キャンパスレポーターに聞く 学び・大学生活の極意(大学での学びを知る)

Z会OB・OGの大学生による「キャンパスレポーター」が、自身の中高時代を振り返りながら、中高生の学びに役立つ、とっておきの極意をお伝えするコーナーです。
大学での学びを知る

中高生のみなさんにとって、未知の世界である大学の授業。そこで今回は、キャンパスレポーターの先輩たちが、中学や高校の授業とは異なる大学の講義の様子や、実際に履修している講義や実習について紹介します!

天竜川の佐久間ダムです。自然の中に佇む圧倒的な存在感でした。

視野が広がる東大の教養過程

東京大・文科一類

東大に入学してから最初の2年間は、駒場キャンパスでの教養過程で、自分がこれから専門にしようと考えている分野以外の授業を履修することができます。ここで、入学時には知らなかった学問分野と出会うことができ、視野が広くなったと思います。
今までの教養過程の授業の中で最も印象に残っているのは、農学部の先生が開講していた、ダムと自然環境の関係について考える授業です。長期休み中に履修できるフィールドワーク系のゼミで、天竜川のダムを見学したり、漁協の方のお話を伺ったり、研究所の小型ダムに溜まった土砂の排出作業をしたりしました。大学の研究所の宿泊施設に泊まり、ダムについて先生と学生でざっくばらんに話し合った夜も思い出深いです。文系の僕にとって、理系の研究所に入れる機会は貴重でした。
2年 葵のまち

前期の実験で使用したテキストです。

知的好奇心が刺激される実験の授業

東京大・工学部

東大の工学部は、どの学科でも、実験や実習がカリキュラムに組み込まれています。私が所属している電気電子工学科は、電子情報工学科と合同で、3年生の通年、平日の午後に週3回の実験を行っています。
前期の実験には、基礎的な計測手法を学ぶものや、講義で学習した理論を実証するようなものがあります。基本的には電気電子系の実験が多いですが、情報系の実験として、コンピュータ電話を制作するという回もありました。実験班は学科をまたいで構成されているため、自分とは学びのテーマに関する興味が異なる人たちと交流する、絶好の機会です。
後期は25個程度の実験の中から、所属学科に関わらず各自で希望の実験を選択できるしくみになっていて、自分の興味に沿って専門的な内容を学べるようになっており、知的好奇心がおおいに刺激されます。
3年 ブーブ

大学でさらに広がる「物理学」

東京大・理学部

私は物理学を専攻しています。物理と聞くと、公式が覚えられないとか、難解そうで嫌~な印象をおもちの方も多いかもしれません。ですが、大学での物理学は、高校までの物理とは一線を画しています。大学の物理学では「公式を適用して問題を解く」ということよりも、「自然に隠された物理法則を数学を駆使して導き出す」ということに主眼が置かれています。ですから、高校の物理とは違って自由度が格段に高く、そしてとても刺激的でエキサイティングです!
では、物理学にはどのようなものがあるのかというと、ミクロの世界の究極の構成要素や、法則を探究する場の量子論・素粒子物理学、宇宙や重力について研究する一般相対性理論といった、ロマンにあふれる世界が広がっています。
3年 ほんのり

私が三回生前期のゼミ発表の際に、参考にした文献です。

興味のあるテーマを研究できる「ゼミ」

京都大・文学部

大学には、比較的少人数で研究活動を行う、「ゼミ」と呼ばれる授業が存在することをご存知でしょうか。私が所属している専修では、1週間に一度、授業2コマ分を使ってゼミが実施されます。同じ専修に所属する学部生、修士課程の学生が、自分の研究について発表をする授業です。私が参加しているゼミは、研究発表、質疑応答、教授からのコメントといった流れで行われ、自分では気づけなかった視点での指摘や、先行研究(自分の研究よりも先んじて発表された研究)について紹介していただける貴重な機会です。
高校までの勉強は「答えが決まっている」ものが多かったように感じますが、大学での研究は、自分が興味をもったテーマについて、突き詰めて考えていきます。自分の力で考え知識を深めていくことは、つらくもありますが、ゼミで研究の方向性のヒントをもらいつつ、興味のあるテーマをとことん研究できるのは、幸せなことだと思います。
3年 風早岬

授業で学んでいる、くずし字。これは宇治拾遺物語です。

権威の授業が聴ける京大

京都大・総合人間学部

京大では、一般教養科目の「生物学のフロンティア」というリレー講義(毎回、授業を担当する教授が変わる授業)がたいへん人気です。iPS細胞で有名な山中伸弥教授や山極寿一総長など、生物学において最先端の研究をされている教授の話が聴けるとあって、あらゆる学部から学生が集中するので、抽選という名の激戦を勝ち抜くのが大変ですが、毎回とても楽しいです。また、なにげなく受けている普段の授業でも、その分野の権威とも言われる教授が担当されているということが、文理問わず多々あるので、とてもわくわくします!偉大な教授が多くいらっしゃる京大ならではのことかもしれません。
中高生のころは、どうしてもまんべんなく勉強することが求められる環境ですが、大学に入ると自分のやりたい分野をとことん突き詰めることができるので、忘れかけていた知的好奇心をこれでもかと刺激されますよ。
3年 N.

