キャンパスレポーターに聞く 学び・大学生活の極意(中高生におすすめしたい一冊)

Z会OB・OGの大学生による「キャンパスレポーター」が、自身の中高時代を振り返りながら、中高生の学びに役立つ、とっておきの極意をお伝えするコーナーです。
中高生におすすめしたい一冊

Z会OB・OGのキャンパスレポーターが、これまで読んだなかで最も感動した本や、受験のときに感化された本など、「ぜひ中高生に読んでほしい!」と思う一冊を紹介します。このなかに、あなたの琴線にふれる本はありますか?

▲『夜のピクニック』/恩田陸 著/新潮社刊

中高生の今、読んでほしい本

早稲田大・教育学部

私が中高生のみなさんにおすすめする本は、『夜のピクニック』(恩田陸 著/新潮社刊)です。なぜならば、この本は「今」しかできないことがあると気づかせてくれるからです。私はこの本を大学2年生のときに初めて読みましたが、大学生の今しかできないことがあると気がつくと同時に、もし中高生のときに読んでいれば、もっと学生生活を謳歌(おうか)できたかもしれないと、残念に思いました。中高生のみなさん、勉強の合間に、ぜひこの本を読んでみてください。ひょっとすると、みなさんの世界が変わるきっかけになるかもしれませんよ。
4年 ゆき

▲『階段途中のビッグ・ノイズ』/越谷オサム 著/幻冬舎文庫

ロックンロールで青春を!

千葉大・工学部

私は、おすすめの本を紹介する機会があると、必ずと言ってよいほど紹介する本があります。それは、『階段途中のビッグ・ノイズ』(越谷オサム 著/幻冬舎文庫)です。舞台は、部員が起こした問題行動のために廃部寸前に追い込まれた、とある高校の軽音楽部。主人公の啓太が、ほかの部員や友人とともに、文化祭での演奏を目指して奮闘する物語です。この本の登場人物はクセの強い人たちが多く、とくに私は、ロック魂あふれる言動が特徴的な、ベース担当の伸太郎が好きです。そして、この本におけるイチオシポイントは、登場人物が歌う洋楽の歌詞が“ひらがな”で書かれているところです。ロック・友情・恋愛…。。みなさんもこの本で「青春」を疑似体験しませんか?
4年 レレレの大学生

▲『アルケミスト 夢を旅した少年』/パウロ・コエーリョ 著 山川紘矢+山川亜希子=訳/株式会社KADOKAWA

夢を生きることの大切さ

大阪大・外国語学部

「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」。これは、『アルケミスト 夢を旅した少年』(パウロ・コエーリョ 著 山川紘矢+山川亜希子 訳/株式会社KADOKAWA)の中で、老人が主人公である少年サンチャゴに言った言葉です。羊飼いだった少年は、夢を追い求めて旅に出ます。そしてその途上でさまざまな人に出会い、人生の知恵を学びます。「幸福の秘密」とは? 「夢の実現を不可能にするたった一つのもの」とは? 「世界最大のうそ」とは? そして、「何かを全力で望めば、必ずかなう」。このようなメッセージが物語の中に織り込まれており、夢を信じて努力しているすべての人に、勇気と力を与えてくれます。
4年 たまごーん

▲『キッチン』/吉本ばなな 著/角川文庫

「まだ、がんばれる」と思えた本

大阪大・医学部保健学科

『キッチン』(吉本ばなな 著/角川文庫)。高校生のときに読み、日常のなにげない小さな幸せに気づかされ、今も読み返すたびに不思議な世界に引き込まれる本。人はずっと悲しんでいられないから、泣いたりするうちに自然と立ち直っていける。嫌で逃げたくても、そのことにとらわれずに全体から何かを見いだして楽しもうとする。生きていれば、いろんなことがあって、何度も悲しみの底まで沈み込み、何度も苦しみ、何度でも底から戻ってこられる。だから、どんなことがあっても負けたり、目標をあきらめたり、一生懸命やっていることに手を抜いたりしたくない。この本は、そう思わせてくれます。自分のやりたいことが、思い描いたようにうまくいかなかったとき、前を向くエネルギーをじんわりと与えてくれる本です。
4年 ゆりりん

