字の小テストがあるというのであれば、明日のもののほうが優先順位は高くなりますね。場合によっては勉強時間を延長することになっても、まず漢字はやってしまったほうがいい。

嫌いな科目はあとまわしという人がいますが、あとまわしにしているからますます嫌いになるのです。優先順位が高いのであれば、どの科目でもちゅうちょなく手をつけるようにしてください。すると嫌いというのは一面の見方にすぎず、本質的にはいいも悪いもないということがわかってくるはずです。嫌いという選択をしている自分がいるというだけのことです。
50分のサイクルを2つ使うと100分、3つ使うと150分になります。それでも2時間半ですね。試験前はそれぐらいはやろうと思えば絶対にできるはずです。

こういうやり方をしているうちにさらに「あと50分だけはやってみようかな」と思う日が出てくるから不思議ですよ。50分という枠があるからやってみようという心理状態になる。枠がなければそうは考えられないものです。安心感が大きい。そして50分ぶんだけ何かをやる。枠の中に何がおさまるかということも、だんだんわかってくるはずです。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。