答案講評 4月の回答選と解説

中2
総合|答案講評 中2 4月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

資料1〜資料3からもわかるように,「少子化」という問題については,さまざまな論点から考えることが可能です。また,その対策についても,いろいろなことを同時に行っていく必要があるでしょう。
では,もしあなたが,「少子化社会対策大綱」の「集中取り組み期間」が終わった2019年に,政策の決定者となった場合,少子化問題に対してどのような政策を打ち出しますか。2019年までの少子化対策の結果やその原因にも触れながら,400字以内であなたの考えを述べなさい。

今回の課題では、二つの要求がされていた。一つは、現在行われている「少子化対策」が成果をあげるかどうかを判断すること。もう一つはあなたなりの少子化対策を提案すること。後者についてはよくかけていたものの、多くの答案で前者を書き漏らしており、政策や意見として光るものがあっても、結果として点数が低くなってしまっていた。「問にしっかりと答える」ことが、よい評価を得るためのポイントとなるので、まずは答えるべき内容をふまえて意見を構築するようにしたい。

答案拝見

先生

今回取り上げた答案は、いずれも「現在行われている「少子化対策」が成果をあげるかどうかの判断」が盛り込まれていないために、点数としてはやや辛い評価になってしまったものだが、論点は興味深い。
45-85588-1さんは、金銭とは異なる視点での対策を取り上げてくれた。たしかに、いくらお金があっても、「子供を育てやすい環境」がなければなかなか少子化の流れは止まらないだろう。その意味で、「周囲の人々」がどのように子育ての家庭を受け入れるのか、また、政府や地域社会がどうやってその環境づくりの手助けをしていくのか、は重要な課題だといえる。
09-39522-9さんの取り上げてくれている外国人労働者の活用は、他の人も複数指摘してくれていた。たしかに有効な指摘で、「家事」や「教育」にそれを活かせばよい、という視点は興味深い。その一方で、外国人労働者を「どのような立場の労働者」として受け入れるのか、という問題は、少子化対策にとどまらない社会的な課題の一つであることを、この視点を通じて考えてみるとよいね。

45-85588-1さん

今までの少子化対策は、経済的や時間のためにあきらめる人をターゲットに行っていたように思えるが、結果的には所得の低い沖縄県の出生率のほうが高くなっている。私が政策の決定者となったら、近所同士の関わり合いや出産後の環境改革に取り組む。都会の東京よりも所得の低い沖縄のほうが近所のつながりが強いと考えられるし、出産後もう一人生むと考えたときに周囲の目が気になるかもしれない。急に泣き出した時に周囲の人が手を差しのべなかったら、次も産みたい、と考えることはあまりないだろう。そのために、電車などでは専用車両を設けたり悩んだりしたときに気軽に相談できる場を増やしたりし、出産後のケアや子供を連れて出かけやすいようにする政策を進めていくことが大切だと考える。

09-39522-9さん

外国人の雇用を積極的に増やす、という政策をうちだします。理由は二つあります。一つは、男女共同参画社会や介護による女性の鍵の労働時間の減少だと思います。女性の高学歴化により社会進出を望む人が増え、男性が家事に協力的になっても、昔の二世代家族だった頃に比べると子供にかけられる時間は少ないはずです。よって年々増えつつある外国人の家庭への受け入れを推進します。例えば家の片付けや保育園の送り迎えなどです。二つ目は子供(子育て)に夢を与えられるように、教育時間を充実させることです。教育を受けるためには教師が必要ですが、教師の仕事の過酷さが懸念されています。そのため、外国人を教師や教育関係者として雇うことにより、子供(子育て)に十分な希望や未来を抱かせ、子育てに意欲的になれるようにする必要があると思います。上記の二つの理由により、私が政治家の立場であったら、外国人の雇用の受け入れを打ち出します。