1 2 3 次へ>

大学生
木村祥子さん

先生
丸山正博先生

卒業生
鮫島有一朗さん
 

CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス



●プロフィール




先生の研究されている専門分野に関して教えてください。


先生
現在は「マーケティング活動における法律の関与」を研究の柱にしています。例えば、最近増えている社会問題の中に「食品の偽装表示」があります。一流ホテルが「フレッシュジュース」として提供していたものが、実は濃縮還元だったなど、多くのホテルが実際の商品とは違う表示を行っていた問題です。
この「フレッシュジュース」と表示する行為は、ホテル側からしてみれば、ブランド価値を高めるための一種のマーケティング活動にあたります。しかし、商品が表示と異なってしまえば、これは消費者に対して虚偽表示をしたことになり、詐欺広告行為として法律による処罰の対象になります。
このような虚偽表示や、企業が商品を実際よりも優れているかのように大げさに宣伝を行う「誇大広告」を研究対象に、なぜ企業がこのような行為を行ってしまうのか、また、法律はこうした行為をどう取り締まっているのか、さらには、企業の自主規制の取り組みはどうなっているのか、当該企業が所属する業界団体の対応はどうなっているのか、などを研究しています。近年、各企業はCSR(社会に対する責任)活動にも力を入れておりますので、マーケティングと法律、そしてCSRという観点からも企業活動を見ています。


マーケティングとは、どういうことを意味するのですか?


先生
マーケティングとは、営利を目的とする企業が、売上げを伸ばすために行う市場調査活動のことで、売上げ促進が最終的な目標になります。しかし実際には、企業が自分たちの売りたい商品をこうやって売っていこうと戦略を立てるだけでは、思うようには売れません。それは顧客ニーズ、つまり消費者の要求がどこにあるのか、その要求にどう対応していくのか、ということが把握できていないからなのです。そこでマーケティングを考える際の重要なポイントを簡潔に示すならば、顧客ニーズへの対応をしっかりと考えることだと言えます。

研究はどのような形で進めていくのですか?


先生
マーケティング分野の研究方法には、大きく二つの方法があります。ひとつは、企業に対してインタビューやアンケートなどを行い、そこで出てきた問題点を考えていく方法で、フィールドワーク的に調査する方法です。
もうひとつが、様々なデータを集めて分析していく研究方法です。例えば、スーパーマーケットのレジが集めた売れ筋商品データや、会員カードなどの使用履歴データなど、マーケティング情報が蓄積されている様々なデータにアクセスをして、それらを調査していきます。私はどちらの方法も使いながら研究を進めています。
研究成果は論文として発表するだけでなく、研究書や講義にも使える入門書など、書籍として刊行することもあります。

特に最近、関心を寄せている分野はありますか?


先生
現在は、書籍と電子書籍販売に関する分野に関心を寄せています。日本における新品の書籍販売は、「再販売価格維持制度」があり、書店は出版社が定めた定価で販売しなければいけません。これは書籍や新聞など、限られた商品にのみ適用されている制度です。しかし近年、電子書籍という新たな形態が普及し始めており、この電子書籍に関しては、「再販売価格維持制度」は適用されていません。つまり、販売者が自由に価格を決めることができます。これにより、例えば、従来の本と電子書籍では、同じ内容・タイトルの本であっても、価格に差が出てきます。こうした価格差が出版業界や書店にどのような影響を与えるのか、書店や出版社などが淘汰されるとしたら、どう変わっていくのか。日本では、まだまだ電子書籍は大きく広がってはいませんが、数年後、市場が大きく広がった時に、電子書籍が出版業界にどのような変化をもたらすのか、ということに関心を持ちつつ、状況の推移を見ています。

鮫島さんは現在どのようなお仕事をされていますか?


卒業生
朝日広告社という広告代理店に勤務しています。担当する雑誌に掲載される企業広告を扱う業務を担当しています。広告主と弊社営業部、そして掲載先である雑誌の出版社との間に入り、広告掲載に関するさまざまな業務の進行をコントロールすることが私の職務になります。また、広告の見せ方などのアイデアを提案することも業務の一環です。




担当されている雑誌もしくは出版社の数はどれくらいですか?


卒業生
大手出版社を数社担当していますので、子どもから大人向けまで、雑誌媒体数で言うとかなりの数になります。

鮫島さんの大学時代の専門は?


卒業生
「マーケティング」を専攻していました。卒業論文のテーマは「航空経営とマーケティング」で、ANAやJALといった日本の中心的な航空会社と、LCCと言われる格安航空会社の経営手法の違い、成長戦略やマーケティングの比較などをまとめました。

先生
卒業論文は2万字に及ぶ大作ですので、テーマはマーケティングに関係することであれば、学生の自由にしています。自分が関心を持って楽しめる研究内容でないと、2万字は少々大変ですから。

木村さんは現在4年生ですね。ご専門は?


大学生
丸山先生のゼミに所属しており、マーケティングと流通産業について学んでいます。

学生生活を充実させるために、授業以外ではどのような活動をしていますか?


大学生
大学ではイベントサークルに所属し、いろいろなイベントを企画しました。3年次には「就活セミナー」を開催しました。これはすでに就職活動を終えた先輩方に集まってもらい、これから就職活動をする学生が自由に質問をすることができるという内容です。当時は、私自身がこれから就職活動を始めるという立場でしたので、こうした機会を自らも有効活用したいなと思い、企画しました。
また、アルバイトでは1年次から箱根のホテルで配膳スタッフとして働き、接客・マナーなどを学んでいます。

大学のミス・コンテストにも出られたそうですね。


大学生
はい、2年次に参加しました。1000人くらいの大勢の方が見ている中でウォーキングをしたり、憧れのウェディングドレスを着て撮影したり、今振り返るととても貴重な体験ができました。最初は出るかどうか迷ったのですが、結果はともあれ、大学時代の良い思い出になったと思っています。私は元々、緊張しやすく、人前に出るのも苦手でしたので、その点も少しは克服できたかなと思います。

先生
木村さんには大学のパンフレットにも出てもらうなど、いろいろと協力してもらっています。



  

 

  

●インタビューに答えてくれた方々


 


先生
丸山正博先生  

明治学院大学経済学部経営学科 教授
神奈川県立横須賀高等学校出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻博士課程修了。博士(経営法)。
大学卒業後に三井信託銀行に入行、個人・法人営業と株式運用(ファンドマネージャー)を担当。(財)流通経済研究所研究員、拓殖大学商学部専任講師を経て、2008年より明治学院大学経済学部准教授。2012年より現職。

   


卒業生
鮫島有一朗さん

株式会社朝日広告社 勤務
私立熊本学園大学付属高等学校出身。2012年3月明治学院大学経済学部国際経営学科卒業。高校時代は野球部で活躍し、大学時代は丸山先生のゼミに所属。現在はマーケティングの知識を活かしながら、雑誌掲載する企業広告に関連した業務に従事している。

   


大学生
木村祥子さん

明治学院大学経済学部経営学科4年生(2013年度取材当時)
神奈川県立小田原高等学校出身。丸山先生のゼミに所属し、マーケティングを専門に学ぶ。高校時代は硬式テニス部の副部長として活躍するほか、文化祭の演劇で主演女優賞を受賞。大学ではイベントサークルに入り、積極的な活動を行う。卒業後は人材派遣会社の営業職に就く予定。

1 2 3 次へ>