▲『Ex-formation』/原研哉 著/平凡社

既知を未知に

早稲田大・教育学部

私がみなさんにおすすめしたい本は『Ex-formation』(原研哉 著/平凡社)です。武蔵野美術大学の教授である原先生と、ゼミの学生の方々の作品がまとまっている、とても分厚い本です。この本の帯に書かれていた「僕らは理解から逃れなくてはならない」という言葉に強くひきつけられました。「既に知っていると思っていたものを『未知なるもの』と提示できれば人々の興味や好奇心を目覚めさせることができる」という前書きにあるように、この本では、あたりまえだと思っていた世界をさまざまな視点から見事に捉え、つくり変えられた作品が紹介されています。すべてが新鮮でわくわく感が止まらず、日常を見る目が変わりました。いつまでも、何事にも新鮮さをもって接することが大事だと気づけた一冊でした。
4年 あーさ

▲『風に立つライオン』/さだまさし 著/幻冬舎文庫

将来を考えるきっかけに

自治医科大・医学部

私は小さいころから本を読むのが好きでした。受験生時代にも、息抜きとしてしょっちゅう小説を読んでいました。受験生時代に読んだ本の中で、とくに印象に残っているのは、『風に立つライオン』(さだまさし 著/幻冬舎文庫)です。この小説は、さださんの同名の楽曲をもとにして書かれています。この小説では、ケニアで医療ボランティアとして働く青年の奮闘ぶりと、現地の少年との交流が描かれています。私にとってはへき地医療がどのようなものかを知り、医師として必要な心構えとは何かを考えるきっかけになりました。医学部志望の方もそうでない方も、この本を読んで、これから重要になってくる「医療」というものを少しでも考えてもらえたらと思います。
4年 こっこ

▲『日の名残り』/カズオ・イシグロ 著 土屋政雄 訳/ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロさんの代表作

東京大・文学部

私がおすすめする本は、2017年にノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロさんの代表作『日の名残り』(カズオ・イシグロ 著 土屋政雄 訳/ハヤカワepi文庫)です。イシグロさんは長崎で生まれ、イギリスに移住し、英語で小説を書いていますが、この作品は初めて日本ではなくイギリスを舞台にした長編です。第二次世界大戦後、「大英帝国」がその栄光を失ったなかで、執事スティーブンスは新しい主人を屋敷に迎えます。彼はかつての同僚ミス・ケントンに会う旅の道中で、自分の人生は正しかったのかを見つめ直していきます。イギリスと老いた自らを、日の名残り、夕焼けに重ね、喪失感を抱えながら前向きに踏み出そうとするクライマックスには心打たれます。名優アンソニー・ホプキンスが主演した映画版もおすすめです。また、これを機に英語の原文に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
4年 ろっひー

▲『ローマ帝国衰亡史』(全10冊)/エドワード・ギボン 著 中野好夫 翻訳/ちくま学芸文庫

本当にしたい勉強は何かを教えてくれた本

大阪大・外国語学部

私は中高時代、ローマ時代に興味をもったことがきっかけで世界史が好きになり、学校で習ったことより多くのことを知りたいと思い、『ローマ帝国衰亡史』(全10冊)(エドワード・ギボン 著 中野好夫 訳/ちくま学芸文庫)を読みました。そして、この本でさらに知的好奇心を刺激された結果、今も大学で世界史を勉強しています。中高生のみなさんも、学校で勉強をしている教科・分野のなかで、興味をもった箇所があると思います。とくに受験期は効率重視で、入試の範囲外の勉強は無視してしまいがちですが、そういうときこそ、「自分はどんな教科・分野に興味があるのか」を問いかけ、やりたい学問にふれる時間をつくってみるといいかもしれません。
4年 yujin

▲『そうだったのか! 現代史』/池上彰 著/集英社文庫

手軽に詳しく現代史を学べる本

東京大・法学部

『そうだったのか! 現代史』(池上彰 著/集英社文庫)は、テレビ番組でおなじみの池上彰先生が、戦後におきた重要な出来事をわかりやすく解説した本です。現代史は入試でも出題されますが、学校の授業では受験直前期まで扱わなかったり、教科書も限られたページに膨大な情報量が詰め込まれていたりして、対策が難しい科目ですよね。この本では、教科書に出てくる人物の人柄や、ちょっとしたエピソードなども紹介されていて、手軽に詳しく現代史を学ぶことができます。また、現代史の問題演習を積みたい人には、『攻略世界史 近・現代史 整理と入試実戦』(荒巻豊志 著/Z会)がおすすめです。東京大と併願していた慶応大法学部の受験対策にとても役立ちました。
4年 はせしゅん