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大学生
川端今日子さん

先生
青山隆夫先生

卒業生
城山亮輔さん
 

CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス



●プロフィール




青山先生の研究について、簡単にご説明いただけますか?


先生
私の研究室は薬物治療学研究室といいまして、薬を作るのではなく、製薬会社が開発した薬をいかにうまく使うかという、適正使用の研究をしています。分野としては医療薬学になります。
研究内容は非常に幅広く、「なんでもあり」のようなところがありますが、今メインで研究しているのは、薬物相互作用、いわゆる「飲み合わせ」というものです。単独で使用すれば非常に良い薬だとしても、複数の薬を同時に飲むと、薬同士が反応して、効き目が落ちたり、副作用が出てしまったりすることがあります。そのメカニズムを探り、問題を回避するにはどうすればいいか、その薬をどのように使ったらいいかということを研究しています。薬物同士だけではなく、薬物と食物、薬物とミネラルウォーターなどの相互作用も研究の対象です。例えば、血圧を下げるある種の降圧薬をグレープフルーツジュースと一緒に飲むと、効き過ぎてしまうという現象が報告されています。


川端さんは、青山先生の研究室に在籍していますが、具体的な研究テーマを教えていただけますか?


大学生
青山先生の研究室では、代々先輩たちがアスピリンに関する薬物相互作用について研究していまして、私は、アスピリンと健康食品の成分の相互作用を調べています。

先生
アスピリンという薬は、解熱作用があることで知られていますが、低い用量でアスピリンを服用すると、血液をさらさらにする効果が出ます。抗血小板作用といって、血液を固まりやすくする血小板の作用に拮抗して、血栓ができないようにするんです。ですが、血液中に同じような作用の成分があると、血小板に結合する時に、結合する場所を奪いあうので、アスピリンが結合しなくなり、アスピリンを飲んでいても効果が出なくなってしまいます。健康食品にも、血液がさらさらになるという効果のあるものがあるでしょう?

大学生
その成分が、赤ワインなどにも含まれているレスベラトロールという物質です。アンチエイジングの目的で売られている健康食品に含まれているんですが、それが、アスピリンと相互作用を起こすかどうかについて、調べています。

医療現場で働いている城山さんにお聞きします。現在のお仕事を簡単に教えてください。


卒業生
僕は今、病院薬剤師として、大学病院の中で仕事をしています。医師から処方箋が発行されたら、薬の用法、用量が合っているのか、相互作用はないのか、腎臓や肝臓の機能など患者さんの状態に応じて、適切かどうかをしっかり鑑査して、患者さんに薬をお渡しするという仕事です。このように調剤室や窓口で外来の患者さんの応対をするだけではなく、入院している患者さんに対しても、点滴する薬の濃度が合っているか、投与の速度は大丈夫かなどを、しっかり確認するということも、薬剤師の役割です。また、患者さんのところに行って、あなたの飲んでいる薬はこういうものですと説明もしますし、患者さんの状態を考慮し、こういう薬が必要です、この薬はおそらくもう不要ですなどと、医師に提案することもあります。



  

 

  

●インタビューに答えてくれた方々


 


先生
青山隆夫先生  

東京理科大学薬学部 教授
埼玉県立浦和高校出身。東京理科大学薬学部製薬学科卒業後、東京大学医学部附属病院文部技官薬剤師となる。東京大学医学部附属病院助手、東京大学講師を経て、2004年10月より現職。専門は、医療薬学・薬物治療学。 共著書に、新ビジュアル薬剤師実務シリーズ『薬剤師業務の基本』『調剤業務の基本』(羊土社 2013年)がある。

   


卒業生
城山亮輔さん

東京大学医学部附属病院 薬剤部勤務
私立明治大学付属中野高校出身。東京理科大学薬学部薬学科卒業。高校では剣道部に所属、大学在学中は嶋田研究室(薬品評価学)に在籍。薬剤師の教育過程が6年制になって以降、薬学科第1期卒業生。2012年より現職。

   


大学生
川端今日子さん

東京理科大学薬学部薬学科4年生(2013年度取材当時)
埼玉県立浦和第一女子高校出身。青山先生の研究室に所属し、薬物治療学を専攻。
中学からバドミントンをはじめ、大学でもバドミントンサークルに所属している。

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