夏休みが近いので、ちょっと過ごし方について書いておきます。とくに受験生の方ですね。
夏休み(春休みや冬休みも同じですが)は日々とにかく午前中どれだけ勉強時間を稼げるかが大きな鍵になります。稼げれば稼げるほどいいわけで、そのためにはそれなりに早起きする必要がありますね。
特別なことではないですよ。ふだん6時30分に起きているのなら7時起床だって遅いぐらいです。

学校があるときより遅く起きなければならないという決まりがあるわけではないのに、何となくそうしていますという方が多い。それこそ9時に起きましたと胸を張る人もいるのですが、ふだん9時に起きたら大遅刻です。
ふだんより遅いとしてもせいぜい30分ぐらいにしてください。朝きちんと起きないことによってだんだん生活が乱れてくる。そして夜は寝ないのではなく「眠れない」という事態が起きる。

それはそうですよ。朝いつまでもごろごろしているので眠れないだけで病気でも何でもありません。朝ぐずぐずするクセをつけると一日の使い方そのものが狂ってしまう。
午前中に3時間か4時間勉強してください。2時間ではちょっと心もとない。突然用事が出てきたりいろいろなことがあるものですが、とりあえず午前中稼いでおけば何とかなります。逆に午前中何もやらないまま用事が突然出てきたら、その日は結局「勉強できなかった日」ということになってしまいます。

計画は大きくたてましょう。塾などの講習に参加する方は予習復習の時間を十分にとりましょう。宿題は出るでしょうが、予習復習と宿題は厳密に言って違ってくるべきなのです。あくまでも予習復習の時間として確保してください。
学校の宿題もあるでしょう。朝稼ぐのと同じ理屈で夏休みの前半――お盆前までに――やりきるぐらいの計画をたててみてください。
それから調整日は絶対に必要になります。週に一度で十分です。きちんと進んでいるのならその日だけは少しくつろいでもいいでしょう。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。