授業を受けるときのテンポを意識したことはありますか? テンポが非常にはやい人と後手後手にまわってしまう人がいます。どちらがいいかはわざわざ書くまでもないですね。
どこをやるのかはわかっている。今日はここからスタートだということがカリキュラム表で明確にわかる。学校の授業もそう。連続性の上に成り立っていますからね。突然何十ページもとばしたりはしないものです。

授業がはじまるまでテキスト(教科書)やノートを開かずにぐずぐずしている人がいます。かたやテキストの今日の箇所を開き、ノートには日づけまで書いて待っている人もいます。両者の違いは習慣がうんだもので、閉じている人は毎回閉じていますし準備できている人は毎回準備できています。
閉じているどころか授業がはじまってからテキストを引っ張り出してくる人もいる。そのあげく「テキストを間違えたので借りてきていいですか」などと言う。

姿勢の違いが授業前から授業中、授業終了後までさまざまな影響を及ぼします。先生が黒板に何かを書いて説明する。大事そうだと思ったら指示がなくてもすぐに書き留めておくものです。書きなさいと言うまでじっとしている人がいます。初回はそれでもいいですよ。ところが毎回毎回待っている。書いておけよと言われてはじめて書く。なぜ「そういうものなのだ」と学習しないのでしょう。
あるいはここが大切だよと言われる。大切だから印をつけておきなさいと低学年のときに具体的に指示されたはずです。

3年生になると先生もただ「大切だよ」としか告げませんね。教科内容だけで、いろいろ忙しいからです。ところがそれだけでは印をつけない人が出てきます。大事なところをマークする練習をさんざんしてきたにもかかわらず、今回は指示が出ていないというだけでぼんやりしている。
できる人とあまりとれていない人では、そのあたりが著しく違います。テンポよく能動的に参加しているかどうか。自分の動きをつねに意識することだと思います。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。