●プロフィール
総合政策学部の概要についてお聞かせください。
■先生
総合政策学部のキーワードは「政策と文化の融合」です。グローバル化が急速に進む中、現代社会ではいろいろな問題が複雑に関連し合っていますから、個別の専門分野からのアプローチだけでは問題の一側面しか見ていないことになります。そこで総合政策学部では、人文科学、社会科学、自然科学、工学、その他様々な分野の観点から文化的な背景を理解して、現代社会が抱える諸問題を解決し、より良い社会づくりに貢献できる人材を育てる、ということを教育の理念としています。
これは「法科の中央」という伝統的イメージに代表される本学の学問体系のなかで、ある意味とても「異文化」の存在です。主流から少し距離をとり、違った窓から現実を眺めるような学部、と言っていいかもしれません。もちろん、そういう異質なものを生み出す力が本学にあったからこそ、本当にすばらしい学生諸君が集まってきたし集まっているのだと思います。
先生の研究内容について教えてください。
■先生
私の研究テーマは「財政および経済政策に関する公共選択」です。何が美しいか何が醜いか、あるいは何が良くて何が悪いかを考えるとき、受け取り方は人々の価値判断によって異なります。異なる文化で育ち、大切にしているものも違う多様な人々が一緒に同じ社会を形成していくためには、互いに歩み寄り、意思を集約したうえで政策を決めていかなければなりません。その意思決定の過程を経済学の手法で研究するのが、私が専門とする「公共選択」です。
決まった通りの形で意思決定していくのではなく、文化と政策を融合させなければ、あるいはむしろ文化を前提に政策を考えなければ、現実の社会問題を解決できません。この考え方でこれまで研究を続けてきました。異なる考え方を持つ人々が、同じ場で社会をつくっていかねばならないとき、どのようにコミュニケーションを取りながら理解し合い、その問題を解決していくかについて考えています。
浅井さんの研究テーマは何でしょうか?
■大学生
サブサハラ・アフリカ地域における貧困削減について研究し、卒業論文もこのテーマでまとめています。
私は、世界の子どもたちを支援するための「チャリティ・マラソン大会」というプロジェクトを運営する団体に4年間ボランティアで参加しています。ちょうどその誘いを受けた頃、カンボジアに行く機会があり、小さい子どもたちが売り子をして生活している光景を目にしました。少しでも世界の子どもたちの生活を豊かにすることに貢献できると同時に自分も成長できるのではないかと思い、この活動への参加を決めました。
そして、この活動を通じて自分が4年間経験してきたことがどのように国際貢献につながっているのか、あるいはODA(政府開発援助)とNGOの連携に関してどのような必然性があるのだろうかということをまとめたいと感じ、この研究テーマを選びました。
橋本さんは現在どのようなお仕事をされていますか?
■卒業生
卒業後に就職した企業では、造船や下水処理、ゴミ焼却炉の建設に関する営業に13年間関りました。「1つのビジネスを違う角度から見てみたい」という思いで今の企業に転職してまだ半年ですが、現在は発電所や造水プラント(海水淡水化プラント)の建設・運営事業に出資し、建設、運営、維持管理を行う事業投資ビジネスに携わっています。建設工事に携わる立場から、いまはそれにお金を投資する立場に変わったというわけです。投資家の立場として、共同出資者や建設会社とパートナーシップを締結しプロジェクトチームをつくる仕事を行っています。国内外の他企業とやり取りを行い、東南アジア、中東を行き来する生活を送っています。
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