答案講評 6月の回答選と解説

中1
総合|答案講評 中1 6月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

あなたが取り上げた、あなたの家庭における行事食の摂取状況は、どのような要因によってもたらされていると考えますか。食の好み、個人・家族の生活、食に関する産業など、今回の出題で学習した観点を考慮して、200字以内で分析しなさい。

感想欄では、「書くのが難しかった」「いろいろ考えることが多くてびっくりした」といった意見が多かった。自分の身近なことについて改めて説明する、というのは、簡単なようで案外難しいことである。どのように説明すれば自分の考えを過不足なく、相手にわかりやすく伝えることができるか、「食」以外のテーマについてもチャレンジしてみてほしい。
※掲載の都合により、表現を一部変更させていただいた箇所があります。

答案拝見

先生

多くの答案から、自分の家族の「行事食」に対する考え方を伝えるために悪戦苦闘した様子がつたわってきた。言葉で説明する経験を、これからも積んでいってほしいと思う。
47-81538-0さんの「海外で暮らすことが多かったので意識して行事食を食べるようにしている」というのは素晴らしい心がけだと思う。海外にいながらも、日本のことを意識するようにしているというご家族の考えを丁寧に説明できているね。後半の提案の部分も、食にあなたが求めているものがわかりやすく表現できている。
17-91076-1さんの答案では、後半の内容が興味深かった。「日々の生活に追われて十五夜だということを忘れてしまう」というのは、他の行事食の場合においても言える可能性はないだろうか。これは、私たちの生活のかなりの部分で時間に支配されていて、日々が「均質化(違いなく同じようになっている)」している一例としても考えるべき論点だと思う。
61-27651-3さんの答案では、家族構成と行事食の取り方の関係性を適切に指摘できていた。このように複数の視点から分析できると、非常に深みのある論述になるね。
29-36988-7さんの答案のような方向性は、全体的に多かったが、これは中でもよく分析できている。なお、「恵方巻」については、中には「手軽に」とるのがむずかしい値段のものも増えてきているように思うし、コンビニなどでの大量廃棄も問題になっている。ここまで行くと、「行事食」と呼んでいいのかわからない気もする。また、うなぎは今年は比較的安価に入手できる、というニュースもあった。それに応じて今年の「土用の丑の日」のうなぎ摂取量が増えるかどうか、ニュースで確認してみると面白いだろう。

47-81538-0さん

私の家では、海外で暮らすことが多かったので、意識して行事食を食べるようにしています。クリスマスケーキは、みんな好きなものを買いたいということでピースのケーキになりました。また、冬至のかぼちゃ、ぼたもち、おはぎはスーパーで売っていたら買うそうです。私は資料2にあった恵方巻のように現在消費が減っている行事食もみんなが普通に食べるようになり、家族のつながりが強くなればいいなと思います。

17-91076-1さん

(前略)月見団子は最近家族全員が食卓で食べることがそれぞれいそがしくなったために少なくなったから、食べる機会が減った。それに、日々の生活に追われて十五夜だということを忘れているときもある。

61-27651-3さん

正月料理や年越しそば、ぼたもち、七草がゆの共通点は、どれも日本の伝統文化だということだろう。そのことには、祖父母が関係していると考えられる。僕の家庭は祖父母と一緒だ。その中でも、祖母が作ってくれる行事食が印象に残っている。スーパーで買ってきたものはあまり覚えていない。あられやさくらもちは、子供の年齢が関係しているだろう。僕には2つ年下の妹がいる。妹がおおきくなり、昔はもう成人のような年だから、節句を祝いにくくなるのかもしれない。

29-36988-7さん

両親が共働きなので、手軽に入るようになった恵方巻を毎日食べています。だから、家族そろって恵方巻を食べたことがありません。かしわもち、あられ、桜もち、月見団子は給食にだされるほど、身近になり、毎年取っています。しかし、うなぎだけは取らなくなりました。それは、生産量が低下し、値上げされて、簡単に手に入るものではなくなりました。また、絶滅危惧種でもある国産(天然)うなぎは、スーパーでもあまり見かけなくなりました。