日本の中高生のみなさんへ。
いま大切なのは「学び方」を学ぶこと。


Allison Baum 氏
アリソン・バーム

Fresco Capital社のマネージング・パートナーとして、
特に教育に関する新しいテクノロジーへの投資と
運用に携わっている。
また、香港で難民や亡命者にビジネススキルを教える
Arts and Enterprise for Womenでの活動など、
女性の社会的地位向上にも高い関心をもち、
積極的な貢献を行っている。
ハーバード大学卒業。





 
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●グローバルリーダーに必要な視点とは●
現状をそのまま受け入れず、よりよく変える方法を問い続けてほしい。


▼インタビューを動画で見る(導入部のみ・字幕あり)

―グローバル社会でリーダーとなる若い人たちは、世界のいろいろな課題に対して、どういった視点をもつべきとお考えでしょうか?―

若いグローバルリーダーにとって重要なことは、現状をそのまま受け入れてはいけないということです。世界をどうやったら良くしていけるか、変えていけるかと常に考えることが大切です。そのために必要なのは、問いを発することです。いま、学生たちが学びをとおして身につけるべきは、「答えの導き方」ではなく、むしろ「適切な問いの立て方」だと私は思います。問いを発することで、常に学べますし、新しい発見もできますし、新しい才能や技術を発揮できるようになるからです。
●世の中は転換期を迎えている?●
時代は急速に変化している。新しいことを学ぶ方法を知ろう。


―それは、社会における価値が今までと大きく変わってきているからでしょうか?――

そうですね。世界は大きく変化しています。親の世代、またその親の親の世代から見ればなおさらです。しかも、テクノロジーの発達によって変化のスピードが加速しています。みなさんがたの多くは将来、今はまだ存在しないような仕事をすることになるでしょう。そのような変化に対応するために、特に教育に関して大事だといえるのは、「学び方を学ぶ」ことです。社会に関わり、貢献できる存在であるためには、新しいことを学ぶための方法を身につけていなければならないのです。
●リーダーに必要な資質とは●
成長するために欠かせない5つの資質がある。


―では、これから活躍していく若いリーダーに求められる資質というのはどういったものになるのでしょうか?―

私が考える最も重要な資質は5つあります。Curiosity(好奇心)、Compassion(思いやり)、Courage(勇気)、Authenticity(信頼されること)、Integrity(誠実であること)です。それらの価値は、どんなテクノロジーが存在しようと、どんな社会に属していようと、揺るがないものです。これらの資質があれば、自分自身に忠実であり続けることができるし、常に成長できるのです。
●社会貢献のために身につけるべき具体的スキル●
まずはテクノロジーの使い方を知ろう。それによって、人間は何をすべきかが見えてくる。


―社会に貢献するために必要な、具体的スキルを挙げるとしたら何でしょうか? ―

目に見える能力ということで挙げると、テクノロジーを使う方法を知ることは重要です。テクノロジーの使い方がわかると、何が可能で、何が可能にならないかが理解できるようになります。それによって、何が私たちを人間たらしめているのか、他のものでは置き換えられない、私たちにできることは何なのかがわかるようになるのです。テクノロジーを使う方法を知るという点において、今後STEMS教育――Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Math(数学)、Statistics(統計)――の分野は、ますます重要になっていくと思います。ただその一方で、他者と協働する能力や、歴史や芸術などの分野もバランスよく学び、多面的な能力をもつことも非常に重要です。
●生徒が生き生きと学べる環境とは?●
チャレンジングな環境で学んでこそ人は成長できる。


―パーソナリティーの部分に加えて、多面的な能力が必要ということですね。そうしたお考えのベースとなっているような、Allisonさん自身のご経験は何かおありでしょうか。―

私自身は、これまでに2つのタイプの先生に出会いました。一方は「私が言ったことをやりなさい」というタイプ。あまり質問されることを好まない方たちです。もう一方の先生たちは好奇心を大切にするようにと言ってくれました。学校のカリキュラム外で、私が興味をもちそうなプロジェクトを用意してくれる先生もいて、本当に楽しかったですね。その経験からすると、子どもたちが学びをとおして成長するためには、楽しんで学べることと、ある程度チャレンジングな環境にいること、そして挑戦を受け入れてくれるような先生がいることが必要なのではないかと思っています。私は今、世界中の起業家の方たちにお会いする機会があるのですが、中には今まで誰も考えつかなかったようなビジネスやアイデアを思いつく人もいます。そういう経験を通じて今言ったような考えに至りました。
●日本の中高生に、学習の際に意識してほしいこと●
自分の力を発揮するのに必要なプロセスを知ると、卒業後の自分の生かし方が見えてくる。


