東大・京大目次 > 12京大目次 > 化学 再現答案&得点情報 分析

1.採点基準についてのまとめ

化学問題のほとんどは、解答のみを記述する形式であるため、計算ミスや漢字・化学式・構造式の間違いは0点になると考えられる。化学は学部ごとに独自の採点基準を設けていると考えられるため、有効数字のミスに対して得点が与えられるかどうかを判断することは難しいが、ミスは0点になる可能性があるため、気をつけるに越したことはない。論述問題に関しては、文章の良し悪しではなく、題意を的確に捉えた答案であれば得点できると考えられる。
各問の配点に関しては、前述したように学部(学科)ごとに独自の基準を設けて採点を行っていると考えられるため、正確に分析することは難しい。ただし、学科内では、@理科の他科目との平均点を調整するために、受験生の大半が解答できている設問についての配点を調整する、A化学の理解力を試すために、論述問題または思考力を要する計算問題についての配点を高めに設定する、の2点を主とした調整があり得ると考えてよいだろう。いずれにせよ、ミスを避けるとともに、大問単位でほぼ完答できる力があれば、確実に合格圏に入ることができる。なお、得点開示情報より、60%以上得点できれば合格圏に入ることが予想される。

2.高得点者の答案の特徴

京大化学は試験時間(理科1科目につき90分)に対する分量が多いため、主に理論分野から出題され計算量の多い前半部分(化学問題T・U)よりも、限られた知識と思考力で勝負できる、有機分野中心の後半部分(化学問題V、W)に注力した者が高得点を取る傾向にある。つまり、正解かどうか判断できない複雑な計算結果に頼るよりも、思考力で解答を一意に決定できる有機分野で確実に「得点できた実感」を重ね、そのうえで前半部分、あるいは他科目に余裕をもって手をつけたであろう者が高得点を取っている。また、合格者の再現答案には、計算ミスがほとんど見られない。解答への正しい方針を立てて、確実に正解を得られる計算力をもつ者が合格している。
なお、今年度は、化学問題Tのうち計算問題以外の問いが取り組みやすかったため、高得点者はまず化学問題Tで点数と時間を稼ぎ、加えて有機分野の化学問題V・Wで完答に近い解答をつくっている。そして、化学問題Uの問2以降の計算問題をどれだけ解き切ることができたかで合否が分かれただろう。

3.目標得点を達成するためのポイント

年度による差異はあるが、合格には60%の得点率をめざしたい。京大化学は4題構成であるが、最初に有機分野である化学問題V・Wに手をつけて、ここで満点をめざす。その後、残りの2題と他科目もできる限り得点することで、目標は十分に達成できる。まとめると、@有機化学を解き切る力、A残り2題と他科目を含めた的確な時間配分、の2点が勝敗を分ける。これを考慮して、受験までの準備期間については、B入試標準レベルの問題を解き切る実力をつけることが大前提であり、そのうえでC有機化学に関しては念入りに対策、D複雑な計算を処理できる力を身につける、E化学現象を根底から理解することを心がける、などが必要である。
Cは細かい知識の習得も含めて市販の問題集を仕上げた後、過去問を用いて思考力を要する問題への対策を行うこと。京大だけでなく、東大、東北大、阪大などの過去問もよい練習になる。
Dは日頃から手計算を怠らないことはもちろんであるが、計算の仕方を工夫することも必要である。具体的には、桁の切り捨てによって数値がずれるのを防ぐため、途中計算は極力分数の形で残し、割り算は最後の1回のみにする、また途中式は数値を文字に置き換えて、転記ミスを防ぐとともに、時間短縮をはかる、などである。
Eに関しては、論述問題対策に役立つとともに、すべての問題へのアプローチに有効であるため、つねに「なぜそうなるのか」を考えながら学習を進めていくとよい。


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