どーんとこい!中学入試の算数
第36回 2020を使った小問6題
2019.12.26
33.9K
大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。
中学受験の算数では、「その年の西暦」など、何かに関連した数字を使った問題がよく出ます。2019年度春の入試では「2019」を使った問題が多くの学校で出題されました。次は「2020」ということになりますね。受験を控えている6年生のために、今回は軽めの問題をいくつか紹介しましょう。まったく同じ問題が出た!とはいかないとは思いますが、きちんとマスターすれば自信を持って入試に臨むことができるはずです。
問題
(1) 計算問題
1÷[1‐{1÷(1+1÷□)}]=2020であるとき、□にあてはまる数を求めなさい。
(2) 数列
連続した40個の数字の合計が2020になるとき、最初の数を答えなさい。
(3) あまりの問題
8でわると4あまり、11でわると7あまり、23でわると19あまるもっとも小さい数を求めなさい。
(4) 植木算
1本の長さが70cmの紙テープを、のりしろを5cmにしてつないでいきます。何本かつなぐと、紙テープ全体の長さがちょうど2020cmになりました。紙テープを何本つなぎましたか。
(5) 面積
90cm×90cmのテーブルクロスが1620円のとき、次の図の色のついた正方形の大きさでは、いくらになるでしょう。ただし、価格は面積に比例するものとし、消費税は考えないものとします。
(6) 旅人算
まわりの長さが2020mの湖に沿って、和也と佳代子が同じ場所から同時に進みます。2人は、反対方向に進むと6分44秒ごとに出会い、同じ方向に進むと和也が20分12秒ごとに佳代子を追いこします。和也と佳代子の速さはそれぞれ分速何mでしょうか。
ヒント どれも入試ではよくある問題です。6年生は、ヒントなしで求められるようにしておきたいものです。 (2) 1から40までの数字の合計を利用しましょう。 (3) あまりの特徴に注意しましょう。 |
解答・解説はこちら
解答
(1)
順に逆算していきます。
よって
□=2019 (答)
(2)
1から40までの和は
(1+40)×40÷2=820
よって
(2020-820)÷40=30
から、問題文の数列は1から40までの数字にそれぞれ30をたせば条件をみたすので、最初の数字は1+30より
31 (答)
(3)
4をたすと8と11と13のそれぞれで割り切れる数なので、8と11と23の公倍数から4を引いた数だということがわかる。また、8と11と23は互いに素であることから
8×11×23-4=2020 (答)
(4)
最初の1本目は70㎝、2本目以降は65㎝ずつ増えていくので
(2020-5)÷65=31(本) (答)
(5)
色のついた部分の面積は
したがって、色のついた部分の大きさでは
1620÷(90×90)×10100=2020(円) (答)
(6)和也と佳代子の進む速さをそれぞれ分速○mと分速△mとする。このとき
であるから、反対方向に進むときの時間から2人の速さの和は
同様にして、同じ方向に進むときの時間から2人の速さの差は
①+②を2でわって
○=(300+100)÷2=200
①-②を2でわって
△=(300-100)÷2=100
よって、求める答えは
和也は分速200m、佳代子は分速100m (答)
以上になりますが、楽しんでいただけましたでしょうか。2020を念頭においた問題では、素因数101という数字が出てくることが予想されます。101は素数ですが、100より1大きい数という意味では、(4)とは異なるタイプの植木算などが考えられるところです。また、(6)のように101という数字が見つけにくいかたちで出題されることもあるでしょう。それ以外では、2020から直接攻めるのではなく、近い数字から出題されることもあります。(3)などはそのタイプで、2024=8×11×23を利用して作った問題です。2021=43×47についても要チェックですね。
さて、『どーんとこい! 中学入試の算数』は、今回を持ちまして終了になります。長きにわたりご愛読くださったみなさまには、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
「さぽナビ」中学受験コース向け記事 アンケート
本アンケートは、「さぽナビ」中学受験コース向け記事において、より充実した情報提供のために役立てさせていただきます。
ぜひ、中学受験コースを受講している皆さまの声をお聞かせください。
まだZ会員ではない方
プロフィール
出題・文
学習サポートセンター カズ
Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。