江戸東京博物館に展示されていた、山車。一番上の大きな人形が気になりました。

疑問を見つけて、答えに近づく

お茶の水女子大・生活科学部

私は、生活文化(具体的には服飾文化や民俗学など)を学んでいます。授業を受けるだけでなく、展覧会や博物館に赴いたり、休みの日には頻繁に旅行に行っています。そうした日々の中で、「なぜこうなるんだろう?」とか「これにはどういう背景があるんだろう?」といった疑問が浮かんできます。このように不思議に思ったことを調べて、答えに近づいていくのが、大学での学びです。高校での学びは知識を増やすことであるのに対して、大学での学びは、自分の疑問への答えを見つけることです。高校までは、解き方や法則を理解することが主なので、最初は大学の授業に慣れるのが大変ですが、そのうちに日常のあらゆることに疑問を抱き、答えを見つけることが楽しくなるはずです。
3年 moonlight

私が作った作品です。

建築学科の醍醐味、設計演習

神戸大・工学部

私は建築学科に所属しています。建築学科ならではの授業といえば、「設計」の授業ではないでしょうか。「駅周辺に建つ小事務所」や「地域の図書館」というように課題のテーマが毎回提示され、おのおのテーマを決めて設計案を練っていきます。学内の教授だけではなく、外部から来られた先生方にもアドバイスしていただけるので、さまざまな知見が得られます。ただ、提出物が多く手間もかかるので、もともと設定されている時間内では完成させることができません。よって空きコマや昼休み、放課後を使って取り組みます。学校に泊まり込む人もいます。そして提出後、優秀な作品に選ばれると教授の前でプレゼンをすることになります。プレゼンをする側も聞く側も、人への伝え方という点で、とてもよい勉強になります。
3年 明けの明星

私が授業で使っているテキストです。左から、東京大学工学教程『基礎系 数学 線形代数 I』 東京大学工学教程編纂委員会 編・室田一雄 著・杉原正顯 著・丸善出版 /『発電工学(改訂版)』 吉川榮和、垣本直人、八尾健 著・電気学会/『基礎からの交流理論』 小郷寛(千葉大学) 原著・小亀英己(大阪府立大学)、石亀篤司(大阪府立大学) 著・電気学会

本格的な学びだからこそ興味の合った進路選択を

大阪府立大・工学域

多くの大学では、1年生のときは専門に偏らない幅広い学びをし、2年生以降に、専攻科目の本格的な勉強をし始めます。専攻科目の授業となると、やはり高校までの勉強と比べて難しく、興味がなければついていくのがやっとです。そのため、進路選択の際に、自分の興味に合った学部や学科を選ぶことはとても大切です。
大学でも、授業によっては中間テストや期末テストのようなテストが実施されますが、テスト前には、先輩方から過去に出題された問題を手に入れ、出題のスタイルを研究してテストに役立てています。過去問があるかないかで、かなり成績が変動するため、みなさんも大学生になったときには、横(同学年)のつながりはもちろん、縦(先輩後輩)のつながりも積極的につくるよう意識しておくことをおすすめします。
3年 コンペ

ちなみに去年は長唄三味線をしました。

机上の勉強と実習を行き来しながら学ぶ

東京藝術大・音楽学部

よく言われるように、大学の学びの特徴は「自分で学ぶこと」です。とくに、芸術系である私の大学は、その感が強いかもしれません。私の場合、アート企画のプロデュースを、机上の勉強と実習を行き来しながら学んでいます。実は入学当初、実習に何の意味があるのかあまりピンときませんでした。机上でいわれる理論とのずれがあまりに大きかったからです。でも、大学という最先端の場で研究を深めるには、その齟齬(そご)から疑問をもつことが大切なのだと、今では感じています。
また、私が毎回とても楽しく取り組んでいる授業に、楽器の授業があります。学校に楽器を借りて習うことができるため、初心者でも取り組め、私はバイオリンを習っています。自分の専門分野につながる授業から、興味のある分野まで幅広く選択して受講できるのも、大学の魅力です。
3年 ゆらりん

英語インテンシブコースでディスカッションをするために、私が準備したメモです。このまま読み上げず、伝えやすい英語に変換します。

「自己流」育てる、のびのび授業

慶應義塾大・法学部

私は「英語インテンシブコース」というものを選択しました。このコースは慶應の法学部特有のもので、外国語学部ではないにも関わらず、英語に週4回触れることができます。このコースは帰国子女ではない人を募集しており、海外経験がない私は、ここでのびのび英語力を伸ばすことができています。
このコースで学んだことで、高校で学ぶ英語はどうしても受験対策がメインになってしまっていたことがわかりました。大学はその後に受験がないので、より自由な形で英語力を伸ばせます。英語インテンシブコースの授業では、とにかくよくしゃべるため、自然と使いやすい言い回しが身について話しやすくなり、英語力に自信がつきました。そのかいがあって、アルバイト先で外国の方と接するときに、ためらうことなく英語を話せています。所属は法学部ですが、今が一番、英語を楽しんでいます!
2年 まあるいさといも

ワークによっては、机や椅子(いす)を出すことも。

絨毯(じゅうたん)の部屋で行う授業

南山大・人文学部

私が所属する心理人間学科は体験型の授業が豊富なことが特徴で、それを行う、靴を脱いで入る絨毯の教室があります。その教室では、グループや個人でさまざまな課題に取り組みます。グループでは、初対面の人同士でゲーム性のある課題をこなし、メンバーがどのようにグループに働きかけているのかを検討します。個人では、自分の五感に目を向けるワークが多いです。そのためにヨガを行ったり、いつもなにげなく食べているレーズンを一粒3分かけて食べたりします。なかでも評判がよかったのは、マインドフルネスに関するワークで、集中力を高めるだけでなく、美容や健康にも効果があるとのことでした。なにか知識を得るだけでなく、日常生活にも生かすことができる授業です。
2年 ぼっこ