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医学部入試の「地域枠」拡大  |
更新:2006.08.29
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地方の医師不足が深刻化する中、厚生労働省、文部科学省、総務省は地域医療対策を立て、医師の地域への定着を図るため、「医科系大学の地域枠入試」を検討事項に挙げた。
現在、全国42国立大学の地元出身入学者の割合は平均27%、そのうち12大学は20%未満となっている(文部科学省調べ)。また、2004年4月より、医学生は医師免許取得後、全国の大学病院において臨床研修が義務づけられた。その結果、研修医の学外流出が進み、卒業後、その地域の医療機関に残る医師が減少する原因になっている。医学生の卒業後の県内定着率は、千葉大学は近年、9割から6割に落ち、秋田大学は4割以下となっている。
そこで大学側は、地元出身の医学生なら、卒業後もその地域の医療機関に残る可能性が高くなることを見込み、地元出身者また在学者のための募集枠である「地域枠」を導入し始めた。 |
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地域枠入試の実施大学 (〜2005年度) |
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| 医学科入試の地域枠は、札幌医科大学が1997年度に導入し、年々増加している。2005年度入試では、以下の6大学が実施した。2006年度以降も、地域枠を導入する大学は増えている。 |
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| 国立大 |
信州大、滋賀医科大、佐賀大 |
| 公立大 |
札幌医科大、福島県立医科大、和歌山県立医科大 |
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地域枠入試の実施大学(2006年度〜) |
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2006年度 |
2007年度 |
2008年度 |
検討中 |
| 国立大 |
弘前大、秋田大、三重大、
鳥取大、島根大、愛媛大、
香川大、宮崎大、鹿児島大 |
富山大、
山口大 |
新潟大
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金沢大
※早ければ2008年度以降
大分大
※2007年度には実施せず。 |
| 公立大 |
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奈良県立医科大
※後期日程に地域枠を導入。 |
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2007年度地域枠入試の試験概要 NEW |
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方式 |
募集人員 |
出願資格 |
センター |
試験内容 |
備考 |
| 弘前大 |
推薦 |
20名 |
現役 |
○ |
小論文、面接 |
昨年度から5名増 |
| 秋田大 |
推薦 |
5名
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現役 |
× |
小論文、面接 |
県からの修学資金受給が可能 |
| 富山大 |
推薦 |
8名以内 |
現役 |
○ |
小論文、面接 |
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| 信州大 |
推薦 |
10名 |
現役 |
○ |
面接 |
昨年度から5名増 |
| 三重大 |
推薦 |
推薦枠20名の
うち10名以内 |
現役、1浪 |
○ |
小論文、面接 |
昨年度から5名増 |
| 滋賀医科大 |
推薦 |
推薦枠20名の
うち7名以内 |
現役 |
○ |
小論文、面接 |
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| 鳥取大 |
推薦 |
推薦枠15名のうち5名以内 |
現役、1浪 |
○ |
面接 |
奨学金あり |
| 島根大 |
推薦 |
推薦枠30名のうち10名以内 |
現役、1浪 |
○ |
小論文、面接 |
昨年度から5名増 |
| 山口大 |
推薦 |
推薦枠20名の
うち10名以内 |
現役 |
○ |
小論文、面接 |
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| 香川大 |
推薦 |
推薦枠20名の
うち10名程度 |
現役 |
○ |
小論文、面接 |
地域特別枠自己推薦 |
| 愛媛大 |
推薦 |
5名 |
現役、1浪 |
○ |
小論文、面接 |
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| 佐賀大 |
推薦 |
推薦枠25名の
うち8名以内 |
現役 |
× |
小論文、面接 |
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| 宮崎大 |
推薦 |
10名 |
現役 |
○ |
面接 |
県の推薦が必要 |
| 鹿児島大 |
推薦 |
2名 |
現役、1浪 |
○ |
面接 |
奨学金あり |
| 札幌医科大 |
推薦 |
20名 |
現役 |
○ |
小論文、面接 |
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| 福島県立医大 |
推薦 |
8名 |
現役 |
○ |
総合問題、面接 |
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| 和歌山県立医大 |
推薦 |
6名程度 |
現役 |
○ |
面接 |
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補足
(出願資格) |
「大学が所在する都道府県の高校卒業見込み者(注)」という条件以外は、
・学習成績概評A・高校で課外活動において優れた成績・実績を持つ
・同一高校からの出願は人数制限あり
などのように、通常の推薦条件と同様である。
(注)
・島根大学は、生まれ育った地域が島根県内の指定された僻地であることが出願条件となる。
・和歌山県立医科大学は、「和歌山県外の高校にあっても出願時に扶養義務者が3年以上県内に居住している者」も含む。 |
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【CHECK】
地域枠で入学した学生に奨学金を与え、卒業後一定の期間、指定された地域の医療機関に勤務すれば、返済が免除される「奨学金制度」と組み合わせる大学もある(鳥取大、鹿児島大など)。 |
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「地域枠」入試は妥当か |
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医学科入試で地域枠を導入する大学が増加する中で、国立大学が地域枠を導入することに対し、国立大学は平等な受験機会を設けるべきであり、その地域の受験生だけを特別扱いするべきではない、との声も上がっている。しかし、深刻な医師不足に悩む地域にとっては、医学生に地元に残ってもらいたいと考えるのは当然だろう。
それでは、「地域枠」入試を実施することで、実際に地域の医師不足解消につながっていくのだろうか。当然のことながら、必ず学生に地元に残ってもらえる保証はない。そこで、興味深い取組を行っている例をひとつ紹介する。
岩手県は私立の岩手医科大と提携し、医療局修学生制度を設けている。これは、岩手県在住・在学で岩手医科大を志望する学生のうち5名を県が選抜、学費の大部分を県が負担し、その代わりに卒業後は県内の公立医療機関で勤務することを義務づけるという制度。学生が在学中に払う学費は、国公立大の入学金と授業料に相当する額のみでよい。ただし、卒業後県外に出れば負担金を返還しなければならない。
このように、国公立大学だけでなく私立大学も、医師不足を解消するために策を講じていることがわかる。今後の地域枠入試の動向に注目したい。
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