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「プログラミング的思考」ってなに?(2)

2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されることはご存じですか? 2021年度からは中学校、2022年度からは高等学校でも必修となるため、現在小学5・6年生のお子さまにとっても無関係ではありません。第2回の今回は、「プログラム的思考」について、Z会のプログラミング教育担当が解説します。

 

学校だけに任せておけばいいの?

Q 「プログラミング教育必修化」に向けて、何か家庭でするべきことはありますか?

A まずは情報機器に慣れておくとよいでしょう。

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スマートフォンやタブレット、パソコンなどの「情報機器」をお子さまに使わせることに抵抗をおもちの保護者様も多くいらっしゃいます。確かに「スマホ漬け」の状態は好ましいものではありませんが、これほどまでに普及している「情報機器」からお子さまを遠ざけるのではなく、上手なつきあい方を考えていくことが必要です(使う場所や時間を決める、機能を制限するなど、ご家庭の考え方によって変わってきます)。

そのうえで、できることであればキーボードの操作には慣れておくとよいでしょう。授業内で積極的にキーボードに触れさせている学校もある一方で、情報機器そのものに触れる時間がなかなかとれない学校もあります。小学校段階でキーボードを使う場面がなかったとしても、中学、高校と進むにつれて「キーボードが使えてあたりまえ」となっていきます。スマートフォンで多く使われている「フリック入力」はアルファベットを打つのには適しておらず、英語を含めた外国語を学び、使っていく場面ではまちがいなく「キーボード入力」が必要です(高校で電子辞書を推奨されることもあります)。そのためにも、ローマ字を学んだあたりでキーボードに慣れておくことは意味のあることです。

Q 「プログラミング」そのものをしておく必要はありますか?

A 中学、高校では授業内で扱いますし、今の小学生が社会人となって活躍する未来では必要な力であるため、小学校段階で体験しておくのがよいでしょう。

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中学校の技術家庭科、高校の教科「情報」では「プログラミング」そのものを扱うことになりますが、「プログラミング」という科目ができたり、大学入試で必要になったりということはないでしょう。しかし2030年、2040年という「いま小学生の子が社会人となって活躍する未来」では、「プログラミング」の素養はだれもがもっているべきものになっているのではないでしょうか。

それは「だれもがプログラミングをする必要がある世の中」を意味しません。いまの社会ではだれもが英語に触れ得るのと同じで、10年後、20年後には、だれもが「プログラミング」というものに触れ得る世の中になっている、ということを指します。

これまでにも書いてきたとおり、小学校の授業ではいわゆる「プログラミング」そのものの知識やスキルを問われることはありません。しかし、職業として「プログラミング」に触れなくとも、どこかで「プログラミング」を意識しなければならない場面が格段に増えるのだとすれば、プログラミングとは何なのか、どのようなものなのかを知るために、機会があれば挑戦してみてはいかがでしょうか。

Q プログラミングを学んでおいて、何かいいことがあるの?

A 将来の選択肢が広がりますし、未来のリーダーとして必要な能力を増やすことができます。

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たとえばピアノや水泳といった「習いごと」はなぜさせるのでしょうか。音楽センスを磨きたい、体力作りをさせたいといった思いで通わせる方もいらっしゃるでしょうし、将来「プロフェッショナル」を目ざして通わせる方もいらっしゃるでしょう。どちらにも共通して言えるのは、お子さまの「将来の選択肢」を狭めたくない、できることであれば広げたいという思いです。プログラミングも同様で、プログラミングのセンスを身につけさせたいという目的もあり得ますし、プロフェッショナルを目ざさせたいという目的もあり得ます。どちらの目的であっても、お子さまの「将来の選択肢」を広げることになるでしょう。

また、「リーダー」となる人たち――たとえばビジネスで名前を知られる方――をイメージしてみてください。何か一つの能力だけに秀でているのではなく、プロ顔負けのスポーツマンであったり、素人の域を超えたアーティストであったり、本業以外の分野でも学術論文が書けるほどの博識であったりすることが少なくありません。視野が広く、秀でた能力が複数ある人を「リーダー」というのだとすれば、プログラミングはまさに、視野を広げたり、あるいは極めることで「武器」としたりできるもの。つまり、プログラミングを学ぶことは「リーダーとしての能力育成」にもつながるといえるのです。

そこまで大げさに考えなくとも、「少し先の未来」で必要になるものを先取りして学んでおくことは、先を見通すためにも意味のあることでしょう。

Q どこで「プログラミング」を体験できるの?

A 学校の内外でさまざまな活動が行われています。Z会でも「プログラミング講座」を開講しています。

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文部科学省が提示する「小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類」を見てみましょう。

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A 学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの

B 学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの

C 各学校の裁量により実施するもの(A、B及びD以外で、教育過程内で実施するもの)

D クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育過程内で実施するもの

E 学校を会場とするが、教育課程外のもの

F 学校外でのプログラミングの学習機会

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この分類のA~Dは学校で行われる「プログラミング教育」です。ここでどのようなものが行われるのかは、学校の先生方のお考えによって変わってくるでしょう。ご家庭の判断で取り組むことができるのは、EとFに分類される「プログラミング教育」です。

Eに分類されるものは、たとえば放課後や長期休業中に、地域のボランティアやNPOなどが主催して学校で行われる「プログラミング教育」です。あるいは、学校の先生方が興味のある子どもを対象に行うこともあるでしょう。身近な場所でプログラミング教育が受けられるため、最初の一歩として踏み出しやすいものと言えます。

Fに分類されるものは、NPOや民間企業が行う「プログラミング教室」、書籍を購入して自学する、などが挙げられます。Z会が開講する「Z会プログラミング講座」などもここに含まれます。非常に数が多く、扱う内容もさまざまであることが特徴です。お子さまの興味・関心にあわせた講座を選択できるため、体験会や体験講座があれば受講してみるのもよいでしょう。

Q 学校外のプログラミング教育では、「プログラミング」の知識やスキルを学ぶべきなの? 「プログラミング的思考」を伸ばすことを考えるほうがいいの?

A どちらでも構わないでしょう。お子さまの興味・関心にあわせて選んでみてはいかがでしょうか。

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「小学生へのプログラミング講座」で多いのは、「スクラッチ」という「プログラミング言語」を使って学ぶものでしょう。スクラッチを使うことで、複雑な命令を覚えることなく、「プログラミング」を体験することができます。また、スクラッチでもかなり複雑なプログラムを作ることができますので、本格的な「プログラミング」への入り口としても適しています。 ほか、「ロボットを制御する」ことでプログラミングを学ぶ講座も多く見られます。ロボットという実際のモノが目の前で動くことで、「プログラム」という抽象的なものが具体的な結果を伴うことを実感できるという特徴があります。また、ロボット制御をとおして「モノ作り」や「工学」への理解を深めることが期待されています。

Z会プログラミングシリーズでは、

スクラッチを使ってプログラムする
Z会プログラミングはじめてみる講座」(推奨学年:年長~小3)
ロボットプログラミングで学ぶ
Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」(推奨学年:小1~小4)
情報・デジタル活用力を身につける
Z会プログラミング中学技術活用力講座」(推奨学年:小5~中3)
など、学年・お子さまの興味に合わせて選べるプログラミング講座をご用意しています。

Z会プログラミングシリーズについてくわしくはこちら

「プログラミング教育」については賛否両論ありますが、「プログラミング的思考」も「プログラミング」の技術そのものも、今後必ず必要になっていくことにまちがいはありません。ご家庭でもできることから始めてみてはいかがでしょうか。Z会では今後も「プログラミング教育」についての情報もお伝えしていきます。

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