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大学生
横山美知加さん

先生
種村留美先生

卒業生
楠田耕平さん
 

CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス



●プロフィール




神戸大学の医学部で学ぶ魅力を教えていただけますか?


先生
やはり世界に開かれた国際都市である神戸で学べるのは、とても大きな魅力ではないでしょうか。そうした恵まれた環境のもとで、「人に役に立つ医療」にリーダーシップを持って携わるための教育を受けられるのは学生にとって素晴らしいことだと思います。
また本学の医学部は、他大学に先駆けて「IPW教育」を実践しているのも大きな特長です。IPWとは“Interprofessional Work”の略で、現代の医療問題に対応するための“チーム医療”を念頭に置き、医学部の2つの学科である保健学科と医学科の学生、さらに神戸薬科大学の薬学を学ぶ学生が「多職種」「医療人」「協働」を意識して学ぶものです。この取り組みは、平成19年に文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」に採択されています。


皆さんは保健学科の所属ですが、ご専門は?


先生
専門は作業療法学です。

卒業生
私はこちらの作業療法学専攻を卒業し、現在は京都民医連第二中央病院のリハビリテーション部に作業療法士として勤務しています。社会人になって3年が経ち、仕事にも慣れて少し余裕が出てきました。自分が携わる作業療法の専門性をさらに高めるために、今は働きながら、こちらの大学院にも通っています。


先生
仕事をしながらの“二足のわらじ”ですね。なかなか大変ですが、とてもがんばっていますよ。

卒業生
京都から通うのはちょっと大変ですけど(笑)。

大学生
私も楠田さんと同じ作業療法学の専攻です。今4年生なのでもうすぐ卒業ですが、国家試験に合格すれば作業療法士として病院に就職する予定です。

先生
寒い時期に試験があるので、体調管理に気をつけて臨まないといけませんね。

大学生
ありがとうございます。がんばります。

先生
医学部の保健学科には私たちの作業療法学のほかに、看護学、検査技術科学、理学療法学の専攻があります。私は高次脳機能障害の作業療法について専門的に研究しています。
高次脳機能障害という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、例えば失語症や、交通事故などの後遺症による記憶障害、さらに日本でも社会的な課題となっている認知症などを思い浮かべていただけるとわかりやすいでしょう。そうした脳に損傷を負った方々へのリハビリの在り方などを研究しています。キーワードを挙げるとすれば「障がい者の方の生活支援」です。

作業療法とは具体的にどのようなものでしょう?


先生
生活の中で行われることは「作業活動」という言い方をします。人が生きる上でのあらゆる活動を対象とし、評価を行い、目標を設定してリハビリを行う、これが作業療法です。障がいを持ってしまう前にできていた日常生活の作業、例えば「歯を磨く」「調理をする」「掃除をする」といったさまざまな活動を再び行えるように、患者さんに寄り添ってアプローチをします。例えば、右腕が動かなくなってしまった患者さんに対しては、左手でお箸を持つ練習をしたり着替えができるように、作業療法士が一緒になってリハビリを行います。
こうしたリハビリの過程には理学療法士も関わることがありますが、理学療法では日常生活の作業活動に対してではなく、障がいを持った患者さんの身体機能に部分的かつダイレクトにリハビリを行います。歩けなくなったら“歩行の訓練”をする、筋力の低下が起きているなら“筋力強化のトレーニング”をするというように直接的なアプローチをするのが理学療法士です。

卒業生
歩行などの「基本的な活動」に対応するのが理学療法、日常生活活動など「応用的な活動」に対応するのが作業療法と言ってもいいかもしれません。オーバーラップするところはたくさんありますから、どちらに主眼を置くかの違いですね。



  

 

  

●インタビューに答えてくれた方々


 


先生
種村留美先生  

神戸大学大学院保健学研究科教授
長崎県立佐世保北高等学校出身。九州リハビリテーション大学校作業療法学科、放送大学発達と教育学部心理学科卒業。広島大学大学院医学系研究科博士課程修了。健和会長行リハビリテーション病院作業療法士、伊豆韮山温泉病院作業療法室室長の病院勤務を経験した後、京都大学人間健康科学部准教授を経て現職。

   


卒業生
楠田耕平さん

神戸大学大学院保健学研究科修士課程1年生(2013年度取材当時)
京都民医連第二中央病院リハビリテーション部勤務
京都市立堀川高等学校出身。神戸大学医学部保健学科作業療法学専攻卒業後、京都民医連第二中央病院リハビリテーション部に就職。同病院に勤めながら神戸大学大学院保健学研究科修士課程に進学し、現在高次脳機能障害の作業療法に関する研究に取り組んでいる。

   


大学生
横山美知加さん

神戸大学医学部保健学科作業療法学専攻4年生(2013年度取材当時)
愛媛県立今治西高等学校出身。神戸大学医学部保健学科入学後、2年生の時に作業療法を学ぶ学生同士の交流・意見交換の場を目指し、「関西作業療法学生交流会」の創設に携わる。卒業後は作業療法士として病院に就職予定。

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