新大学入試徹底解剖~東大生と考えるこれからの大学入試~_2018.6

新大学入試徹底解剖~東大生と考えるこれからの大学入試

2020年から始まる「大学入学共通テスト」と、それを待たずに変わり始めている各大学の個別試験。いったい何がどう変わるのか、東大生と考えるイベント「東大生と考えるこれからの大学入試」が、2018年3月11日と4月7日に、Z会東大個別指導教室プレアデスのプレアデス本郷教室で開催されました。2部構成で行われたイベントの様子をご紹介します。

 

 

◆新入試に対する東大の方針

第一部では、Z会東大個別指導教室プレアデスの東大生講師・神林祐輔さん(教養学部卒)より、大学入試改革の目的や大学入学共通テストの概要、個別試験改革の概要などについての解説が行われました。なかでも東大をめざす人が注目したい情報として挙げられたのは、英語の民間試験の活用に関する東大の方針と、東大の個別試験の今後の方向性です。神林講師による解説をご紹介します。

○英語の民間検定試験の活用に関する東大の方針

大学入学共通テストの英語では、大学入試センターが認定した複数の民間検定試験を用いて「読む・聞く・書く・話す」の4技能が評価されます。具体的には、受験生が受験年度の4〜12月の期間に対象となる民間検定試験を受け、その結果を出願先の大学に提出することで合否判定の材料とされます(民間検定試験を合否判定に活用するかどうかは大学の判断に委ねられる)。

どの民間検定試験の結果を活用するかは、受験生自身が対象となる民間検定試験から上限2回まで選ぶことができ、活用する民間検定試験出願時に、大学入試センターへの成績を送付することを検定試験の実施団体に依頼し、検定試験の結果と、結果をCEFR(※1)に置き換えた評価が大学入試センターから出願した大学に送付されます。

なお、2020年〜2023年の期間は、大学入試センターが実施する「読む・聞く」の2技能を測る英語試験と民間検定試験が並存し、いずれか、または双方を活用するかは大学の判断に委ねられます。そして、2024年以降は、民間検定試験のみが活用されることになっています。

この方針に対して、東大は2018年3月時点では、民間検定試験を「合否判定に使わない可能性が極めて高い」という見解を示す一方、結果の提出は求め、入学後の教育に活用していく考えも明らかにしています(※2)。一方、国立大学協会は民間検定試験の結果を活用するとしているため、今後、東大がどのように対応するのかは引き続き注視する必要があります。

※1 「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」の略称。「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠」と訳される。ヨーロッパにおける外国語の活用能力を評価するための指標として策定され、現在はヨーロッパ域外でも国際的な指標として認知されている。評価指標は6段階に分かれている。

※2 その後、2018年4月27日に東京大学は「学内にワーキング・グループを設置し、英語認定試験については国立大学協会のガイドラインに従い、認定試験結果の平成32年度以降の大学入学共通テストにおける具体的な活用方策について検討する」と発表。事実上、民間検定試験を活用する方針に転換した。

 

○東大の個別試験の今後の方向性

個別試験については、文部科学省の入試制度改革方針を受けて国立大学協会が決定した基本方針「個別試験で論理的思考力・判断力・表現力を評価する高度な記述式試験を課す」などは、すでに東大入試では実践されており、これまでと大きく変えることは考えていない、との見解が示されています。

ただ、東大は、2015年より新たに推薦入試を導入しました。その理由を、学部学生の多様性の促進や、高校在学中に特定の領域に没頭して卓越した実績を上げている生徒を掘り起こすためと説明しています。

この動きを見ると、従来の個別試験に加えて、今後、面接やディスカッション形式の試験が追加される可能性や、高校時代の活動が評価対象になる可能性がないとは言い切れません。今後の動向に注目したいところです。

 

 

◆新入試型の問題を体験

続く第二部は、新入試型の入試問題を体験するワークに参加者が挑戦。2017年度の防衛大学校の小論文の問題をグループごとに議論しながら解きました。交通事故の発生数などに関する図・表を元に、(1)この図・表を見ていない人にもわかるように説明する、(2)今後交通事故による被害者を低減するために必要なことについての考えを述べる、という問題です。

具体的には、以下の手順で個人ワークとグループワークを行いました。

  1. グループ内で自己紹介
  2. 個人ワーク
    図・表から読み取れることを書き出す。
  3. グループディスカッション
    「『今後交通事故の被害者を低減するために必要なこと』のアイデアを出すために必要な情報を共有し合う」ということを念頭に置き、図・表から読み取れることを、図・表を見ていない人でもわかりやすいようにグループのメンバーに説明する。
  4. 個人ワーク
    グループディスカッションを通して得た情報をもとに、「今後交通事故による被害者を低減するために必要なこと」について自分の提案をまとめる。
  5. グループディスカッション
    一人ずつの提案内容を発表した上で、グループとして1つの案を出す。
  6. グループごとに案を発表
  7. まとめ
    ディスカッションや発表を振り返り、あらためて、自分ならどのような提案をするか、A4の添削シートに清書する。
  8. 指導
    講師による添削・採点と、各ワーク・ディスカッションで留意すべきだった点の解説、各グループに対する講評を行う。

発表では、年齢別の交通事故死者数のデータなどをもとに、公園の周辺のガードレールを充実させる、運転者がより広く視野を確保できるよう自動車の構造を工夫する、といった案が出されました。

進行を担当したZ会東大個別指導教室プレアデス・東大生講師の須田隆太朗さん(理科一類)は、第二部のねらいについて、次のように話してくださいました。
「新入試型の問題に他者と議論・協力しながら取り組むことで、大学入学共通テストやこれからの各大学の個別試験で測られる『主体性・多様性・協調性』や『思考力・判断力・表現力』がどのような力なのか、また、どうすればその力を磨くことができるのかを体感していただくことが第二部のねらいでした。参加者のみなさんは、同年代の生徒や東大生講師とともに議論することで、主体性や協調性を発揮するとはどういうことか、また、自分の解答についてプレアデスの東大生講師の添削を受けたことで、これからの入試に必要な思考力や判断力を実感していただけたのではないかと思います。」

そして最後に、中高生に向けてメッセージをくださいました。
「『主体性・多様性・協調性』『思考力・判断力・表現力』は、机上の勉強だけで身につくものではなく、他者との対話を通じて身につくものだとZ会東大個別指導教室プレアデスは考えています。新入試で重視されている主体性などは、入試に限らず、これからの人生を切り拓くために必要なもの。また、そもそも、勉強は試験のためにするものではなく、自らの人生を切り拓くためにするものですから、ぜひ日ごろから主体的に考え、行動することを意識してほしいですね。」

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