Z会大学受験担当が解説!「大学入試改革」とは何か?
投稿日時:2023年4月28日
「大学入試改革」は何を目的とし、どんなことが実施されるのでしょうか。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)や、各大学の個別試験の改革について解説します。(「Z会の通信教育」大学受験担当・中村一貴)
改革の方向/「3要素」を軸に深く考察する出題が中心
「世の中の変化にあわせ、中学生や高校生にどのような学力を身につけてほしいか――。」
大学入試改革は、こうしたビジョン(展望)のもとで進められています。柱に掲げられているのが「学力の3要素」です。
- 基礎的な知識・技能
- 思考力・判断力・表現力
- 主体性をもって多様な人と協働して学ぶ態度
のことで、これらの観点から受験生を適切に評価しようと、共通テストが導入され、各大学が個別におこなう入試のあり方も見直されています。
共通テストの特徴とは
共通テストは2021年1月にはじめて実施されました。多くの資料から的確に情報を読み取る力や、資料の内容をそれまでの学習と結びつけて考える力が問われるなど、それまでおこなわれていた「大学入試センター試験」とは傾向が大きく異なります。
教科書で学習した知識や考え方をそのままのかたちで問うのではなく、問題文や資料と結びつけ、より深く考察するのが共通テストの特徴です。すぐ身につく力ではないので、比較的はやい時期から共通テストを意識した勉強に取り組むことをおすすめします。
個別試験における評価も多様化!
それぞれの大学が実施する個別試験の場合、大学が「こんな受験生に入学してほしい」という生徒像を明確にしたうえで選抜するという制度に。従来の一般入試は「一般選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」、AO(アドミッション・オフィス)入試が「総合型選抜」といった具合に入試の区分が整理されました。
基礎的な学力はもちろんですが、高校時代の活動歴や学びに対する意欲・関心の強さといった点も加味するなど、評価も多様化しています。
変わる共通テスト ~2025年から大幅再編~
現在の高2生が受ける共通テスト(2025年1月の予定)から、内容が大きく変わることもおぼえておきましょう。2022年から高校で新しい学習指導要領が全面的に施行され、その内容にそった共通テストになります。
教科や科目は現行の6教科30科目から7教科21科目へ。地理歴史と公民などの教科(科目)は大幅に再編され、情報化社会における問題点やプログラミングなどを学ぶ「情報Ⅰ」が必修科目になり、共通テストでも出題されることが決まりました。
国語は現行の試験時間より10分長い90分が試験時間となります。
数学は、数学①が「数学I、数学A」「数学I」、数学②が「数学II、数学B、数学C」と科目が変更になり、試験時間も10分長くなり、どちらも70分となります。
2022年11月には大学入試センターから「試作問題」が公表されています。どのような問題が想定されているのか確認しておくとよいでしょう。
Z会大学受験担当から中学生・高校生への学習アドバイス
まずは基礎固めを
これから数年間、共通テストをふくめて大学入試は変化がつづきそうです。対応するには土台となる基礎をかためたうえで、柔軟に対応できる応用力を高めましょう。
各大学の入試も変更されそうですが「自分の強みをいかす方法をさがす」という視点でとらえてほしいと思います。多様な入試を活用することで、志望大学に挑戦する機会を広げられます。
Z会の共通テスト対策講座
◆[専科]共通テスト攻略演習
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。
◆[Z会の映像]共通テスト対策映像授業(現大学受験生向け)
「授業」を中心に学習を進めたい方におすすめ。Z会精鋭講師陣による質の高い解説講義(映像授業)で、共通テストの攻略ポイントを学びます。
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