どーんとこい!中学入試の算数
第23回 相似は意外とおもしろい!
2018.11.22
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大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。
こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、相似を使った問題を紹介します。
ここで、相似にまつわる話題をひとつ。
お相撲さんは、ひざを痛めることが多いですが、どうしてだか考えたことはありますか。カズは、小学生のときにこの難問(?)に取り組みました。そしたら何のことはない。相似の考え方で説明できるんですね。たとえば、たて、横、高さが2倍の自分が存在したら、生活はどうなるでしょう。体重に着目すると、8倍になるんです。35kgの体重が280kgになるということですね。しかし、ひざの断面はたてと横にだけ広がり4倍になりますから、8倍の体重を4倍のひざの断面積で支えるという話になるのです。そうなってくると、ひざへの負荷は単純に2倍ですね。
そのときに、アリの足は細く、ゾウの足は太いことに納得! 手ごたえアリ、わかったゾウ! という気持ちになったのです。
それでは、早速ですが、いつものように問題を見ていきましょう。
問題
図1のように、半径3cmの円の中に3辺が4cmの台形があります。このとき、台形の残りの辺の長さを求めましょう。
(1)図2のように、台形の頂点をA,B,C,D,円の中心をOとし、4つの頂点と円の中心を結びます。そして、DOの延長とAOの延長がそれぞれ辺BC上でぶつかる点をE,Fとします。ここで、相似な三角形を6つ見つけましょう。
(2)BCの長さを求めてください。
ヒント 図形問題のおもしろいところは、「発見する」ことができたときです。今回も入試問題を参考に問題を作りましたが、「発見する」がしやすいように、誘導をつけてみました。 (1)4つまではすぐに見つかると思います。同じ角度に印をつけて探してみましょう。相似な図形を見つけることをおもしろがるのが目的で、そんなに難しい問題ではありません。 (2)(1)を利用して考えましょう。 (参考) 2018年度洛南高等学校附属中学校 第4問(3) |
洛南高等学校附属中学校の入試問題は、きれいに解ける美しい問題でしたが、ヒントがないと難しかったかもしれません。第4問(2)とあわせて難問で、実際の入試では飛ばした受験生も多かったのではないでしょうか。
解答・解説はこちら
解答
(1)2辺が3cm、底辺が4cmの二等三角形と相似な三角形を探します。
同じ角度に印をつけると図3のようになりますから
三角形OAB、三角形OAD、三角形OCD、
三角形OEF、三角形BFA、三角形CDE (答)
(2)相似な二等辺三角形の辺の比は3:3:4だから、三角形BFAに着目すると、
したがって
となります。
いかがでしたでしょうか。円の問題が出てきたときには、中心と頂点を結ぶのは自然な考え方ですから、とくにひねった補助線を引かなくても解くことができるのです。
それでは、また来月お会いしましょう。
プロフィール
出題・文
学習サポートセンター カズ
Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。