●プロフィール
先生の研究されている専門分野に関して教えてください。
■先生
メインの研究テーマは経済学の一分野である「開発経済学」です。開発経済学というのは、「発展途上国の経済状況をいかに向上させていくか」を研究する学問です。テレビ報道などにあるように、世界にはまだ食事さえ満足にできない人たちがいる国があり、そうした国に対してどういう政策が理想的なのかを考えていきます。
これまでは途上国の災害復興における経済政策を研究していましたが、2011年の東日本大震災以降は、福島県の復興も研究対象にして調査を行っています。
東日本大震災に関する開発経済学的な調査とは、具体的にはどのようなことを行うのですか?
■先生
さまざまなトピックがあると思いますが、今は被災者の方々が抱えている問題、その中でも応急仮設住宅に長期避難されている方々の孤立や経済的自立に関する問題を調査しています。
これらの問題に関して、2013年の夏に私のゼミに所属している学生にも手伝ってもらい、現地のNPO団体と共同で被災者の方々にアンケート調査を行いました。このアンケートの目的は、「どういう方の経済的自立が遅れているのか」、「どういう応急仮設住宅が孤立を悪化させてしまうのか」ということを統計的に検証することです。
現在、NPO団体と共同で分析結果の報告書をまとめているところで、その結果を復興関係者や地方自治体などに報告したいと考えています。
孤立が起こる原因は何が考えられますか?
■先生
東日本大震災の被災者が孤立してしまった最大の原因は、震災前のご近所と同じ応急仮設に入居できず、ご近所同士がバラバラになってしまったことだと考えられます。それに加え、応急仮設住宅での「絆づくり」をするチャンスが不足していることも原因の一つです。各応急仮設住宅には談話室や集会所が設置されているのですが、そこを積極的に活用し、さまざまなイベントを開催するところもあれば、そうでないところもあります。頻繁に多様なイベントを開催する応急仮設住宅では、避難者同士の交流が増え、孤立を回避することができるのですが、そのためには行政やNPOなどが継続的に手厚くサポートする必要があると思います。
嵐田さんの在学当時の専門は何ですか? また、現在どのようなお仕事をされていますか?
■卒業生
在学中は、庄司先生の「開発経済学ゼミ」に所属し、開発経済学を専門に学びました。卒業論文のテーマは「街路灯の犯罪防止効果について」です。
2012年に卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社し、現在は店舗のアシスタントマネージャー職をしています。わかりやすく言いますと副店長職で、業務内容は、店舗運営全般に関わる業務、店舗の人材教育を含めた人材管理、店長の補佐業務、そして店頭接客業務も行っています。
湯浅さんは現在3年生ですね。どのような活動をされていますか?
■大学生
大学公認団体の「会計学研究会」に入っており、2年次に1年間、部長を務めました。この研究会では、大学の他の部活動等の会計内容が正しいかをチェックする一方で、それ以外の時は、簿記検定や会計士等の資格取得に向けた勉強を行っています。
1年次はアルバイトに精を出していましたが、部長をやっていた2年次の1年間は、ほぼ毎日のように会計学研究会の部室にいました(笑)。
TACという資格学校が主催する「簿記チャンピオン大会」というイベントがあるのですが、2年次にそのイベントに研究会の代表数名で参加して入賞したり、学園祭では売上目標額を決めて商品販売のお店を出店するなど、積極的に活動していました。
湯浅さんが会計学研究会に入った動機・目的はどういうものでしたか?
■大学生
「会計学研究会」は、日商簿記検定2級、3級合格者や証券アナリスト合格者を輩出するなど、多くの実績を作っている団体です。自分も何か資格を取りたいと思って参加し、2年次に日商簿記2級を取得できました。
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