ときどき学校以外でどれぐらい勉強したらいいのか数値で示してほしいというご相談を受けることがあります。「どれぐらい=何時間ぐらい」と変換してほしいということでしょう。優等生になりたいのであれば、安易に時間に変換して考えるのではなく必要なだけ勉強するべきですよ。
そのうえでご参考までに目標値を書いておけば、高校生の方なら学年プラス2時間以上といったところでしょうか。

中1中2の方は学校の授業時間は除外して日に2時間以上、受験生の中3になったら日に4時間以上と考えてください。
これはめちゃくちゃな要求ではないですよ。東京の公立中高一貫校に通っている生徒たちは中1のときでさえ日に2時間の自宅学習では足りないと言っています。3時間はかからなくても、毎日2時間以上は勉強しないと終わらない。また私立中学に通っているある中1生は同時に塾にも通いはじめたため、両方の宿題をやるだけで2時間はあっという間だと言っていました。

普通の公立中学に通われる方だけはやらなくても大丈夫という道理はないはずです。ただ周囲の友だちがそんなに勉強していないことも事実でしょう。この数値はあくまでも将来トップレベルの大学に余力を持って現役合格することを目標にした場合です。
もちろん通信や塾の勉強もこの中に含みます。塾で2時間授業を受けてきた中1生は、それだけでその日の勉強時間は確保できていますね。

ときどきそんなにやることがありませんという生徒がいます。日に3時間も何をやればいいのかわからない。当然繰り返しです。やったものをそっくりそのまま繰り返してやってみる。やみくもに教材を増やすより何度も繰り返したほうが効果的です。
それから読書の時間は勉強した時間とみなしてくださってもけっこうです。マンガはべつですよ。すると毎日何時間も読書に没頭している勉強家は、さらにたくさん勉強しているのと同じことになります。力の源泉はじつはそんなところにあるのですよ。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。