休みが終わりますね。夏期講習を受けられた方もおおぜいいらっしゃるでしょう。このあと何をなさいますか。
そうですね。復習です。復習の方法について確認させてください。テキストがあるはずですからぜんぶやり直してください。授業で扱った範囲だけでけっこうです。ぜんぶやる。あやふやな項目があればそこから手をつけてみる。案外わからなくなっているはずです。

国語で言えばこういうことがありますね。「何段活用ですか?」というところがわからなかった。その問題の解答だけを覚えても復習にはなっていません。「動詞の活用の種類」というところを復習しておく。あまりにも広げすぎるとまたいい加減になってしまいますから、とにかく活用の種類だけは間違えないようにしておく。
夏期講習のテキストというのは夏期だけしか役にたたないものではありません。私は晩秋になってもよくわからないという生徒に、夏期講習のテキストをやり直すように言っています。

可能であれば何回もやり直す。何度やってもわからない問題が出てくるものです。テキストはそうやって繰り返し使用してください。どういうわけか成績が苦しい人に限ってやたらと手を広げようとします。「だってもうこのテキストは終わったから」と言う。終わっていないでしょう。終わったというのは、テキストの中のすべての問題がすらすら解けるようになった状態を指します。できないものがある限り、終わっていない。

そうやって繰り返し演習するクセをつけるとできるようになってきます。もちろん音読なども心がけてください。できなかった数学の問題を別のノートにまとめていた先輩がいました。そうした工夫もいいことです。不得手な問題のみが抜粋された手作りの問題集になりますね。
もっと基本をやったほうがいいですか? という質問を受けます。やるべきことはあなたのできないところをできるようにするだけです。基本であろうが応用であろうが、できないところをできるようにするのです。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。