どーんとこい!中学入試の算数
第11回 2017を使った図形の問題
2017.11.23
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大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。
こんにちは。学習アドバイザーのカズです。2017年も残りわずかとなってきましたね。そこで、今回は「2017」、次回は「2018」を使った問題をお届けしたいと思います。
2016年度の第2回でもご紹介しましたが、「2013」から「2016」までの数字はいずれも、素因数分解したときに、すべての素因数が2ケタに収まります。とくに
2013=3×11×61、2014=2×19×53、2015=5×13×31
にはそれぞれ味わいがあり、中学入試の算数でも西暦を意識した問題がたくさん出題されています。ところが、「2017」は素数ですし、「2018」は2×1009(1009は素数)ですので、実はなかなか問題をつくりづらい数字なのです。この点が、出題者を悩ませるポイントです。
そこで、「2017」を使って問題をつくろうとする出題者がよく使う方法は、「2017」を直接計算の対象にしないことです。2017年度の第3回大問2もそのような考え方で作成したものです。
あるいは、「2017」番目や「2017」になるときなど、規則性を問う問題にすると作成しやすいです。
さて、来年は2018年です。中学校の先生も忙しいでしょうから、西暦を意識した問題は減るかもしれません。でも、できれば受験算数ファンを楽しませるような問題も出題してほしいものです。
今回の問題は図形問題です。楽しんでいただけたら幸いです。それでは、早速見ていきましょう。
問題
4つの長方形を組み合わせて大きな長方形を作りました。
(あ)、(い)、(う)の面積がそれぞれ2015cm2、2016 cm2、2017 cm2のとき、大きな長方形の横の長さは何cmになるでしょう。
ヒント 長方形(い)の横の長さは求められるでしょうから、左半分に着目しましょう。
(参考) 2017年度鎌倉女学院中学校 第2問(5) |
参考にした問題は、小問集合での出題です。したがって、受験生であればぜひ解けてほしい問題です。とはいえ、ひらめきが必要なので、類題を解いたことがあると解きやすいかもしれません。
それでは、今回の解答解説を確認してみてください。
解答・解説はこちら
解答
どこから手をつけてよいのかわかりにくい問題です。(あ)と(う)の長方形を重ねてみることがポイントで、このことに気づけば易しい計算問題です。
(あ)と(う)の長方形を重ねて作った長方形は、たての長さが
84-36=48(cm)
面積は
2015+2017=4032(cm2)
になります。したがって、(あ)と(う)の長方形
の横の長さは
4032÷48=84(cm)
左半分の図形は正方形だったんですね。そして右半分の長方形は、たてが84cm、面積が2016 cm2ですから、横の長さは
2016÷84=24(cm)
したがって、求める長さは
84+24=108(cm) (答)
になります。
いかがでしょうか。苦労して解けたときの喜びは大きいはずです。お子さまには、そんな喜びを大切にしてほしいと思います。算数が好きな子どもは、
一生懸命考えて、自分の力で解けた!
という経験をもつ子どもたちです。そして、お子さまが難しい問題を解けたときには、ぜひがんばったことをほめてあげてください。
2017年度は、次回が最後になります。それでは、また来月にお会いしましょう。
プロフィール
出題・文
学習サポートセンター カズ
Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。