●プロフィール
これから三学部横断型ゼミナール・プロジェクト(以下、三学部横断型ゼミ)について、経済・人文・社会の各学部、それぞれの立場からお話をいただければと思います。
まず、皆さんご自身のことについて伺います。
高橋先生は経済学部で教鞭を取られているのですね。
■先生
私の専門分野は起業学です。ベンチャー企業論と言われたりすることがありますが、私個人としては「アントレプレナーシップ」という表現が好きです。どのように呼んでも、新しく組織を作って新しくビジネスを始める活動の調査研究であることには間違いはありません。
主な研究の1つに国際調査プロジェクトであるグローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)の日本支部代表としての活動があります。各国の創業活動、新しくビジネスを興す活動を、すべての調査参加国が、同じ基準でデータ化しています。このデータは研究・分析にだけでなく、政策判断などにも用いられる重要な指標になっています。
人文学部ご出身の松橋さんは空気圧機器を製造する企業にお勤めですね。
■卒業生
株式会社コガネイの営業本部海外営業部海外業務グループに所属していまして、大きく3つの仕事を担当しています。1つ目が、ヨーロッパの代理店やシンガポールの現地法人に対する営業のサポート。2つ目は生産販売している精密機器の発注手配。そして3つ目が、その手配した製品の輸出手続きです。仕事相手が海外の方になるので、それぞれの仕事ではもちろん英語を使っています。
私は人文学部で、主に英米の言語・文学・文化など、欧米の方々の思考について学びました。例えば、彼らは先に結論を言い、それから理由を述べますから、日本人のように順序だてて説明し、最後に結論を述べる方法はとても分かりにくいのですね。このような知識は、現在の実務でも役立っています。
社会学部の白濱さんはこれから就職と伺っています。どのような大学生活でしたか。
■大学生
社会学部では幅広く学ぶことができますが、その中でも私が特に興味を持ったのは※ジェンダーでした。
大学1年生の春休みにカンボジアにボランティアへ行き、大学3年時には1年間、交換留学で渡米しました。帰国後に、セクシャルマイノリティと呼ばれる性的少数者の支援をしている団体に携わり、その起業、スタートアップを手伝う経験もしました。
※「男らしさ」や「女らしさ」といった社会文化的につくられる性別や性差について学ぶ学問のこと
■先生
色々なことをやっているね。留学の際には大学の制度をうまく利用できましたか?
■大学生
はい。武蔵大学の交換留学プログラムを活用して、アメリカの提携大学に8ヶ月間留学をしました。交換留学ですから追加の授業料はかかりませんし、武蔵大学からはアメリカでの社会的活動への資金援助(課外活動奨励奨学金)もしていただきました。また、政府の奨学金も紹介してもらったので、生活費の面でも経済的な負担はほとんどありませんでした。
■先生
まだ円が高かった頃だしね。
■卒業生
さすが先生、視点が違いますね(笑)。
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