共通テスト学習相談室(2022年5月号)

投稿日時:2022年5月11日

今回は、4月に寄せられた質問を中心に紹介します。Z会の「東大・京大受験生応援LINE」に寄せられた質問の中から、共通テストに関するものをピックアップしました。入試のプロであるZ会の高校学習支援担当のアドバイスを、ぜひ参考にしてください!

 

マーク式模試が苦手。共通テスト対策で気を付けるべきポイントは?

受験生の悩み

自分の模試や、学校の実力テストの結果を考えると、私は記述の方がマーク模試よりも点数や偏差値が良い結果が出ます。私の持論として「記述ができる=マークもできる」だと思っていたのですが、なかなか上手くいきません。5月まではひとまず共通テスト対策を重点的にしたいと思っているのですが、その勉強の時に気をつけるべきポイントが有れば教えていただきたいです。【高3、京都大学(文系)志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当
現時点ではそれほど心配することはありません。
自分とは異なる思考過程で解答に行き着くものを読解し、理解することは思いのほか難しいです。現時点では共通テストの得点はあまり気にせず、時間を要する個別試験の対策をメインで行った方がよいでしょう。

学校で共通テスト対策ができるならそれを活用しましょう。そうでない場合には、模試を機会として、形式に慣れていけば大丈夫です。
個別試験で課されない理科基礎などは、週1日でよいので時間を取って進めておきたいところですが、その他の科目は秋以降に対策を強化すれば問題ないでしょう。

 

模試を全教科もれなく復習する余裕がありません…

受験生の悩み

全統共通テストの高2模試が返ってきたのですが、正直全教科復習する時間的余裕はありません。それでも全教科の復習に取り組むべきですか?点数の取れなかった科目に絞ってもよいでしょうか…?【高3、京都大学(文系)志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当
模試は復習をきっちりしてこそ受ける意味があります。全体の点数がよかった教科も含めて、得点できなかった問題は必ず復習をしましょう

模試を受ける意義は、分からないことを明らかにすることです。

得点できなかった問題は、「なぜ得点できなかったか」の理由を明確にしたうえで、該当範囲やその周辺の範囲の復習を必ず行いましょう。

 

英語の長文問題の攻略法とは…?

受験生の悩み

共通テストでは文法の問題がなくなり、対策はしなくてよいかなと思っていたのですが、長文読解を解く上で文法も大切であるということを知りました。ただ、限られた時間の中で文法に焦点を当てた勉強時間を確保するべきか迷っています。自分のレベルを知るために、過去のセンター試験の英文法の問題を解いたところ8割は安定して取れました。 長文問題を安定して得点できることが最終目標です。何か良い策はありますか?【高3、京都大学(理系)志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当
「文法に焦点を当てて勉強する」というのが何を指すのか次第ですが、日常的な文法問題集への取り組みを読解に生かすことは可能です。そのためには常に「問われている文法事項を含む英文を『訳せ』といわれたらどうするか」という意識で取り組むことが重要です。

例えば、「If it were (  ) rain, we would have to cancel the picnic.」の空欄を埋めよという文法問題の解答は「to」ですが、「If S were to V=未来の仮定を表す」を丸暗記するだけでなく、直説法の「If it rains, we will have to cancel the picnic.」に比べて仮定法には「実現可能性が低い」というニュアンスが含まれていることを学び取るようにしてください。そうすれば、読解問題で「If S were to V」が出てきたときに「筆者は未来について仮定していて、かつ、Vが起こる可能性は低いと考えている」ことを読み取ることできます。

学校の課題などで文法問題に取り組むときには「その文法事項を含む英文が出題されたとき、自分はスラスラ訳せるか?」と自問しながら取り組んでみてください。

 

共通テスト対策と個別試験対策のバランスは?

受験生の悩み

共通テスト向けの勉強と個別試験向けの勉強の割合はどう取れば良いですか。 特に国語、社会のような個別試験で使わない科目の割合が気になります。国語は苦手なのですが、どの程度取り組むべきでしょうか。【高3、大阪大学(医学部)志望】

Z会がお答えします!

学習支援担当
全体の進捗にもよるのですが、結果的には共通テスト:個別試験=1:9ぐらいのバランスになるかなと思います。
もちろん、個別試験の「9」の中にも、共通テストで問われるような「基礎の定着」などが含まれています。共通テストの「1」は、個別試験で使わない科目の対策や共通テスト形式を意識した演習などのことです。

共通テスト対策としては、国語の古文・漢文と、地歴公民対策を優先させましょう。知識があれば解ける問題を対策して地盤を固めていき、夏休みが終わるころには共通テスト形式の問題に少しずつ取り組めるよう学習計画を練ってみてください。

 

今月の受験対策アドバイス

5月に入ると共通テスト模試を受験する方が増えますので、共通テスト模試の成績の確認の仕方についてお伝えしておきます。

共通テスト模試は、本番の共通テスト、つまり各科目ともに平均点が50点程度になる難易度の試験として作られていますので、試験の難易度によって受験者の得点分布が大きく上下することは、ほとんどありません。そのため、相対評価である偏差値や判定を過剰に気にする必要はなく、絶対評価である得点と、自分の目標点との差を確認することが重要です。

そして、この時期に得点が伸びない原因のほとんどは、基礎学力の不足が原因です。個別試験対策と合わせて、基礎学力を充実させることに専念した方が、結果的に効率のよい勉強を行うことができます。共通テスト模試の結果だけを見て右往左往することがないように、4月号の記事でも述べた「失点の分析」を冷静に行い、自分に必要な対策を行うようにしてください。

(Z会高校学習支援担当 山邊圭祐)

 

Z会でできる大学受験対策

 

高3生向け
Z会の共通テスト対策講座

◆[専科]共通テスト攻略演習
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。


◆[Z会の映像]共通テスト対策映像授業
「授業」を中心に学習を進めたい方におすすめ。Z会精鋭講師陣による質の高い解説講義(映像授業)で、共通テストの攻略ポイントを学びます。

 

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