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おやこですんなりさんすう力UP計画

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<おやこですんなりさんすう力UP計画>

Stage11 うそつきはだれ?

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの?
まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(Z会小学生コース保護者向け情報誌『zigzag time4・5・6』2015年2月号)

【2015年3月26日】


 

Stage11 うそつきはだれ?

 
問題

保護者の方へ

 実生活ではなんとなくこの人怪しい、という“直感”もあるとは思いますが、算数の問題なので、ここは“論理的”に考えてみましょう。
 まずは、「Aが犯人(嘘つき)だったら?」と考えてみます。Aが犯人だ(嘘をついている)としたら、Cの証言は正しいですが、Bも嘘をついていることになってしまいます。
 同様に、「Bが犯人だったら?」「Cが犯人だったら?」と考え、いちばんつじつまのあうパターンが答えです。
 お子さんが先に「この人が犯人!」と言った場合は、単に正解か不正解かだけを答えてあげるのではなく、「その人が犯人だったらどうなるか」を一緒に確認してあげてください。

解答

解答の図

さんすう力UPのヒント

 

仮定をもとに考えてみよう。

 “わからない”ことがあるとき、人はそこで考えることを止めてしまいがちです。しかしわからないことがあっても、思考を先に進めていく方法がないわけではありません。今回のテーマである「もし〜だったら」という考え方も、そういったときに役立つ技術です。
 今回の問題では、「A、B、Cのだれが犯人なのか」は“わからない”ことです。しかし裏を返すと「A、B、Cのうちのだれかが犯人だ」ということが“わかっている”と言うこともできます。結論は1つにしぼりきれないまでも、3つにはしぼられているわけです。そういうときは一度、それぞれを順番に“犯人”と仮定して考えてみましょう。そうすると、AやCが犯人のときはうまくいかないので、消去法で「Bが犯人」となります。
 算数の問題を解く、というのは、与えられた情報をうまく組みあわせて結論にたどり着く、ということです。問題が解けないとき、その原因は単に「情報不足」であることがほとんどです。不足している“情報”は、問題文を注意深く読むことで発見したり、既に得ている情報をうまく組みあわせて作り出したりします。仮定をもとにして考える方法も、そういった「必要な情報を手に入れる」技術の一つです。一つひとつの“仮定”から得られる情報は、断片的で、それだけではあまり役に立たないかもしれません。しかし、結論の候補がいくつかにしぼられたとき、「すべての仮定を調べる」ことで、その断片が組み合わさり、強力なヒントとなるのです。そういう意味では、この考え方をいかすためにも、6月号でご紹介した「すべての結論をあげていく力」は、ぜひ身につけておきたいところです。

もっと問題

つくえの上に、2まいのカードがうら返しでおかれています。このカードの表には、それぞれ1けたの数字がかかれています。
このカードにかかれている数字について、
D,E,Fの3人が次のように言いました。
 D 「2つの数字をたすと、5になるよ」
 E 「2つの数字のうち、大きいほうから小さいほうを引くと、2になるよ」
 F 「2つの数字をかけると、6になるよ」
3人のうち、だれか1人はうそをついています。カードにかかれている数字は何と何ですか。

解答

もしDがうそつきなら、ほかの2人の発言が正しいので、2つの数の差は2、積が6になります。しかし、積が6になるのは、1×6か2×3だけなので、差が2になることはありません。もしFがうそつきなら、和が5、差が2となり、それぞれ整数になりません。

 こんにちは、最近ホルモン焼きのおいしさがわかるようになってきた小田です。オトナになったということでしょうか。焼肉屋で“肉”ではないものを食べる、というのは、子ども時代には考えられない暴挙ですよね。
 さて、今回も「論理」の話です。「もし〜だったら」という考え方は、もちろん普段の生活でも役立てることができます。実生活において最大の“わからないこと”は、やはり未来のことでしょう。しかし「もし〜だったら」と考えておくことで、それに備えておくことはできます。屋外イベントを企画するとき、「もし雨が降ったら」と考えておくと、参加者を困らせずにすむでしょう。営業に行くときは「もし相手がこういう反応をしたら」といくつかのパターンを考えて対応を準備しておくと、成約に至る確率は上がるでしょう。仮定を立てる考え方は、いわゆる“論理的思考”のコツの一つとも言えますね。それではまた来月!

小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習” 」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している。(学習塾「文の会」での算数・数学指導を始め、大人向けの数学講座、執筆活動、教材開発、問題作成など)。おもな著書に、『できる子供は知っている 本当の算数力』(日本実業出版社)、『大人のための数学アタマの体操』(日本能率協会マネジメントセンター) 、『文の会式 東大脳さんすうドリル』(幻冬舎エデュケーション)、『文の会式 東大脳さんすうドリル 図形編』(同)などがある。


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