どーんとこい!中学入試の算数
第15回 灘中学校の「数の問題」類題に挑戦!
2018.3.22
17.4K
大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。
こんにちは。学習アドバイザーの数です。いや、カズでした。さて、今回は「数の問題」です。
第13回でも宣言しましたように、今年度は、ひらめきを必要とするパズルちっくな問題を多めに取り入れていこうと考えています。「気づく力」を試すには、「数の問題」「図形」が絶好の題材で、難関校ではその分野の出題が多い傾向にあります。その理由のひとつに、高度な知識を必要とせず、解法のパターン化がしにくい問題を作りやすいということがあるでしょう。東大に整数問題、図形が多いというのは有名な話ですし、中学受験の難関校のなかでは、灘中学校の出題が秀逸です。関東の学校よりも関西の学校におもしろい出題が多いように感じますね。関西の中学入試の算数には、出題者の気合いや魂を感じるのです。
それでは、さっそく見ていきましょう。トップバッターは、灘中学校の2018年度入試問題を参考にして作成した類題です。
問題
3個の整数a,b,cがあり、bはaより2大きくcはbより2大きいです。
a×c+c×bを計算すると100でわり切れるとき、最も小さいaの値を求めなさい。
ヒント 1から順番に調べていっても答えは求められるでしょう。cが100であれば明らかに100でわり切れますから、aの値は96以下です。 100でわれるということは、25でもわれるはずですから、まずは25でわり切れるときを考えてみるとよいでしょう。 (参考) |
出題にあたって参考とした灘の入試問題を解いてみたときに、
2005年度 東京大学 整数問題(文系は2番、理系は4番の共通問題)
を参考にして作ったんじゃないか、と思いました。東大の入試問題では、「(ある数)と(ある数から1ひいた数)の積が、10000でわり切れる数を求めよ」というものだったのですが、よく似てるでしょ。
今回の問題は、灘と東大の問題をミックスして作ってみました。
解答・解説はこちら
解答
問題文より
a×c+c×b=c×(a+b)
bはaより2大きい数ですから、a+bはa×2よりも2大きい数です。すなわち、a+1を2倍した数になります。したがって、cはaより4大きい数であることから
c×(a+b)=2×(a+1)×(a+4)
これが100でわり切れるためには、まず25でわり切れる必要があり、a+4が25のときはa+1が22だから
c×(a+b)=2×22×25=1100
100でわり切れるので、条件をみたします。よって
a=21 (答)
いかがでしたでしょうか。
a+1とa+4の両方が同時に5の倍数になることはないため、aの2番目に小さい値はa+1が25のとき、3番目に小さい値はa+4が50のとき、……ということになります。正解できた方は、おおいに自信をもってよいでしょう。
それでは、また来月にお会いしましょう。次回は、特殊算のひとつである過不足算を出題したいと思います。
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プロフィール
出題・文
学習サポートセンター カズ
Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。