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大学生
遠藤駿さん

先生
竹中麻子先生

卒業生
向後雄一郎さん
 

CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス



●プロフィール




先生の研究されている専門分野に関して教えてください。


先生
食品が持っている機能を、分子のメカニズムで明らかにしていく分子栄養学を専門にしています。ヒトの健康維持には必要な栄養成分がいくつもありますが、これらの栄養成分が足りなくなると生物体内でどのような変化が起こるのかを、分子、遺伝子、ホルモンなどから分析していきます。栄養成分の中でもとくに、タンパク質とビタミンEの2つに着目して研究を進めています。


研究はどのような形で進めていくのですか?


先生
実験では動物を使い、特定の栄養素が足りない食べ物を与え続けた場合にどういうことが起こるのかを調べます。そこで分子の変化が見えてくると、次に細胞を取り出してさらに詳細な分析を進めていきます。

これまでの研究成果で見えてきたことは何かありますか?


先生
実験の結果、ビタミンEが不足すると、動物の行動パターンに変化が見られることがわかりました。「不安症状」を示すような行動が多くなるのです。
ビタミンEは油やナッツ類などに含まれていて、私たち人間においては「通常の食生活では不足することはない」と言われているビタミンです。しかし私は研究を通して、人間の精神活動から見ると「実はビタミンEが不足することもあるのではないか」と考えています。

研究成果のアウトプットはどのようにされていますか?


先生
ビタミンEに関して、どういう食材や補助食品等をどれくらいの量を食べると、どのような効果があるのかを、まとめて提示できるようにしたいと考えています。
もう少し将来的なプランとしては、研究結果をサプリメントのような補助食品の製品化に利用できればと考えています。

※竹中先生の研究についてはこちらのサイトもご覧ください。
  明治大学研究最前線 The Movie

向後さんは現在どのようなお仕事をされていますか?


卒業生
私は一般財団法人日本食品分析センターの薬事試験部微生物試験課で勤務しています。現在は多摩研究所にて、主に分析依頼のあった医薬品や化粧品の製品及び原材料を検査対象にした微生物分析を行う、技術職業務を担当しています。




日本食品分析センターは研究機関でもあるのですか?


卒業生
研究機関というよりも、食品や薬事や環境のエリアに関して分析することを専門にした、サービス事業体というのが主体です。ただし、お客様のニーズにお応えする過程においては、ある検体を単に分析するだけでなく、さらに研究業務を付加して、結果報告レポートの作成も行っています。

向後さんの大学時代の専門は何ですか?


卒業生
専門は生化学です。竹中先生のゼミに所属し、大豆たんぱく質の体内での機能を調べていました。現在の職場では微生物試験課に所属していますが、大学時代は、微生物の分野はほとんど学んでいませんでした。

遠藤さんの専門は何ですか?


大学生
僕も竹中先生のゼミ生で、抗酸化作用のあるビタミンEのメカニズムを研究をしています。抗酸化作用とは、わかりやすく言えばアンチエイジング効果です。
現在は必要単位を取り終え授業がないので、卒業論文を完成させるために毎日研究室で動物を使った実験を行ったり、研究論文を読むといった研究活動をしています。



  

 

  

●インタビューに答えてくれた方々


 


先生
竹中麻子先生  

明治大学農学部教授
国立お茶の水女子大学附属高等学校出身。東京大学農学部農芸化学科卒業。東京大学大学院農学研究科博士課程中退。博士(農学)。東京大学農学部助手、山形大学農学部助教授、明治大学農学部准教授を経て、2012年より現職。

   


卒業生
向後雄一郎さん

一般財団法人日本食品分析センター勤務
私立関東学院高等学校出身。明治大学農学部農芸化学科卒業。明治大学大学院農学研究科農芸化学専攻修士課程修了。学部・大学院での研究テーマは「大豆たんぱくの生体内における機能」。現在は、医薬品・化粧品の製品及び原材料を検査対象にした、微生物分析を行う技術職業務を担当している。

   


大学生
遠藤駿さん

明治大学農学部農芸化学科4年生(2013年度取材当時)
長野県上田染谷丘高等学校出身。高校時代は水泳部で活躍し、大学では竹中先生の「食品生化学ゼミ」にて、「ビタミンEの生体における機能」をテーマにした卒業研究を行う。卒業後は、明治大学大学院農学農芸化学研究科修士課程へ進学予定。

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