―日本の中高生は、どうしても大学受験が学ぶことのゴールになってしまうという面があります。もっと広く、バランスよく、社会に対して何ができるのかを考えられるようになるためには、どのように学習を進めていくことが必要でしょうか。―

「学び方を学ぶ」ということと、「自分はどういう学び方をする人間かを知る」ことが重要だと思います。どうやって情報を手に入れ、どんな問いを発すべきか、自分の力を最大限に発揮するために何をする必要があるか。これらを知るにあたって、テクノロジーを活用した教育は重要な役割を果たします。しかもその学びは生涯に渡って有益なのです。つまり、学び方が身についていると、大学に入学してから自分の目標をかなえるのに役立ちますし、さらに卒業後も、情報収集や実力発揮に必要なプロセスが自分なりにつかめていれば、常に自分を確固たる立場に置くことができるということです。
●アダプティブ・ラーニングの意義●
自身の学びにテクノロジーがいかに利用できるかを知ることも重要な経験。


―「学び方を学ぶ」にあたって、自分でその方法を見つけ出すことが大事だと思うのですが、そのプロセスにおいて、テクノロジーを活用した学習、たとえばAsteriaのようなアダプティブ学習は役立つでしょうか。―

学ぶためにテクノロジーをうまく利用することは、身につけるべき重要なスキルの一つです。多くの人はテクノロジーの仕組みを学ぶことに焦点を当てていますが、テクノロジーを自分のためにどううまく活用するかを学ぶことのほうがよほど重要だと私は思うのです。その点において、自身の学びにアダプティブプラットフォームを活用することは、非常によいことだと思います。
●中高生に向けてのアドバイス●
学び方を身につけることが、ベストの自分へ到達する道。


―日本の中高生にあてて何かアドバイスをいただけますか。―

テクノロジーは世の中を大きく変えました。これからも、加速度的に、継続的に変えていくことでしょう。今はまさに、テクノロジーをうまく利用し、それを自分でコントロールしながら、ベストな自分になるために努力すべきとき。ですから、待っていてはダメで、今すぐに、その努力を始めてほしいと思います。



▼全体を通して見る(字幕はありません)

    Allison Baum 氏
    アリソン・バーム
     
    アリソン・バームは世界的なベンチャーキャピタル・ファンドでイノベーション・スタジオであるFresco Capitalのマネージングパートナーとして活躍しています。Fresco Capitalは革新的なアイデアを世界に広めることをミッションとして掲げ、グローバル規模で教育、医療、労働の未来の改革を進める50の有望なテクノロジー企業のポートフォリオを有し、イノベーションと新ビジネスを求める一流企業を顧客として抱えています。 アリソンはFresco Capitalに入社する以前、教育とキャリアの改革を目指すグローバルネットワークであるGeneral Assemblyの創設時のメンバーの一人でした。彼女はGeneral Assembly初となるパートタイムおよびフルタイム従業員向けのプログラムを開発し、ニューヨーク、そして後に香港でもローンチを成功させています。それ以前には、ニューヨークのゴールドマン・サックスで証券部門の一員として活躍をしていました。 アリソンはハーバード大学を優秀な成績で卒業し、経済学の学士号に加え、映画研究を副学位で取得しています。また、世界経済フォーラムのグローバルシェイパーズコミュニティのメンバーとしても活動し、メンターとしてWedu Globalでは東南アジアの優秀な女性起業家を、Endeavour Capitalでは世界的・社会的に影響力を持つ起業家を指導しています。また、日本においても、ハーバードクラブの一員として精力的に活動を行っています。アリソンは2016年、アジア地域のファイナンスおよびベンチャーキャピタル部門の最も有望な人物としてForbes誌が選ぶ30歳以下の注目起業家 / リーダー・リスト「30 Under 30」に選出されています。