どーんとこい!中学入試の算数

第23回 相似は意外とおもしろい!

大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、相似を使った問題を紹介します。

ここで、相似にまつわる話題をひとつ。
お相撲さんは、ひざを痛めることが多いですが、どうしてだか考えたことはありますか。カズは、小学生のときにこの難問(?)に取り組みました。そしたら何のことはない。相似の考え方で説明できるんですね。たとえば、たて、横、高さが2倍の自分が存在したら、生活はどうなるでしょう。体重に着目すると、8倍になるんです。35kgの体重が280kgになるということですね。しかし、ひざの断面はたてと横にだけ広がり4倍になりますから、8倍の体重を4倍のひざの断面積で支えるという話になるのです。そうなってくると、ひざへの負荷は単純に2倍ですね。

そのときに、アリの足は細く、ゾウの足は太いことに納得! 手ごたえアリ、わかったゾウ! という気持ちになったのです。

それでは、早速ですが、いつものように問題を見ていきましょう。

問題

図1のように、半径3cmの円の中に3辺が4cmの台形があります。このとき、台形の残りの辺の長さを求めましょう。

(1)図2のように、台形の頂点をA,B,C,D,円の中心をOとし、4つの頂点と円の中心を結びます。そして、DOの延長とAOの延長がそれぞれ辺BC上でぶつかる点をE,Fとします。ここで、相似な三角形を6つ見つけましょう。

(2)BCの長さを求めてください。

ヒント

図形問題のおもしろいところは、「発見する」ことができたときです。今回も入試問題を参考に問題を作りましたが、「発見する」がしやすいように、誘導をつけてみました。

(1)4つまではすぐに見つかると思います。同じ角度に印をつけて探してみましょう。相似な図形を見つけることをおもしろがるのが目的で、そんなに難しい問題ではありません。

(2)(1)を利用して考えましょう。

(参考)

2018年度洛南高等学校附属中学校 第4問(3)

洛南高等学校附属中学校の入試問題は、きれいに解ける美しい問題でしたが、ヒントがないと難しかったかもしれません。第4問(2)とあわせて難問で、実際の入試では飛ばした受験生も多かったのではないでしょうか。

解答・解説はこちら

解答

(1)2辺が3cm、底辺が4cmの二等三角形と相似な三角形を探します。

 同じ角度に印をつけると図3のようになりますから

   三角形OAB、三角形OAD、三角形OCD、

   三角形OEF、三角形BFA、三角形CDE   (答)

 

 

(2)相似な二等辺三角形の辺の比は3:3:4だから、三角形BFAに着目すると、

   

  したがって

   

 となります。

いかがでしたでしょうか。円の問題が出てきたときには、中心と頂点を結ぶのは自然な考え方ですから、とくにひねった補助線を引かなくても解くことができるのです。

それでは、また来月お会いしましょう。

プロフィール

出題・文

学習サポートセンター カズ

Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。

関連リンク

おすすめ記事

第36回 2020を使った小問6題第36回 2020を使った小問6題

どーんとこい!中学入試の算数

第36回 2020を使った小問6題

第35回 「動かして考える」平面図形の問題第35回 「動かして考える」平面図形の問題

どーんとこい!中学入試の算数

第35回 「動かして考える」平面図形の問題

第34回 あまり見ないあまりのある問題!第34回 あまり見ないあまりのある問題!

どーんとこい!中学入試の算数

第34回 あまり見ないあまりのある問題!


Back to TOP

Back to
TOP