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「プログラミング的思考」ってなに?(1)

2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されることはご存じですか? 2021年度からは中学校、2022年度からは高等学校でも必修となるため、現在小学5・6年生のお子さまにとっても無関係ではありません。第2回の今回は、「プログラミング的思考」について、Z会のプログラミング教育担当が解説します。

目次

「プログラミング的思考」の正体って?

学校だけに任せておけばいいの?

<第1回「プログラミング教育必修化で 学校の授業はどうなる?」の記事はこちら!>

 

「プログラミング的思考」の正体って?

Q 「プログラミング的思考」について、具体例を交えて教えてください。

A たとえば、「料理を作る」ときにも頭の中で行っている思考の進め方のことです。

《さらに詳しく》

コンピュータの「プログラミング」には、次のような考え方が必要になります。

・計算や作業を手順に分けて順序立てる「シーケンス」の考え方

・手順のまとまりを繰り返して実行する「ループ」の考え方 

・条件によって作業を切り替える「分岐」の考え方

・ものごとをYes/Noの組み合わせで考える「真偽値」の考え方>

・ものごとの性質や手順のまとまりに名前を付ける「抽象化」の考え方 など

(参考文献:「コンピューターを使わない小学校プログラミング教育 “ルビィのぼうけん”で育む論理的思考」(翔泳社))

難しそうに感じるかもしれませんが、こうした考え方はわたしたちの身近にも多くあるものです。皆さまも、たとえば、料理をするときなどに、以下のような考え方をしていませんか?

① 鶏肉、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんは一口大に切る。

② 厚手の鍋にサラダ油を熱し、①の鶏肉、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんをよく炒める。

③ 水を加え、沸騰したらあくを取り、弱火~中火で材料が柔らかくなるまで約15分煮込む。

④ いったん火を止め、ルウを割り入れて溶かし、再び弱火でとろみがつくまで約10分煮込む。

(ハウス食品 ホームページより「こくまろカレー」)

作業を手順に分けて順序立てています。番号という「名前」もついています(=シーケンス、抽象化の考え方)

材料が柔らかくなったかどうかを判断するとき、「串を刺してまだ固ければ、もう少し煮込んでから串を刺す」ことをくり返します(=ループの考え方)

「沸騰したら」「柔らかくなったら」というように、条件を満たしたら次の作業に移ります(=分岐、真偽値の考え方)

わたしたちが何か考えて行動するときには、少なからずこうした「プログラミング的思考」をしているはずなのです。

Q ……ということは、コンピュータを使わなくても「プログラミング的思考」は鍛えられる?

A その通りです。コンピュータを使うことも大事ですが、コンピュータから切り離して「プログラミング的思考」の経験を積むことも必要です。

《さらに詳しく》

「プログラミング的思考」が本来は身近なものである以上、「コンピュータを使うときだけに必要な考え方」という誤解は避けなければなりません。その意味でも、コンピュータを使わないで「プログラミング的思考」を鍛えることも必要です。有名どころでは『ルビィの冒険』(翔泳社)という絵本など、「コンピュータを使わない(アンプラグド)プログラミング教育」の題材となるものも数多くあります。

ほか、既存の授業内でも「コンピュータを使わないプログラミング教育」と呼べそうな題材は多くあります。たとえば、音楽の授業内で行われる「楽譜を読む」という作業。指定された箇所をくり返したり、演奏の仕方が指示されていたりと、楽譜はまさに「プログラム」です。これまでにも楽譜を読んだり、かいたりする授業はありましたが、与えられた指示に従って音を出しているのだという意識を持って楽譜を読むことも、「プログラミング的思考」を鍛えることにつながります。

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