総合教材テーマのご紹介「エネルギーの未来を考える」

Z会の中学生向け中高一貫コース「総合」講座は、答えがひとつではない問いに自分なりの答えを見つけ、それを他の人と深め合いながら解決できるようになることを目指した講座です。

今回ご紹介する教材テーマは「エネルギーの未来を考える」です。
私たちの暮らしを支えるエネルギーには、電力、ガス、ガソリンなどさまざまなものがありますが、今回は電力をつくる、つまり「発電」のためのエネルギーについて取り上げます。
火力、水力、原子力など、いろいろな発電方法がありますが、それぞれにメリット、デメリットがあります。各発電方法の長所や短所を理解したうえで、組み合わせを考えていくことが大切ですね。

 

 

中1社会分野 「エネルギーの未来を考える」

◎出題のねらい◎
普段当たり前のように使用している電力などのエネルギー。このエネルギーは何をもとにして作られているのでしょうか。そしてその「もと」は誰が、どのようにして決めているのでしょうか。エネルギーの使用構成については、国によって特徴があり、近年大きく変わりつつあります。また近年、「エネルギーミックス」という言葉をよく耳にしますが、ただ単にエネルギー源を都合よく組み合わせればよいというものではありません。課題では、会員の皆さんにエネルギーの特徴、安全性、エネルギー源など資源の産出、国ごとの方針・・・などなど、さまざまな視点から将来のエネルギーについて考えてもらいました。

◎問題◎

政府が決定した2030年時点の電源構成目標のグラフを受け、あなたが政策の決定者である場合、2030年時点でどのような電源構成とすることを目標にしますか。そのような目標を設定する理由、目標を実現するためにとるべき政策や方針にも触れながら、400字以内であなたの考えを述べなさい。

◎答案例1◎
私が政策の決定者である場合、政府が決めた2030年時点の電気構成目標を基準としたときに、原子力の割合をもっと低くして、再生可能エネルギーの割合を高めて穴を埋めたい。(中略)その分を、資源を大事にできる再生可能エネルギーを使う。具体的には、日本には夏と冬に季節風が吹く。この季節風を利用して、太平洋側と日本海側に風車を設置すれば良いと思う。また、私の学校でも行っているが、南向きの学校は、校舎の屋根に太陽光パネルを設置するように決めるのはどうだろうか。再生可能エネルギーは、コストはかかるが将来性がある。コストの安いその場しのぎのものを利用するのではなく、何十年後を見すえて、再生可能エネルギーの割合を高めたい。

 

◎答案例2◎
私が政策の決定者だったら、再生可能エネルギー5割、天然ガス3割、石炭2割、石油1割ほどと配分し、原子力は入れません。(中略)そのためには、太陽光を増やすのが必要です。そのために国がお金をえん助して(負担)屋根に太陽光パネルをつけ、少しでも自給自足できるようにしたり、火力発電の場所をへらして、その跡地に太陽光パネルを設置したりするといいと思います。お金はかかりますが、そういうものに消費税のお金を使ってやりくりしたほうがいいと思います。(以下略)

 

◎答案例3◎
私は政府の2030年時点の電源構成目標に賛成です。なぜなら、2014年には再生可能エネルギーは12.2%で2030年の目標はその倍に増やし、液化天然ガスを20%ぐらい減らしているからです。原子力も増やすことで、資源に限りがある石炭や石油、液化天然ガスの消費量を減らし、化石燃料によらない電気が使えます。化石燃料の輸入量も減らせるので、二酸化炭素の排出を抑え、化石燃料の枯渇を防ぐこともできます。この目標を実現するには、初めに小型原子力発電所を例えば無人島である小笠原諸島の南島(ウィキペディア参照)に建設します。事故が起きても、無人島に建設すれば、人に関係する事故は少なくて済みます。そして、その電気を使用してソーラーパネルを大量生産し、日本の家庭に無償で提供する代わり、家庭で発電された電気を無償で電気会社に提供することにします。そうすれば、再生可能エネルギーの割合をさらに増やせます。

 

 

◎講評◎
答案では、環境への配慮から、全体的に「再生エネルギーを積極的に採り入れるべきだ」とする解答が多く見られました。今回は、そのなかでも「目標を実現するためにとるべきこと」について、工夫が見られた答案を紹介したいと思います。
今回は、ソーラーパネルの設置を提案する答案が多く見られましたが、答案例1は、自分の身の回りの例を取り上げて説明し、提案の実現に説得力を持たせていました。
また、答案例2の提案は、新しい発電方法をどのように広めたらよいか、ということについても考えられた提案でした。広く社会全体に目を向けて検討されていて、様々な角度からエネルギーへの意識を高める方法を考えてくれている様子が伺えました。
なお、太陽光以外の再生可能エネルギーとして、地熱発電に着目してみるのもよいですね。地熱発電は、環境への影響やエネルギー効率の低さなどの問題があり、現在の発電割合は低いものの、日本の自然的特性を活かした発電であり、新しい仕組みや技術開発によって今後上手に取り入れたいエネルギーの1つでです。
答案例3の答案は、グラフをしっかり読み取り、また政府の方針についてもよく分析できていました。提示されている資料についても触れることで、自分の考えがより明確化されますね。問題をよく読み、提示された資料を十分に活用することがポイントです。
答案の感想欄では、「難しかった」「将来の電源構成なんて考えたことがなかった」などの感想が見られました。今回皆さんが考えてくれた提案が実現し、よりよい社会となるよう、幅広い知識と経験を積んでいってほしいと思います。

 

このように、「総合」講座では、身近ではあるけれど、今まで深く考えたことがなかったであろう問題に正面から向き合い、徹底的に考え、答案にまとめます。このプロセスを毎月くり返すことで『思考力』『判断力』『表現力』が伸び、自らの考えを深め表現する力を養います。
ぜひ、「総合」講座で考える力を培ってください。

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