どーんとこい!中学入試の算数
第12回 「2018」を使った西暦パズル
2017.12.28
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大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。
こんにちは。学習アドバイザーのカズです。あと少しで、いよいよ2018年ですね。そこで、前回に引き続き今回も、西暦を意識した問題です。
数のパズルにはいろいろありますが、有名なのは「10パズル」です。4つの数字を使って、四則演算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)とかっこを使って10を作るというものです。とくに難しいのは
(1,1,5,8),(1,1,9,9),(3,4,7,8)
の3つ。(3,4,7,8)は、2004年度の開成中学の入試問題でも出題されています。
今回は、このパズルによく似た形式で「2018」にちなんだパズルを出題します。それでは、2017年度の最後の問題。早速、解いてみましょう。
問題
2,3,4,5,6,7,8の7つの数字をそれぞれ1回ずつ使って、たし算、ひき算、かけ算、わり算とかっこで、答えが次の数になる数式を作ってください。たとえば、答えが「1000」であれば、
5×(6-4)×(7+3)×(8+2)=1000
といった具合です。ただし、答えは複数ありますので、1通りずつでかまいません。
(1)「2017」を作ってください。
(2)「2018」を作ってください。
(3)数字を8,7,6,5,4,3,2の順番に使って、「2018」を作ってください。
ヒント (1)「2017」は素数ですから、2016+1のかたちを思いつきますね。 (2)「2018」は2×1009であり、「1009」は素数です。ここは、2016+2または2020-2のかたちを考えましょう。 (3)8×7×…+2のかたちを思いつくでしょうか。
(参考) 2017年度頴明館中学校 第5問(3) |
「2017」という数字を利用した問題は前年の「2016」よりは減りましたが、それでも多くの学校で出題されました。西大和学園中学校の平成29年度入試(県内)では、大問1で小問8題のうち4題が「2017」の数字にからんだ出題でした。
また、2016年度第12回の記事では、2016年度の麻布中学校を参考にした問題を出題しましたが、2017年度の昭和学院秀英中学校では、そっくりな問題が出題されました。このコーナーで事前に解いていた受験生もいたかもしれませんね。
解答・解説はこちら
解答
(1)と(2)の答えは複数あります。一例をあげておきます。
(1)2017=8×7×6×3×2+5-4
2017=6×5×(8×4×2+3)+7 (答)
(2)2018=8×7×6×(5+4-3)+2
2018=8×7×4×(5×3-6)+2
2018=8×6×(7×5+4+3)+2
2018=2×(8×7×6×3+5-4)
2018=2×{7×5×(8×4-3)-6}
2018=5×4×{8×(7+6)-3}-2
2018=5×4×{7×(8+6)+3}-2 (答)
(3)(2)の答えのうち条件に合うものは
2018=8×7×6×(5+4-3)+2 (答)
いかがでしたでしょうか。この問題は、「2019」以降の数字でも成立します。
ちなみに、0と1と9を入れずに問題にしたのは、参考にした中学校の入試問題がそうなっていたからということもありますが、次の2つの理由があります。
- 使う数字はできるだけ少ないほうがよい。多くすると別解がやたら生じます。
- 連続した数で出題することにこだわりました。
2~8は、2017、2018だけではなく、実は、1800~2112までの数を作ることができます。このことを調べるのに、通勤電車の中で2か月間の月日を要しました。通勤時間が短く感じられるのでおススメです。
最後に、数字のパズルがお好きな方のためにおまけもご用意しました。「2から8までの7つの数字を使って西暦を作れ」という今回の問題に関連して、2019年以降の2227年までと過去の西暦の数字について、一例を掲載しています。このようなパズルを通して、算数の好きな子どもが増えてくれればうれしい限りです。
本年度もご愛読ありがとうございました。2018年度もお楽しみに!
プロフィール
出題・文
学習サポートセンター カズ
Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。