先日、英語の先生が面白いことをおっしゃっていました。受験生を担当されている。ご本人たちにラジオの英語講座を聴きなさいと伝えた。リスニングは一朝一夕にできるようになるものではありませんね。いまから毎朝、必ず早起きして聴くようにと伝えたそうです。
ただそれだけでは、みなさんなかなか聴くようにならないということはちゃんとわかっています。

そこで授業のたびに「聴いているか?」と問いかける。何週間かしてやっと2割ぐらいの生徒が朝のラジオ講座を聴くようになってきたそうです。この数字をどう見るか。
1年生や2年生だとちょっと油断があるかもしれません。しかし相手は受験生です。もうちょっと聴いてくれる生徒がいてもいいような気もしますし、やっぱりそれぐらいなのかなという気もします。
というのは、同じような経験が自分にもあるからです。

何かを強く薦めますね。書籍なんかが多いでしょうか。厳密に言えば、勉強とは呼べないかもしれません。「この話は面白いから読んでごらん」程度です。
すると必ず読んでくださる生徒がいることはいます。ただやはり2割〜3割という感じです。25名のクラスで5名出てくるかどうか。これは活字を読みなさいという指示にしてもそうです。今日は? きのうは? と確認していくと、本当に毎日読んでくれているのは2割ぐらいです。

勉強法についていろいろなことを知っていても、実践していなければあたりまえですが、成績は上がりません。そのことはいくら強調してもしすぎることはない。私のこの一連の記事を欠かさず読んでくださっていても、実践されていなければ成績は伸びません。
そのことを自問するクセをつけてください。たとえば1.毎日15分以上読書していますか。2.(とくに英文の)音読は覚えてしまうぐらいやっていますか。3.すべての教科で、できなかった問題の解き直しをしていますか。どれか一つでも欠けていたら残念ながら「実践していない」仲間のほうだと思ってください。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。