●プロフィール
神戸大学工学部ではどのようなことが学べますか?
■先生
神戸大学工学部は私たちがいる建築学科のほかに、市民工学科、電気電子工学科、機械工学科、応用化学科、そして情報知能工学科の合計6学科がありますから、工学系のことをやりたければどの分野も学べると言えます。ただ例えば電気電子工学の分野でも情報知能を扱ったりすることもあるように、学科横断的な領域もありますので、入試で学科を選ぶときは迷うこともあるのではないでしょうか。
建築学科で皆さんは何を専門にされていますか?
■先生
私たちの専門は建築の中でも構造ですが、研究には情報システム技術を大いに活用します。建築構造を学ぶ際は、計算科学を応用することが非常に多いので、計算科学の手法そのものも追求しますし、そうした手法を使って建築が抱える様々な問題を解決していく研究を行っています。
具体例を挙げますと、地震が起きると建物が揺れますが、その際、構造の振動をどう抑えるかといったことも、計算科学を応用したシミュレーションで数値を評価していきます。
■卒業生
そうですね。僕の専門は今先生が言われたもので、建物の揺れを抑える装置の制御方法を研究しています。コンピューターでシミュレーションを行い、抑振装置をどう動かせばよいのかを計算式を使って導き出しています。
■先生
谷原君は建物の揺れを抑えるテーマを自分で掲げて取り組んでいますね。
■卒業生
はい。研究室に入った学部4年生の時にこのテーマに決めて、大学院に進んだ今も建物の揺れについて研究し続けています。
栗本さんが研究されている内容は?
■大学生
僕は谷原さんとは違って、都市の形態をパソコンで3D化し、評価項目を与えながら最適な解を見つけ出す研究を行っています。例えば、この地域には同じ形の建物が集まっている方がいい、災害を考えるとこの場所に大きな建物がない方がいいなど、そういった評価基準を自分で設定し、理想の都市像を追求しています。
■先生
雑然と建物が建っているより駅を中心に都市計画を行う方が評価はより高くなるなど、そういったことをパソコンでプログラミングして研究するわけです。二人とも計算科学を活用したシミュレーションによる研究を行っています。
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