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宇佐美圭司 | 制動ブレーキ・大洪水展

宇佐美圭司|制動(ブレーキ)・大洪水展ポスター

2012年3月11日(日)〜2012年6月12日(木)
会期中の休館日:水曜日 ※水曜が祝日の場合は開館し、翌日休館。

【入館料】
大人 500円|学生(小〜高校生)100円|65歳以上 200円|未就学児 無料
障害者手帳ご提示の方および、その付き添いの方1名 無料
団体(20名以上) 2割引
 3メートル四方の巨大なカンバスに描かれた、宇佐美圭司の絵画。そのどこか一点に注目しようとすると、必ず他のどこかへ、また他へと視線は導かれ、そのうちに、自分は何を見ているのか、どのくらいの時が経ったのか……あらゆる感覚が交差しはじめ、やがて自分のいるこの場所と、絵の中に広がる場所とが一つの空間であるかのような、不思議な感覚に満たされます。
 ある運動にブレーキがかかることで、そこから新たな展開に向けたエネルギーが生成する……「制動(ブレーキ)・大洪水」は、宇佐美がこの10年ほど取り組んでいる文明論的な主題です。大洪水は、自然界における大きな制動(ブレーキ)作用のひとつでもありますが、2011年3月11日を経て、この主題は、画家にとっても私たちにとっても、それまで以上に大きな問いを投げかけるものとなりました。
 描くという身体的な行為が思考するという知的行為と分かちがたく結びつき、いわば描くことで思考を前進させる画家・宇佐美圭司。何ヶ月もかけて描かれる無数の人型の織りなすネットワークが、物語性を感じさせずにはおきません。定型と非定型のせめぎあい、そこから形はあふれ出し、大洪水となって会場を制動の渦と変えるでしょう。
 今回は、「制動(ブレーキ)・大洪水」を主題とする作品群の中から、展覧会直前まで描かれる最新作2点を含め、大作7点をご紹介します。また、宇佐美氏自身の手元に保管されてきた、画家の歩み出しである60年代初期の貴重な作品、そして当館の所蔵コレクションの中から、《オールド・ファッション・アーケード》、《出現》(いずれも1965年)などの作品も展示します。
 美術館に置かれた作品は観客に接するときひとつのパフォーミング・アートに変容します。詩も絵画も心の出来事です。当館館長の造形家・岩本圭司は、これまでも大岡信の詩を全身で体験できるひとつの出来事に変えようとしてきましたが、今回は宇佐美圭司の作品世界に深く入り込み、画家と一体になって一つの展示空間を生み出します。
 本展の開催が一人でも多くの人と宇佐美作品との出会いとなって、それぞれが新たな一歩を踏み出すためのエネルギーの生成につながれば幸いです。


オールド・ファッション・アーケード
《オールド・ファッション・アーケード》
1965年 222.0×175.0cm
油彩、カンバス 大岡信ことば館蔵


宇佐美圭司プロフィール
1940年大阪府生まれ。高校卒業後、美大の受験を志して上京するも、やがて芸術と受験制度との間に深い隔たりを感じ、大学受験をやめることを決意。59年には19歳にしてアトリエをかまえ制作に集中する。63年、日本橋の南画廊にて初個展。大岡信(1931−)はそのカタログに詩「5つのヴァリエーション 宇佐美圭司のために」を寄せた。以来一人の批評家として、年長の友として、交流を続けている。66年、宇佐美の画面には「走る、たじろぐ、かがむ、投石する」の4つの人型が登場し、現在に至るまで作品の主要なモチーフとなる。72年第36回ヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表として出品。92年に回顧展(セゾン美術館ほか)、2001年「宇佐美圭司・絵画宇宙」展(福井県立美術館ほか)、07-8年「思考空間 宇佐美圭司 2000年以降」展(池田20世紀美術館)など個展多数。80年の著書『絵画論』(筑摩書房)をはじめとする論考も多く、描くことと書くこととの相互の関わりの中で、自らの制作における方法論をつねに問い直し、描くことにその答えを求め続ける稀有の画家として活躍している。


ポスター図版|《大洪水へ》2010年 291.0×291.0cm 油彩、カンバス 作家蔵(形状は実際と異なります)


企画展関連イベント

    その他
  • 会期中の第1、第3日曜日 14時〜 担当学芸員によるギャラリーツアー

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