暴飲暴食というのはあきらかによくないですね。また夜更かしばかりして、朝はいつまでも寝ているというのもよくないと思います。さらに運動不足だとか大人で言えばお酒を飲みすぎたりタバコを吸いすぎたりとか、あるいは食べているものにあまりにも無頓着な状態もよくないと思います。
何によくないかというと、当然のことながら健康によくないですね。何か不都合な症状が出てくる可能性があります。

そして慌ててお医者さんのところへ行く。調子が悪いということをお話して薬を何種類も処方してもらう。ただ基本的に生活がもとのだらしない状態であれば、多少は改善しても完治するところまではなかなかいかないでしょう。
まず正すべきは不調の原因である生活です。規則正しく健康的な生活を心がける。場合によってはタバコなどの悪い習慣(と最近では指摘されることが多いようです)とはきっぱり手を切る必要も出てくるかもしれません。

これは勉強でもまったく同じことです。私は「どうしたら勉強ができるようになるのか」というタイトルでずーっと記事を書いてきました。中には私の書いたことを実践してくださっている方がいらっしゃるかもしれません。私の書いていることはいい「薬」ではあるはずです。優秀な先輩方が長いこと服用(?)されてきた良薬だという自信は持っています。
ただ前提条件である悪い生活習慣が残っていると、せっかくの良薬も効果がない可能性が出てきます。

音読20回と書きました。やってくださっているかもしれませんね。ただしずーっと音楽を聴きながらやっている。書いて練習とも提案しました。書いて練習してくださっているかもしれない。でも、練習時にもしょっちゅうスマホで何かを確認している。つまり神経が分断されている。
すると20回の効果が思うように出てこなかったり書いてもちっとも覚えられなかったりということになりかねません。悪い生活習慣と正しい勉強法を併用してもうまくいかないということです。そこは気をつけてください。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。