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学校えらびの視点

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<学校えらびの視点>

【第7回】めんどうみ

学校選びの基準とは何なのでしょうか? 悩みがちなポイントを毎回少しずつあげ、それについてお話ししてまいります。

【2015年8月13日】


 
 

毎日暑いですね。夏休みも中盤に入り、遠くへのおでかけなどふだんはできない体験をする機会も多いかもしれません。机の上の勉強だけが、勉強ではありません。本物にふれたり、感じたりして、五感をフル活用することはとても大切です。ぜひ、そんな経験を一つでもしてみてくださいね。

また、いろいろな習いごとや塾だけで時間を埋めるのではなく、暇を与えるのも親の仕事です。何も予定のない時間を、子ども自身がどう使うか考えるよい練習になるからです。

夏休みは、そのどちらも経験できる絶好の機会ですね。


「管理型」と「自主性尊重型」

 

さて、今回のテーマは「めんどうみ」について。わたしは、学校選びの視点の一つとして、校風をあげています。学校には、それぞれの理念や教育方針があり、それによって考え方もそれぞれ違うので、合う・合わないがあるからです。校風には大きく分けると、「管理型」と「自主性尊重型」の二つがあると思います。


学習指導に関して、「管理型」の学校は、得てして宿題が多く、成績の管理をしっかりと行い、大学受験指導にも熱心です。

一方、「自主性尊重型」の学校では、文字通り生徒の自主性を重んじ、日ごろの家庭学習に関してもあまり細かい指導はあえて行わない学校が多いようです。また、大学受験のための指導もそれほど熱心ではなく、教科書に沿った知識獲得型の学習というより、調べ学習や論文作成など、自ら学ぶ姿勢を育てることに熱心だったりもします。


「管理型」というとあまりいいイメージが浮かばないかもしれませんが、「めんどうみのよい学校」ともいえます。めんどうみのよい学校では、まず学習習慣を身につけることを重視している学校が多く、そのために小テストや朝学習などいろいろな工夫をしています。

その一つにスケジュール帳を使った指導があります。手帳はオリジナルだったり、市販の手帳だったり、形態はさまざまですが、その日の宿題をメモするだけではなく、それをいつやるのか、宿題以外の予習や復習も含めて家庭学習の計画を立てて、実行できたかどうかを記入して担任に提出。学校によっては、親がチェックする学校もあります。

スケジュール帳を導入している本郷中学の校長先生は、以前その理由を「時間管理を自分でできる大人にする」ためだとおっしゃっていました。自分で生活を管理する力を身につけていくことで、主体的に学ぼうという意欲も育っていくそうです。

中学受験では、いつ何をするかを親が管理しているご家庭も多いと思いますが、いずれ自己管理できるようにならないといけません。手帳は自立への取り組みでもあるのです。


めんどうみのよい学校では、ほかにも成績が振るわない生徒の補習や長期休暇中の補講、大学生チューター制から予備校の講師による校内予備校まで、いたれりつくせりの体制を整えて、生徒の力を伸ばそうとしています。

反対に自主性尊重型の学校は、生徒自身に考えさせることで自立を促している一面があります。


管理をしすぎると、子どもたちの自主性がはぐくまれませんし、負担になったり、思春期に押しつけられたと感じて反抗的になったりすることもあるでしょう。一方、自主性尊重型だと、楽なほうにながれてしまいがちな子どもは、全く勉強しなくなってしまうことも。


全く違うアプローチですが、いかに自己管理ができるように導くかが課題。そのためには学ぶ意欲を引き出すための工夫も大事でしょう。

いずれにしても、こういう違いがあることを知り、家庭の考え方や子どもにはどのアプローチが合っているのかをよく考えたほうがよいでしょう。

中曽根陽子
中曽根陽子(なかそね・ようこ)

教育ジャーナリスト
女性のネットワークを生かした企画編集会社「ワイワイネット」代表。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。「教育現場の取材、著名人インタビューなどを手がける傍ら、海外の教育視察や講演活動も行っている。母親のための学びの場「MotherQuest」を主宰。近著に『後悔しない中学受験』(晶文社) 『子どもがバケる学校を探せ!中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)などがある。


 

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