●5年後に向けて
皆さんの将来の夢・目標を教えてください。
■大学生
本が好きな僕にとって、人々の活字離れによる出版社数や書店数の減少傾向は、少しさびしく感じています。出版販売会社という、出版業界全体を見渡せる会社へ就職しますので、今後は、出版社や書店さんたちと一緒に何か新しい仕掛けができないか考えていきたいです。
そして5年後には、もっと本が売れて出版関連業界全体が活気づくようなことを何かしてみたいですね。
■卒業生
今後、いろいろな部署へ異動する可能性はありますが、5年後くらいには、省庁や行政だけでなく、司法や警察など様々な国の機関に精通した記者になっていたいですね。もちろんそれまでに、取材や記事づくりのノウハウも習得し、しっかりとした一人前の記者になるという目標もあります。
さらに将来的には、大学時代の経験を生かして、フランスやフランス語圏で特派員記者になるという夢も持っています。
■先生
研究対象である「専門裁判所」に関しての調査研究はひと段落しましたが、調停制度など、紛争解決に向けた様々な制度の歴史をまとめるという課題が残っています。またここ数年は、ナチス法と日本の総動員体制下の法のしくみを比較検証する作業を、日本法制史の研究者と共同で進めています。今後はそうした共同研究にチャレンジしていきたいですね。
先生の研究の面白さ、やりがいはどういうところにありますか?
■先生
まずは「史料の分析にあたること」がとてもやりがいのある作業です。ドイツのアーカイブに出向く時は、まるで考古学者、あるいは探偵のような気分になります。「記録の中にはいったい何が詰まっているのだろうか?」と、ワクワクとしていますね。史料には、教科書にはまだ入ってない新しい発見がまだまだ眠っています。しかもそれは、時の権力者が描かせた歴史ではなく、学者が紡ぎあげた理論でもない、その時代をじっさいに生きた人々の生の声なのです。裁判史料を丹念に読み解く研究は、社会史とりわけミクロヒストリーという新しい研究方法から発達したもので、開拓の余地がまだたくさんあるのです。
研究の社会的な意義はどのようなところにありますか?
■先生
研究内容そのものは、西洋法制史という分野における学術的な資料として貢献できると思います。また、先ほども言いましたが、現代において司法制度を見直す際には、過去の海外における司法制度と活用例という客観的なデータを提案できることになります。
高校1年生が先生の研究を学ぶために重要なことは何でしょうか?
■先生
西洋法制史を知るためには、まず、世界史を嫌いにならないでほしいですね(笑)。
受験勉強で考えると、暗記しなければいけないと思えてしまいますが、そうではなく、自分で面白いと思える時代や人物などを、自分なりに掘り下げてみるという作業をしてみてほしいと思います。
■卒業生
そうですね。私も高校時代、世界史は苦手でしたが、大学に入り、留学時に政治史を学んだ際に、初めて世界史に興味がわいたことを覚えています。
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