何かを真剣にやろうというときに、行き当たりばったりではうまくいかないですね。運動競技であれば大会がいついつで、何日ごろまでにはどういう状態にもっていくかということを前々から入念に計画をたて準備を進めるはずです。
入学試験も同じことですが、さらに一歩進んで「とにかく勉強ができる人になりたい」ということであれば、試験がどうこうではなく日々何をやるかという計画が絶対に必要になってきます。

と同時に、本当にその計画を達成できているかどうかについても細心の注意を払ってください。計画をたてるだけたてて全然予定通り進んでいないという生徒がいるものです。毎日活字を読むと決めている。15分間真剣に読むと決めた。ところが全然読めていない。理由を聞いてみると、予定していた書籍が手に入らなかったとか15分はむりだったけれど5分ぐらいは読んだとかいろいろ説明してくださるのですが、要するに予定通りに進んでいないということです。

計画が予定通りに進まないのではうまくいきません。英単語の練習とか漢字の暗記とか活字を読むとか音読とか計算練習とか、分量(あるいは時間)もきちんと決めその通りにできてはじめて予定通りとなります。ちょっとは見たなどという中途半端なものは本当はアウトなのだと厳しく認識してください。
そうしないと計画はたてられていても、名目だけで内実は甘く甘く実行しているという状況になりかねません。

予定通りいかなかったところには△でなく×を書きこんでみてください。たまにであればいいのですが、×印が続くようなら、計画自体がおかしいか真剣にやろうという気持ちが減退しているかのどちらかです。頑張りますと繰り返しているうちに自分でも暗示にかかってしまうことがありますが、×印はじつは頑張っていない証拠でそれが続いている現実はきちんと認識しておく必要がありそうです。
やっていると言いながらやっていないということが多いものです。きちんと見られる形で残しておくことですよ。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。