大学生の「食」を知る
日々の楽しみの一つでもある食事。大学生になると、生活スタイルも活動範囲も、中高時代とはがらりと変わり、一味違った食事の楽しみ方ができるようです。今回は、先輩たちの「食」事情をのぞいてみましょう。

自分へのご褒美
大阪府立大・工学域
大学生になってから初めて経験したアルバイトは大変なこともありましたが、そのお給料で今まで食べたことのないくらいの豪華なお肉を食べました! 普段大学では節約している分、大きめのサイズのサーロインステーキを注文したのですが、大満足でした。やはり自分で稼いだお金で食べる料理は、働いた苦労の分だけ、しっかりと味わうことができる気がします(笑) 。みなさんも、大学生になり、アルバイトなどをして自分でしっかりと稼げるようになったら、このようにモノのありがたみを実感する機会が増えると思います。普段は倹約を心がけていても、たまのぜいたくを楽しみつつ生きていきたいものです。
(2年 テラ)

バナナの皮に置かれた米やおかずを手づかみでいただく貴重な体験でした。赤いとがった食材は、攻撃的な見た目とは裏腹に、ライチのような食感の絶品フルーツです。
「食」で異文化を知る
東京大・文科三類
大学生になると、行動範囲が大きく広がります。アルバイトで貯金をして、憧れの国へ海外旅行や短期留学に行くことも夢ではありません。異国での体験はどれも刺激的ですが、なかでも「食」はその地の特色が最も反映されると言っても過言ではありません。今まで出合ったことのない料理にチャレンジするのも一興です。とくに東南アジアや中東の料理は日本人にとって独特の味わいのものが多いですが、思い切って食べてみると案外いけます。口に合わなくても、それはそれでいい思い出になりますしね(笑)。今の時代は国内でも多国籍料理が楽しめますが、やはり日本人向けにアレンジされているものが大半ですので、機会があれば、ぜひ本場の味に舌つづみを打つことをオススメします!
(2年 Herme)

実習のご飯
北海道大・水産学部
大学の長期休暇には、道内各地の自然を満喫したいけれど、節約もしたい…。そんな私は、道内各地の実験所や農場で、大自然を満喫しつつ生態系について学べる授業に、よく参加します。多くの場合、宿泊費が安く、移動費が自己負担になりません。そのうえ、こうした授業ではおいしいご飯を食べられることも多いのです。たとえば、サケ・マス養殖の研究所では、解剖したサケの神経を抜いて塩焼きにしたり、未受精卵と受精卵のイクラのしょうゆ漬けを食べ比べしたり(白米に、イクラをかけ放題!)。附属の果樹園で、果樹の剪定(せんてい)を学んだ後、雪の中に寝かして甘さが熟成されたリンゴを食べたり。乗船実習では、漁火(いさりび)の中、釣った直後の透明なイカを刺身としていただきました。おいしいご飯と勉強、一石二鳥な休みは、なかなかよいものでした。
(3年 すずめ)

0 円で収穫たくさん!大満足のボランティア
長崎大・多文化社会学部
「アルバイトの方が稼げるし、ボランティアなんてただ働きじゃん」と思っているみなさん、多いですよね。実際、私もそうでした。でも、ボランティア活動は、普通のアルバイトで得られるもの以上に多くの収穫を得ることができます。私は、「日本の棚田百選」に選ばれた大中尾棚田(おおなかおたなだ)で行われる火祭りのボランティアに参加しました。謝礼は0 円でしたが、地元のみなさんがおにぎり・お汁・たくあん・おまんじゅう・お寿司など多くの食事をふるまってくれました。ボランティアの仕事は屋台の販売手伝いという簡単なものでしたが、絶景を眺めながらおいしいご飯を楽しむことができ、本当に充実した一日でした。帰り際には、1 キロの新米もいただきました。今どき、見知らぬ土地に出かけたり、地域の人とふれあう機会は少ないでしょうが、未知のことが多い分、経験値を増やせてとてもおもしろいです。みなさんも、身近でできるボランティアに参加してみてはいかがでしょうか。
(2年 げんずい)

大学生になっても健康でいるために
九州大・農学部
私は大学生になってから寮に住んでいます。私が寮に住むことを決めた理由の一つは、食事付きであったことです。私の寮には食事を作ってくださる方がいて、朝ご飯と晩ご飯を提供してくださいます。そのため、私は毎日バランスの取れたおいしいご飯を食べることができます。またご飯を作る時間が省けるのも、食事付き寮のメリットです。レポートやテストが大変なときでもおいしいご飯を食べることができるので、とても助かっています。大学生になってもきちんとした食事をとっているので、親も安心しているようです。料理が苦手な人や、大学生になったら勉強や部活を一生懸命がんばろうと考えている人は、食事付きの寮やアパートを探してみることをおすすめします。
(3年 九大においでよ)

母は偉大なり
大阪大・文学部
大学入学までろくに家事をしたことがなかった私。おかずはおろか、みそ汁を作ることや、炊飯さえも不安でした。一人暮らしを始めてすぐに料理本を購入し、もやしとわかめの和え物に挑戦。思ったよりも簡単で、見た目も上出来でした。ところが一口食べてみると、激辛! 母に連絡すると「わかめを洗わずに使ったのでは」と指摘されました。わかめが入っていた袋を見てみると「塩蔵」の文字が。料理本の著者も母も、塩蔵わかめを洗って使うことは常識だったようです。その後も肉や野菜を焼きすぎてフライパンを焦げつかせたり、焼きのりなどの乾物の保存に失敗したりと奮闘しています。改めて、温かくておいしい料理を毎日用意してくれていた母の偉大さに気がつきました。
(3年 ワニジロー)

人気メニュー!
節約したお金でスイーツ巡り
京都大・文学部
私が通う京都大では、多くの学生が一人暮らしをしていることもあり、昼休みには食堂が、放課後にはキャンパス付近の飲食店が、学生たちでにぎわいます。まったく自炊をせず、入学前に買った炊飯器や電子レンジを、数年間梱包された状態のまま開封していない人や、邪魔だからとコンロを片付けてしまった人も、珍しくありません。しかし一方で、自炊に精を出す人もおり、私自身も毎日欠かさず手作りのお弁当を持参しています。自炊をして節約したお金でスイーツを食べることを趣味としており、なかでもとくに私が気に入っているのが、同志社大の「寒梅館」で食べられるパフェです。「寒梅館」には何度も足を運んでいるのに、実はまだ京都大の食堂には行ったことがないなんて、京都大の仲間たちには秘密です…。
(3年 Y.)

仲間と過ごす、熱い夜
京都大・総合人間学部
私は、サークルの仲間と食事する機会が多いです。地域おこしのサークルに入っているのですが、地域を知り、楽しみ、好きになるには、まず食べ物から。地域の方に、その地域ならではのおいしい食材を教えてもらい、買ってきて、サークルのみんなで鍋にします。肉、魚、野菜…。一つひとつの具材に思い入れがあるので、味は格別です。あつあつの鍋を一緒に食べると、仲間との関係性も深まります。ときには、鍋を楽しみながら、地域の未来について熱く語り合うことも。一人暮らしをしている学生が多く、実家暮らしでも、中高時代に比べると門限を気にしなくてよくなった人が多いので、仲間とじっくり語り合えます。一緒に楽しみ、語り合い、行動できる仲間ができるのも、大学生ならではです。
(2年 オオサンショウウオ)