A Dress that Changes Color Based on Tweets!?

Twitterのつぶやきでドレスの色が変わる!?

2016年5月、ファッションをテーマにしたイベントが、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された。ここでひと際注目を集めたのは、「コグニティブドレス」だった。「コグニティブドレス」には、LEDライトを埋め込んだ花(複数形)が付いていて、このドレスを見た観客がTwitterでつぶやいた言葉をAIが分析し、色彩心理学に基づいて予め選んでおいた色をLEDライトで発光する仕組みである。

学生が自分のプログラミングで動くロボットと対話
-ソフトバンクロボティクスの小型二足歩行ロボットNAO- *3

このAIはIBM*1が開発したWatson*2だ。Watsonは、ファッションデザイナー(複数形)の「コグニティブドレス」の制作工程でも活躍した。デザイナーは自分達が持っている色の情報、例えば過去に制作したドレスの画像などをWatsonに学習させ、人の感情を表現するための色の提案を受けた。また、彼らは4万近い素材情報を持つWatsonからドレスの素材の提案も受けた。
こうしたAIによる人間へのサポートは様々な分野で広がっている。スポーツ界では、選手のプレー映像のAIによる分析結果により、リアルタイムで戦術が修正されることが実現している。また、AIの一種である将棋ソフトが、プロの間で評価が低かった戦法を提案し、それを使った棋士が勝ったことにより、将棋の戦法のトレンドが変化している。羽生善治や藤井聡太も将棋ソフトを活用している。
ファッションデザイナーもスポーツ選手も棋士も、AIの支援を受けながら、最終的には自分で意思決定をしている。皆AIを使いこなしているのだ。AIは人間が自分の能力を拡張する手段であり、歩行能力を自動車で拡張しているのと同じだ。彼らがAIを活用する理由は、そのデータ処理能力にある。このように膨大なデジタルデータの整理と分析により、人間の処理能力では認識が難しい傾向やパターンを知るのがデータサイエンスだ。
成城大学では、4年前から全ての学生向けにデータサイエンス科目群の授業を提供している。そのための専門機関としてデータサイエンス教育研究センターが設立された。データサイエンスと相性の良いAIを体感することも授業の一環で、Watsonも教材の一つとして活用されている。成城大学が教育を行う全ての分野でデータサイエンスのスキルが求められる時代だ。そのスキルは学生の就職にも役立っており、今後データサイエンティストの需要が高まるにつれ、その傾向は一層強まるだろう。

*1 International Business Machines Corporationの略称
*2 IBMが持つ様々なAI関連技術全体に付けられたブランド名
*3 ソフトバンクロボティクスのNAOを活用し、当社が独自に実施しています。

 

辻智特任教授(成城大学データサイエンス教育研究センター)

日本IBMの研究開発に従事し、IBMとの協定をベースにした成城大学のデータサイエンスの講座を、立ち上げ時から設計し運営してきた。文系の視点で科学を考えられる人材、科学的視点で文系の専門分野を考えられる人材の育成を目指している。

森由美学園長補佐(学校法人成城学園)

成城学園の幼稚園、初等学校、中学校、高校、大学までのプログラミング教育を担当。学園としての一貫したデータサイエンス教育の推進を担っている。元IBM社員。

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