どーんとこい!中学入試の算数

第22回  相当算

大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は相当算を扱います。相当算とは、ある数と割合(比)がわかっているときに、元の数を求める特殊算です。

割合を考えるときは、何と比べているのかが非常に重要です。相当算で出てくる分数は、ほとんどの場合が「全体を1とする」ことが暗黙の了解となっていますが、日常生活ではそう単純ではないケースがあります。6月28日更新の記事でご紹介したように、日常生活では、しくみを考える側(買い物だったら売る側)の都合によって「1とする」数が変わってきます。たとえば、「半額!」という言葉で宣伝していても、全体の金額が半額になる場合もあれば、2個目だけが半額になる場合もある、ということです。

 

ここで、「何と比べているのか」をあいまいにした不思議な例を紹介します。

3人姉妹の千恵、美恵、理恵は、お小遣いをそれぞれ120円、80円、40円ずつ出して、13個入り240円のプチシュークリームを買いました。何個ずつ分ければよいかを考えていたところ、お父さんが1個をこっそりつまみ食い。

それを知らずに3人は、それぞれが出した金額の全体に占める割合から、下のように分けることにしました。

  • 千恵は半分
  • 美恵は
  • 理恵は

すると、千恵は6個、美恵は4個、理恵は2個ずつ分け合うことになりました。

誰も損をしていないように見えますが、お父さんはプチシュークリーム1個分を得しています。と、いうことは、3人姉妹はプチシュークリーム1個分を損してしまいました。

どうしてこんなことが起きるのでしょう。

13個に対してそれぞれの割合ずつ分けなければならなかったものを、12個に対して分けてしまったからですね。おかげでお父さんは、バレずにシュークリームをご馳走になることができたのでした。この話を読むと、なんだか狐につままれたような感じがしませんか?

 

今回の問題は、フェリス女学院の過去問題を参考に、問題や答えの数の美しさにもこだわりました。では、さっそく見ていきましょう。

問題

のび太くんは、3日間を1クールとして11月の学習計画を以下のように立てました。

1クール目:全体のと9問を解きました。

2クール目:残りのと8問を解きました。

3クール目:残りのと7問を解きました。

4クール目:残りのと6問を解きました。

5クール目:残りのと5問を解きました。

6クール目:残りのと4問を解きました。

7クール目:残りのと3問を解きました。

8クール目:残りのと2問を解きました。

9クール目:残りのと1問を解きました。

10クール目:最後の1問を解きました。

このとき、のび太くんは全部で何問解いたでしょう。

 

ヒント

10クール目を始めるときには、残り1問でした。では、9クール目を始めるときはどうだったでしょう。逆から順に考えていってみてください。

なお、本問では、数の美しさをぜひ感じてください。問題に「おぉっ」、答えに「えっ」となれば、優れた感性があるかもしれませんよ。

(参考)

2018年度フェリス女子学院 第1問(3)

今回の問題は、数の配列に工夫をこらしました。解けたという方も多かったのではないでしょうか。

詰将棋でも、美しい問題と美しくない問題があります。それであれば算数の問題にも「美しい」「美しくない」があってしかるべきです。
人の心を動かす算数の問題とはどういうものなのか。カズは、これからも未知の世界を突き進みます。

解答・解説はこちら

解答

それぞれのクールを開始するときに、何問あったのかを逆から考えていきます。

10クール目:最後の1問を解いたのだから

   1問

 

9クール目:残りのが2(=1+1)問だから

   2÷=4(問)

 

8クール目:残りのが6(=4+2)問だから

   6÷=9(問)

 

7クール目:残りのが12(=9+3)問だから

   12÷=16(問)

 

6クール目:残りのが20(=16+4)問だから

   20÷=25(問)

 

5クール目:残りのが30(=25+5)問だから

   30÷=36(問)

 

4クール目:残りのが42(=36+6)問だから

   42÷=49(問)

 

3クール目:残りのが56(=49+7)問だから

   56÷=64(問)

 

2クール目:残りのが72(=64+8)問だから

   72÷=81(問)

 

1クール目:残りのが90(=81+9)問だから

   90÷=100(問)

 

よって、最初にあった問題数は、100問です。 (答)

いかがでしたでしょうか。順に

   1、4、9、16、25、……

と同じ数字を2回かけた数が出てきたことに気づいたでしょうか。もし、その規則に気づけたならば、最後まで計算しなくても答えを求めることができたかもしれませんね。すばらしい!

それにしても、のび太くんの学習計画もとてもりっぱでしたね。解く問題数を、1クール目が19問、2クール目が17問、3クール目が15問と2問ずつ減らしているのですね。学習計画を立てるときには、毎日同じ量でもかまいませんが、初めのうちに少し多めにやるような計画にするとよいでしょう。そうすることで、のび太くんもきっと成績が伸びたことでしょう。計画は延びたということになってはいけません。そして、こう言うのではないでしょうか?

   どんなもんだい!!

たしかに、100問も解けば自信がつくというものです。皆さんも負けずにがんばってくださいね。

では、来月またお会いしましょう。

プロフィール

出題・文

学習サポートセンター カズ

Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。

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