生徒たちが合格体験記を書いてくださいます。おうちの方が書いてくださることもある。もちろん全員の方が参加されるわけではありません。手間がかかりますからね。
その中でいくつか共通する部分が出てきます。最近多いのが、スマホやゲームとのつきあい方の記述です。どう工夫してきたか。
相当優秀な方でも依存症になりかけたと告白されていたりしますよ。ただその自覚が持てたので助かった。

すぱっとやめられないということであれば、厳正なルールを作るべきだと書かれていました。ゲームだけなら確かにすぱっとやめるという選択肢はあるでしょう。ただ多機能を持つスマホだとそういうわけにはいかないでしょうね。
うまくいった方が強調されているのが使う場所や条件、時間帯などを厳格に決めておくというものでした。場所というのは盲点になります。自室にあれば、例外的に手にとってしまうかもしれません。

一度ぐらいなら・・・というのがいつのまにか週に二回三回になり毎日になる。ここのところはけっこう遅くまでやっているから試験前だけは少し気をつけなくちゃなどと気楽に振り返ったりしているのは、もうりっぱな依存状態です。自室には持ちこまないという当初のルールを大幅に逸脱してしまっています。
人それぞれでしょうが、娯楽全体でどれぐらいになるかを把握しておかないとテレビを散々見たあとでも権利だけは主張するという本末転倒な状況になってしまいます。

特別見たい番組があって長時間テレビを見たのであれば、その日はスマホやゲームには触らないぐらいの覚悟が必要でしょう。
要するに、本気で勉強ができるようになりたいというのであれば、大前提として勉強以外の時間を圧縮しようという気持ちが必要だということです。これぐらいまあいいだろうというふわふわした状況がうまくいかない元凶だと考えてください。

もちろんスマホやゲームの依存症は薬物なんかと違って法を犯しているわけではありません。ただそれがあなたの勉強生活を脅かしているのであれば、強い意志を持ってコントロールしていく必要がありますよ。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。