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お子さまの「耳からの理解力」、伸ばしていますか?(2)

 

「耳からの理解力」(聞く力)を実際に測定してみましょう!解答編

答え合わせは、こちらから

答え:問1(20):②  問1(21):① 問1(22):⑤  
答え:問2(23):②

 

「耳からの理解力」(聞く力)のうち、各学年で弱点になりやすい要素は?

 日本語運用能力テストでは、こうした出題によって「耳からの理解力(聞く力)」を、以下の7つの観点別に測定することができます。

1.情報を整理・分類する
2.話の構造を理解する
3.論点を理解する
4.要旨を理解する
5.資料との関係を把握する
6.行動に応用する
7.話し手の意図を類推する

 2017年度に、小学生向けコースの会員(中学受験コース4年生・5年生・6年生受講者・小学生コース5年生・6年生受講者)を対象に「日本語運用能力テスト(基礎レベル)」を実施しました。この結果を学年別に見ると、「耳からの理解力」(聞く力)のうち、正答率の低かった要素は2,6,7といえます。

なかには学年が上がるにつれて変化がある項目も見られます。
ここから、

  • 4年生の段階では、「話の構造の理解」「要旨の理解」「話し手の意図を類推する力」など、話全体を広くとらえる力が、他の学年に比べて弱い
  • 学年が上がってもほかの項目に比べて、「情報の整理分類」「行動への応用」の力は伸びにくい。

ということがいえます。

 

「耳からの理解力」(聞く力)を育てていくには?

 「耳からの理解力」(聞く力)を育てていくには、「話の筋道を意識して聞く」ことをお子さまに継続的に意識付けすることが大切になりますので、下記のような働きかけをしていただけるとよいと思います。

【低学年の場合】
・「誰がAちゃんと遊んだの?」といったように主語を意識させるような問いかけをしてみる。
・「朝の会で先生はなんて言ったの?」と黒板に書いていない情報を聞いてみる。
・買い物に行く前にお子さまと買うものについて話し合っておき、「何を買うんだったっけ?」と聞いてみる。

【高学年の場合】
・保護者さまがお子さまに話をしたあとに「いま言ったことの中で大事だったのはどこかな?」という問いかけをしてみる。
・ラジオニュースをお子さまといっしょに聞いて、お子さまに大事だと思ったところをメモや口頭で話してもらう。

 さらに、「耳からの理解力」(聞く力)のそれぞれの要素を伸ばすには、小学校高学年から中学生くらいの時期にどのような学習をしていくのがよいのかも、あわせてご紹介します。以下の点に注意してご指導いただくと、「耳からの理解力」を飛躍的に伸ばすことができます。

1.情報を整理・分類する 5.資料との関係を把握する
 話を聞く前に配布された資料があったら、先に資料に目を通しておくとよいでしょう。そうすることで、話のテーマ・内容や、聞く際に注意するポイントが理解しやすくなります。ただし、先入観に左右されずに聞き取ることが大切です。また、時間、曜日、距離、位置関係など、整理・分類の切り口となる情報は聞きもらさずにメモを取ることが大切です。

2.話の構造を理解する
 文字で表された情報であれば、内容的な区切りは段落分けで示されますが、話の内容は形では示されないので、自分で把握する必要があります。いま聞いている内容は具体例なのか、話し手の考え・主張なのかといった意識は、文章を読むとき以上に強くもつ必要があります。また、話し手は、相手に話を聞いてもらうために、話の最初に聞き手が「えっ?」と思うような工夫を入れることがあるので、「ここでは話し手が工夫して自分の主張を伝えようとしているな」といった意識ももつとよいでしょう。

3.論点を理解する 4.要旨を理解する
 論点となる話題は話の最初に、意見・感想については話の最後に提示されることが多い、といえます。会話文の場合は、「用件」にあたる内容が論点にあたりますので、「この会話は何が『用件』なのかな」という観点で聞き取りを進めていくとよいでしょう。 

6.行動に応用する
 まずは、聞いた内容をもとに行動する場合には、説明されたものの色や形など、特徴を示す説明に気を配るのが大切です。また、聞いた内容をもとに行動につなげるわけですから、行動を表す述語「どうする」「どうした」という言葉にも注意して、行動に移す必要があります。

7.話し手の意図を類推する
 文字で書かれている情報に比べると、話し言葉はあいまいで漠然としていることが多いものです。よって、相手がどのような思いなのかを理解するには、そのときに相手が置かれている立場・状況を総合して考えることが必要になります。言葉そのものではなく、その言葉がどのような状況に結びついているのかをとらえるようにしましょう。その場合、声のトーンも、相手の意図を考えるうえで重要な情報になります。

「耳からの理解力」(聞く力)は、一朝一夕で伸びるものではなく、継続的な働きかけが大事です。ふだんの生活の中でお子さまとコミュニケーションをとりながら、育てていきましょう。

 また、「聞く力」の伸びを客観的に測り、フィードバックを受けることで力が伸びていきますので、「日本語運用能力テスト」を身体測定のように定期的に受験することをおすすめします。

 

日本語運用能力テスト(基礎レベル)にチャレンジ!

「日本語運用能力テスト」は、2021年以降の大学入試で求められる「新しい学力」を測ることを目的としたテストです。日本語の「読む力」「書く力」「聞く力」を測ります。ぜひ一度現段階での「聞く力」を測ってみてください。

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https://www.zkai.co.jp/assess/japanese/

 

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