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おやこですんなりさんすう力UP計画

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<おやこですんなりさんすう力UP計画>

Stage12 不思議な機械

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの?
まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(Z会小学生コース保護者向け情報誌『zigzag time4・5・6』2015年3月号)

【2015年3月26日】


 

Stage12 不思議な機械

 
問題

保護者の方へ

 まずは、問題の意図を理解できているかどうかを確認してあげてください。
 最初に「38」と書かれたカードをこの機械に入れ、何度も機械にカードを入れる作業を繰り返すと、
  38 → 22 → 8(=(2+2)×2) → 16(=(0+8)×2) → ・・・
 となります(1桁の数を入れるとき、10の位は「0」と考えます)。
 問題の意図を正しく理解したら、そこから先は“やってみる”ことが大事です。お子さんが“うまく解こう”として失敗したら、“やってみる”ように促してあげてください(5回やってみると14になるので、14×10=140とするお子さんも多いですが、もちろんまちがいです)。
 「1回入れるとどうなる?」「その次は?」と順々に聞いていきましょう。そうしていくうちに、“何か”に気づけば、この問題はクリアです。

解答

解答の図

さんすう力UPのヒント

 

算数・数学を楽しもう

 「算数・数学のおもしろさ・楽しさ」という言葉自体には、いろいろな場面で触れる機会があるでしょう。しかし「その中身は何か」と聞かれたとき、具体的な答えは思い浮かびますか。もちろん人によってさまざまな答えがあるとは思いますが、わたしの経験に基づいてあえて断言すると、算数・数学をやっていていちばん楽しいのは、やはり“何かを見つけた瞬間”です。
 今回の問題では、何度も同じ作業を繰り返していくと、数字の変化が“ループ”していることに気づきます。この“ループ”が発見できれば、50回先だけでなく、100回、1000回、もっと言うと1億回先のことでさえも正確に予測できるわけです。「1億回先」というのは、普通にやっているだけではとうていたどりつけない世界でしょう。しかし、この“発見”によって、その“たどりつけない世界”に手が届くようになるのです。その瞬間を体験することこそ、算数・数学の醍醐味だと思います。
 8月号で「“考える”より“やってみる”ほうが大事だ」と言いました。それは、そのほうが問題を解ける可能性が増えるから、というだけではありません。いろいろと“やって”いくうちに何かを見つけることが、算数・数学のおもしろさに触れる近道だからでもあるのです。
 数学は、最初から“数学”だったわけではありません。有史以来の人類の発見の蓄積が今の“数学”なのです。数学の勉強というと、さまざまな法則を知ったり、それを使う練習をしたりすることだ、というイメージを持っている人も多いでしょう。それらは確かに、「数学を勉強する」ことかもしれません。しかし、「試行錯誤する中で何かを発見する」というのは、それより深く、まさに“数学をする”ことそのものだと思うのです。

もっと問題

不思議な機械があります。この機械に数字の書かれたカードを入れると、書かれた数が偶数ならその数を半分にした数のカードが、書かれた数が奇数ならその数に3をかけて1をたした数のカードが出てきます。

今、「13」と書かれたカードをこの箱に入れ、出てきたカードをまたこの箱に入れ、さらにまた出てきたカードをこの箱に入れ・・・ということを50回くり返しました。このとき、最後に出てきたカードにはいくらと書かれているでしょう。

解答

もっと問題の解答
 こんにちは、最近神社やお寺の御朱印も集めるようになった小田です。昨年度から引き続き集めている「日本100名城スタンプ」も、少しずつですが順調に増えています。
 今回の「もっと問題」は「コラッツの予想」と呼ばれているものが背景にあります。この作業を繰り返していくと、どんな数から始めてもいずれは「4→2→1」になるだろう、というのがその「予想」の中身です。未だ証明がされていない、数学の“未解決問題”の1つです。数学と言うと難解な概念や複雑な計算がイメージされますが、その世界への入口は、実は意外と“そのへん” に開いていたりもするのです。
 さて、そんなわけでこの連載も今回でおしまいです。最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。子どもに問題を解いてもらうとき、そこには「何を学んでほしいか」という意図が必ずあります。その“意図”も感じ取っていただきつつ、問題は問題で楽しんでいただけたなら重畳です。それではまた、どこかでお会いしましょう!

小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習” 」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している。(学習塾「文の会」での算数・数学指導を始め、大人向けの数学講座、執筆活動、教材開発、問題作成など)。おもな著書に、『できる子供は知っている 本当の算数力』(日本実業出版社)、『大人のための数学アタマの体操』(日本能率協会マネジメントセンター) 、『文の会式 東大脳さんすうドリル』(幻冬舎エデュケーション)、『文の会式 東大脳さんすうドリル 図形編』(同)などがある。


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