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おやこですんなりさんすう力UP計画

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<おやこですんなりさんすう力UP計画>

Stage10 三角形を数える

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの?
まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(Z会小学生コース保護者向け情報誌『zigzag time4・5・6』2015年1月号)

【2015年3月26日】


 

Stage10 三角形を数える

 
問題

保護者の方へ

 右図のように、大きさの違うものもすべて数えますし、数えた三角形どうしが重なってもかまいません。
 例によって、一度めはまちがえてもいいので、問題の意味を誤解していないことだけ確認したら、あとは自分でやるのを見守ってあげてください。
 何度もまちがえるようなら、「どの大きさのものが何個あるか」をきちんと書くように伝えます。
 答え合わせのときは、それぞれの大きさの個数を個別にチェックし、どの大きさのものの数が正解で、どの大きさのものの数がまちがっているかを教えてあげてください。

解答

解答の図

さんすう力UPのヒント

 

分類して整理しよう

 物の数を数える、というのは、人類と数学の最も原始的な出合いです。しかしだからと言って、それが簡単なことかというと、そういうわけでもありません。今回の問題でも、初見できちんと正解できる人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
 この問題の難しさのひとつは、「いろんな種類の三角形がある」というところにあります。さまざまな種類の物をまとめて数えようとすると、意識が分散してしまいます。そうすると、数え忘れたり、同じものを重複して数えたり、というミスが出やすくなってしまいます。そんなとき、解説のように「形ごとに数える」という工夫をしておくと、それぞれの形に集中することができ、ミスの発生を抑えることができます。
 算数・数学には「場合の数」という分野があります。平たく言えば物の数を数える問題なのですが、これがなかなか簡単には正解できず、苦手な人も多い分野です。その場合の数の問題を解いていくときに重要な役割を果たすのが、やはりこの「いくつかに分類して整理する」、つまり“場合分け”の技法なのです。
 “場合分け”にもうまい下手はあり、それによってミスの出やすさも大きく変わってきます。どういった場合分けをするかは、問題に応じて常に自分で考えなければならず、“状況に応じてうまい場合分けを考えるトレーニング”もそのうち必要になるでしょう。しかし、その前段階として、まずは「場合分けして整理する」姿勢そのものを身につけてほしい、というのが今回の問題の一番の趣旨です。

もっと問題

下の図の中に三角形は何個あるでしょう。
もっと問題の図

解答

もっと問題の解答
 こんにちは、部屋の掃除が苦手な小田です。算数では整理する力が大事だ!と言ったそばからなんなんですが、しかしそもそも、部屋の掃除って整理する力だけではなんともならない気がします。むしろ重要なのは、思い出の品や漫画の誘惑に負けない強い意志と、どれだけ掃除してもきれいになった気がしない部屋と戦い続けるタフな精神ではないでしょうか。
 今回のテーマは「場合分け」でした。場合分けは、場合の数の問題だけでなく、算数・数学全般で必要な技法です。状況が複雑すぎてまとめて議論できないとき、個別に状況を限定し、それぞれの場合について議論したりもします。そういう意味では、場合分けのトレーニングを積む、というのは、算数・数学に必要な“論理のセンス”を磨いている、と言うこともできますね。それではまた来月!

小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習” 」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している。(学習塾「文の会」での算数・数学指導を始め、大人向けの数学講座、執筆活動、教材開発、問題作成など)。おもな著書に、『できる子供は知っている 本当の算数力』(日本実業出版社)、『大人のための数学アタマの体操』(日本能率協会マネジメントセンター) 、『文の会式 東大脳さんすうドリル』(幻冬舎エデュケーション)、『文の会式 東大脳さんすうドリル 図形編』(同)などがある。


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