総合教材テーマのご紹介「働くことの今と未来」

総合教材テーマのご紹介「働くことの今と未来」

Z会の中学生向け中高一貫コース「総合」講座は、答えがひとつではない問いに自分なりの答えを見つけ、それを他の人と深め合いながら解決できるようになることを目指した講座です。
今回ご紹介する教材テーマは「働くことの今と未来」です。
AI(人工知能)によって、人間の仕事がなくなる。皆さんもこんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか?プロの棋士や囲碁のチャンピオンに勝利するなど、発展著しいAIですが、果たして人間の仕事を奪う「敵」なのでしょうか?
今回のテーマでは、私たちがなぜ働くのか、どのように働くのかから、働く上でAIとどのように向き合うべきなのかまで、働くということを幅広く考えてもらいました。絶対的な答えのない問に対して、会員の皆さんがどのように考えてくれたのかを、ご紹介します。

※掲載の都合により、表現を一部省略・変更させていただいた箇所があります。

 

 

◆中2 社会分野 働くことの今と未来

◎出題のねらい◎
日本国民の三大義務の一つに「勤労」、つまり「働くこと」があります。皆さんも将来、社会に出て仕事に就くことになると思いますが、「働く」とはどういうことなのでしょうか。今回のワークでは、何のために、どのように働くのか、また、働くことを通じて何を得るのか、といったさまざまな角度から「働くこと」を分析します。
添削問題では、「未来の労働」として、近年話題になっている「AI(人工知能)」との関係も含めて考えます。AIが発達する中で人々の労働がどのように変化しうるのか、考えてほしいと思います。

◎問題◎

今後、人工知能やロボットによって代替可能な仕事が増えていく中で、人工知能やロボットと人間はどのように協調して仕事をしていけばよいか、具体的な仕事(職業または分野)を1つ取り上げ、あなたの考えを300字以内で述べなさい。

 

◎答案例1◎
人工知能やロボットと人間は互いの得意分野を協調して仕事をしていけばよいと思う。なぜなら、人工知能やロボットは同じようなことを繰り返し行うことができる能力があり、また人は相手とのコミュニケーションがとれる能力を発揮できるからだ。たとえば音楽療法士がそれに当たる。なぜなら音楽療法士は音楽を使って精神的・身体的な病気を抱えている人を回復に導き、助けていく仕事である。音楽は音を出すためにAIやロボットに譜面を覚えさせて、また人間は病気の人とコミュニケーションをとる。つまり、AIやロボットが楽器を弾き、人間が歌ったりすることで仕事をしていけるからだ。だから、AIとロボットと人間は互いの分野を協調すべきだ。

◎答案例2◎
人工知能やロボットが得意な分野はそれらが、人間が得意な分野は人間が担当する、というように分けたらいいと思う。たとえば洋服屋では、裏の荷物や品物の残り個数などの管理、レジでの会計など、数字が絡んでくる機械的なことは人工知能やロボットが担当し、年代別、季節別、「どこへ行くときに着たい」など、客の要望などに合わせておすすめのものを紹介すると言うような創造的なことは人間が担当するということだ。そうすることで、人々の働きすぎは減り、失敗してはいけないような売り上げ管理のようなことを人間がしなくても済むので、働く人々が仕事と余暇をともに満喫することができるのではないかと考えた。

◎答案例3◎
私は人工知能やロボットと人間で役割を分担して仕事を進めていくべきだと思う。たとえば介護業界では少子高齢化が進む今、人手不足が深刻化している。ここで役割分担をすると考えるとまず人工知能やロボットは効率的な方法を考えるのが得意である。そこでデイサービスの送迎の最短ルートを考えたり介護施設内でのお金の管理をしたりすることができる。高齢者の話相手になったりそのご家族とともにケアプランをたてることもできるだろう。このようにお互いの長所を活かし合いながら、日本の人手不足の解消などが実現されていければいい。敵視し合っては結局人の仕事がなくなりかねない。

◎講評◎
ポイントは、ただ単に人間がやるのは大変な仕事を人工知能やロボットに押し付けるのではなく、互いの長所を補い合って仕事をすることで、新しい価値を見出そう、という方向で考えることです。高い評価を受けていた人は、概ねこの方向で考えられていました。人工知能やロボットを道具として考えるのではなく、一緒に仕事を進めるパートナーとして考えることが、これからの社会を考える上で大事なのかもしれないですね。
医者をはじめとする医療の仕事を取り上げた答案が一番多かったですが、答案例1では「音楽療法士」という、日本では少し珍しい仕事を取り上げて考えてくれました。人間と人工知能の協働のあり方を冒頭で丁寧にまとめてくれた分、少し掘り下げが浅くなってしまったのかもしれませんが、たとえば「過去の症例からその患者に最適だと思う音楽を選定してもらい、人間は患者とのコミュニケーションを通じてその中から最適な方法を決めることで、患者の回復をより効果的なものにできる」という形で、より職業について具体的に考察できるとなおよかったと思われます。
答案例2で取り上げてくれた「洋服屋」の仕事は、日常生活の中で得た情報をうまく論述に生かせていますね。後半で「人の働きすぎ」という論点を出してくれているのが興味深いです。いま「働き方改革」という言葉をよく耳にしますが、人工知能が普及することで、働き方がどう変わるのかは、これからも注視したいところですね。
答案例3の答案では、「介護」の仕事をもとに丁寧に分析をしてくれ、「人手不足の解消」というところまで言及できているところがよいですね。最後にある「敵視し合っては結局人の仕事がなくなりかねない」という提言ははっとさせられるところがありました。人工知能の研究や開発は世界中で進められています。つまらない偏見からその活用をためらっていると、結局後手にまわって世の中の流れに乗り遅れる、というのは、この問題に限らず往々にしてあるので、注意しておきたいところですね。

このように、「総合」講座では身近ではあるけれど、今まで深く考えたことがなかったであろう問題に正面から向き合い、徹底的に考え、答案にまとめます。このプロセスを毎月くり返すことで『思考力』『判断力』『表現力』が伸び、自らの考えを深め表現する力を養います。
ぜひ、「総合」講座で考える力を培ってください。

 

▼「総合」講座、開講中!(中高一貫校に通う方でなくてもご受講いただけます。)

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